ビクトリアなーち12

⑮ダリオス神殿



 ダリオス神殿の入り口には、二体の巨大な獣神が立ちはだかり、訪れる者を見定めているかのようだ


「 うひょーー!食われそうだぜっ!きゃっはぁぁーーい!」


一行は神殿を入った中央広場


「おーきくて、長い滝ですね」

とりあえずナーチフォールを眺めたり、


「どうです!これ! 上手に撮れましたよ!」


スプラはみんなを写した画像の数々を自慢げに見せると、


「けど、あんた、足が切れちゃってるじゃないか!」


デバイスを覗き込むハチの言葉にエップが身悶える


「いやぁーーん、じゃぁ、この可愛いサンダルが写ってないわけぇ~ー!!」


「あんたなんてね、ほら!半分しか 写ってないよ-w  」


ユキホたち大笑い


「えーーー!ひどいんじゃぁなーい⊂(・∀・⊂*)」


「  すいませんねぇ    滝を大きくしたかったもので💦  メイ神殿行ってから、また撮り直しましょう🎵」

そう言って、そそくさと逃げてゆく


ここから更に上にあがると、 ナーチフォールをもっとも間近で見ることができる バンブイサン ダリオス神の父神、ファイアー メイ神殿だ、最高所である そこへ詣《まい》れば、周辺の神殿を制覇したことになるだろう


「  クレイン、足 痛そうね、挫《くじ》いたの? 」


階段を見上げて立ち止まるクレインに、不意討ちを食らわすレオン


クレインは振り返りもしない

「 💢  しらじらしい! 」


「ご機嫌も悪いみたいね-w 」

「  誰のせいよ! 」


「ねぇ、なんだって、そう、私には冷たいのかしら…万人に優しいクレインなのに。」

フワッと髪の毛がかかるくらい、クレインの側に来て覗き込みながら

「 あ!ルフィーにも素直じゃないか…てことは好きの裏返し? 」


「Σ(゚Д゚)! バカなこと言わないで💦  何が好きの裏返しだっ!💢  私はっ!誰にも同じ!冷たくも優しくもない !   」

動揺して怒りちらかすクレイン。


「…。」

向こうからレイラがやってくる


それを見てレオンは 微笑む

「  ほら ナイトが来たわよ !  ちょうどいいから 写真とってあげるわ🎶  スプラよりは上手だから-w  二人!いい感じよ!」


「な、何が( 〃▽〃)」💦


お構い無しに連写する

カシャカシャカシャカシャカシャ


「よせ 💢」


不機嫌なレイラは、払い除けるが、果敢にも すり寄っていくレオン


「 怒ってばっかり…たまには笑ったら?  」


「 離れろ 」


クレインもレオンの行動にムッとする

(すぐ そうやって 猫みたいにベタベタと…💢)


二人の冷たい視線など、ものともせず、

「 あなたたち、先にホテルに行ったら?荷物も多いし  」


「えっ❗️」となるクレイン


階段には、こちらの様子を伺うスズカが目を光らせている

レオンはそれに笑顔で手を振りながら続ける、

「 その足じゃ、また上まで登るのも大変でしょ。みんなを待たせても気を使うだろうし  」


「…💧」

レオンに言われると意地でも登りたくなるが、みんなの事を考えると、納得せざる得ない


でも なぜ レイラまでその中に入ってるのか…💧

レオンが何を考えているんだか、さっぱり分からない


あれこれ思い悩むクレインの様子をレオンは じっと見つめる


「 部屋で休んでてもいいけど、タロで温泉に入ってきたら? 足にもいいんじゃない?    レイラ、背負って降りてあげてよ!(=^ェ^=)」


突然のフリに焦るレイラ

「 なぜっっ!私が!」💢


「そ、  そうよ💦  私は歩けるッ!」

何を言い出すかと思えば、もう!


慌てて歩き出そうとするクレインに立ちふさがるレオン


「  今、無理しないほうがいいわよ、タロアイランドはむちゃくちゃ広いから、そこ全部 歩いて回らなきゃいけないんだから!  」

ここは足を休めておくべきよ🎵


「  💦 そんな、別に部屋の浴室もあるし  」

「ええええー!温泉行かなかったら ビクトリア ナーチに来た意味ないわ❗️」

大袈裟に驚くふりはわざとらしい


「  ムッ  ほっといてよ!私はそんな 温泉とか、こだわり ないから!」

レオンをすり抜け ヨチヨチと歩く


「そーやって すぐひねくれる…  レイラ!   これは 貴方のせいね  」

ぱっとレイラを見るレオン


「💧 なに💢 」

矛先がレイラに向いて、クレインは困った様子で立ち止まる

「 レオン、やめて!」


「だって、レイラ、貴方がおんぶして降りてあげないからよぉ~」

悪戯な小悪魔は、しつこく二人を挑発する


「  なんだと💦  」

いつもとは違うパターンにレイラも戸惑う


「  そうじゃないでしょう、私は歩けるって言ってるのにっ 💦  あっ !」

「 クレイン!  」

よろけるクレインを支えるレイラ


抱き合う二人を愉快そうに見つめて、ふーん、立派に歩けるのね!とレオンが嘲笑《あざわら》う

「…なんでもいいけど、これ以上登るのは、足に負担になるからやめたら?  ホテルに、ルートバスを来させるよう連絡しとくから、そっちに乗っていって。夕食はpm8:30よ  」

「   ちょっと💦  レオン  」


「 じゃ、ゆっくり するといいわ💕 」

ゲートをくぐり、行ってしまう


取り残されたクレインとレイラ。


「  ムッスー 」


腕を組み上げ、とてつもなく不機嫌な様子のレイラに困り果てるクレイン


「💧  レイラ、貴方も神殿に上がってきて!  大滝が間近で見られるらしいぞ😉👍🎶    私は、ほら ボチボチ降りて、下で待ってるから💦    あ、別に登れるけど、行ってもまたレオンがごちゃごちゃ うるさいし、 あの、適当にしてるから気にしないで!」

精一杯、明るく言ってみる


「……見たいのか? 」

「  え? 」

「  滝  」

「  あ、いいえ!💦  別に私は。 ここから十分見たし、もういいから!」

レイラはクレインを食い入るように見る


「  ほ、本当よ💦  」

「   なら 降りるか  」

「  えっ💦  あ、大丈夫だから💦

  気にしないで!  いや、ずっと 気にしてくれてて💦  本当に ありがとう…     あ、でも  大丈夫   んー、レオンの言ったことなんて  気にしないでっていう意味であって💦   」(あー、へんな喋りになってる ( ω-、) )


「  なにも気にしてない 」

慌てまくって話すクレインをよそに、レイラは目の前で 背中を向けると膝をつく

「 ええ~ー!大丈夫!私、歩けるから、大丈夫!」


「 いいから、乗れ 」


「  そんな💦  ムリ~💦絶対、ムリ~💦  本当に レオンの言うことを真に受けないで~💦」  

だいたい、あいつ、ゴースト持ってるはずなのに! それなのに!あーきっと嫌がらせにあんな事いって、私たちをひどい目に合わせようという魂胆なんだな!!


「…💧」


ぎゃーぎゃーと うるさいクレインを、レイラは立ち上がって、無言で抱きかかえた


「ぎぁぁ!(*ノ▽ノ)  まって!レイラ!」こんなの恥ずかしすぎる~💦

降ろしてー💦


「ごちゃごちゃ言ってるうちに降りれる 」


「 わ、私 重いしぃ! とにかく、ちょっと 降ろして💦  あなたが足腰を痛めるといけない!」


クレイン、恥ずかしさのあまり、レイラを見れず、その胸に顔を埋《うず》めた


「  一門の苦行に回峰行というのがある、八剣山の山道を登り、毎晩300日、寺院まで 火を炊きに行く。ウエイトを着け、砂袋を担いで登るんだ…」


「  毎晩?300日?!  ひどい訓練だな💦  」


「  大人は1000日だ 」

「えーー!子供の時にやったのか?!」

驚きすぎて、レイラの顔を見る


「ふっ、だから、お前を抱えて こんな階段を降りるくらい たいしたことじゃない  」

レイラは前方を見据えて、クールな表情を崩さない


「… (〃ω〃)  レイラ  」



~~~~~~~~~



二人の頭上には、レオンのMgドローンとガオウが潜んでいた!


━━あんらぁ~、これはまた、いい感じ😁 ラブ度高めじゃぁないですかぁ💕

誰も彼もが、レオンちゃんの筋書き通りに進行していってしまいます~

(人´ з`*)♪


レオン『 クスッ!  レオンは優秀だから  軍事プランニングのみならず、恋愛の最適なピーシングパターンを見極めて、セッティングできちゃうのよね~🎶』


━━これから、ますます楽しみですねぇ❤️