惑星バセンジー13

29◆この星での過ごし方



草原の上空では、 TC M型バッファル 2体が暴れまわり、空中戦を繰り広げている。


対戦模擬テスト1は実弾は使わないがフラッシュビームがヒットすると振動や警告音がなり、部位が機能しなくなるため体感は大きい


「リュウ!攻めてけ!」

ルフィーはゴーグルモニターで、戦闘機の動きを見ながら指示を出す


レイラの搭乗するバッファル 対FA〔フルオート〕バッファル


燃料タンクを射止め、相手の動きをロックしたらフィニッシュだ。


「くっ!」


フルオートはマニュアル通りに動くが経験の浅いレイラにとっては、いちいち その動きに反応してしまう。





                 



惑星探査機ビータからの映像がオペレーションルームの大スクリーンに映し出されている


送られてくる大量のデータをハーバとセクションしながら空域周辺の小惑星をチェックするオブジェ、

その横で手持ちぶさたなマコトは、カップのリコラコーヒーを、ただ、すするように飲んでいる


「オブジェ、お宅、馴染んでるねぇ。まるで宇宙人みたいよ

どう、なにか、わかった?」

大スクリーンに目を向ける


「ビータは、地球では何年がかりで行くような星圏外空域にもあっという間に移動している、

現在1250∠⊆《セサル》、つまり125億㎞の地点だ。昔はこの小惑星にも海があったようだが、はあ。

ルフィーが言うように、ターゲットを定めて、私たち自身が捜索の旅にでなければ。」

「でもね!宇宙空間や知らない惑星を放浪しながら死ぬなんて…おれは嫌だよ」

ハチとマウゴラが楽しそうに遊んでる姿を眺めながら、マコトは続ける

「きっと、この土地のどこかに、向こうに帰れる秘密があると思うんだがね!」





キャハハハ~アハハハ~

パウダールームから楽しそうな笑い声、ユキホたちだ


「わーい!」

生き物係の仕事を終えて、除菌ダクトを通り、シャワーを浴びた。

温度調節システムが熱量を関知し冷風ミストを吹き出している

「気持ちいい!」

口を開けてパクパクしているユキホ


ミヨシは、ユキホの腕に残る かすかな傷痕を すまなそうに見つめる

「…ごめんね、私のせいで_(._.)_」


「そうじゃねぇよ、おれが油断してたんだ!今度あの虫にあったらなぁ、メッタメタにやってやるぜ!」

グイっと髪の毛を束ねて、紐を巻きつける手には無意識に 力が入る


「あの時ね~、ミレイユが来てくれなかったら、どうなってたか」


ミヨシは、 あの洞窟の中での状況を、ミレイユの安定の温もりと共に思い出していた

「ミレイユは女神だね!」


「(*´∇`*)ああ! おれの女神だ!キリコに会えたから本当に良かった!」

ユキホは嬉しそうにニッコリする


「ふふ、ユキヒョウかわいいね!今度はわたし、絶対に守るからね!」

純粋で真っ直ぐなユキホが 、たまらなく好きだと思うミヨシ



“ちょっと!いつまで遊んでる気?もうすぐご飯だから、早く来て 手伝いなさいよね!”


スピーカーから、ヒステリックな声がした。スズカだ

ミレイユと一緒にキッチンに立っている




         *                 *                 *



レイラとFAバッファルの戦いは続いていた

隙の多いレイラの攻撃はすべて交わされ、


ピー~ー!!


FAのブラッシュを避け損ね、レイラのバッファル は左足にビームが命中した!


警告音がコックピット内で鳴り響き、モニターでは下腿《かたい》が赤く点滅している


「おいっ、間合いを取って、盾を使え!ワールでは常にコスプレだ、てめーの手足と思ってやれよ!」

レシーバーからルフィーのがなり声


しかし攻撃の嵐を避け交わすので精一杯のレイラ、なにも耳に入らない

(迷うな!いくぞ!)

フラッシュを掻い潜り、FAバッファルに突撃!

足元を突っ切るとバックを取った!


「よせ!!リュウ!💦」

ルフィーは大声で叫ぶ!


レイラが非常射程距離内に突っ込んでいったからだ。


ブォー~フホォーオオオオ

風が唸り、草木が揺れた


バシューッ!バシューッ!


レイラのバッファルがフラッシュを連射!

相手の燃料タンクを撃ち抜いた!


プァン、プァン、プァン プァン!!


しかし振り返ったFAバッファルに頭を取られて完全なる敗北となった。


シューウウウウウウウ~ン


疑似戦闘は終了して、2体は静かに降りてくる



「ふーーっ」

レイラの体に冷たいものが走っていた。バーチャルとは言え、頭が吹き飛んだのだ、気分は良くない


「なんだって急所を避けた?

突っ込んだのは百歩譲って、危険を冒して、タンクを取るなんて正気じゃねえよ!」

憤慨しているルフィーをよそに、レイラは無言のままコックピットから飛び降りた。


「これが実践だったら、お前は完全にあの世行きだ、リュウ、二度とあんな手使うんじゃねぇぞ!」

ルフィーはレイラの腕を引く


「おまえが…燃料タンクを撃てといった」

レイラはギロリとルフィーを睨む


「💦ん、だからって、」

こいつはアホなのかと頭を掻く


「ふっ…惜しんだところでいつかは死ぬ、必要な時にそれを捨てて何が悪い。きさまにとやかく言われる覚えはない。」

ふんとそっぽを向く

やわらなか風が吹いて、レイラの髪がなびいている。

とにもかくにも、その横顔は気高く美しい。


「ったく、軽くこきやがる   まあ、俺には確かに関係ねぇけどよ。

だけどな、このワールでの  でかい戦争は   “生きる”  ための戦いだ! 死んじまったらおしまいなんだよ!お前、ミレイユたちを連れて帰るんだろ」


「……。」

レイラはルフィーに振り返った。


「この辺じゃ もう長いこと戦争が続いてるんだ、ここも、いつ巻き込まれるか分からない、とりあえず、自分達の星系に辿り着くまでは、生き残る事を考えるんだな」


レイラにとって機構と党首 竜将星のため、抗争で命を捨てるのは錦旗《きんき》を得るように名誉なことだ。

そして難しいことではなかった

だが、生きるために戦う…とは…

『ミレイユたちを連れて、帰るんだろう』

その言葉はレイラに ズシッと のしかかる


「レイラ~!ルフィ~!」

ミレイユが遠く、艦艇の側から手を降っている。


「飯らしい、行こう!午後からは全員で、シュミレーションファイトだ!誰が最後まで生き残るか、楽しみだぜ、なんか賭けてよぉ-w   

罰ゲームにハレコーン風呂に入るとか-ヒヒヒ」

ルフィーは愉快そうに悪い顔をする


「…💧」


レイラは、竜裂刀《サケベア》を持たされて戦う黒龍のように、不本意で不愉快な顔をした。




          




ダイニングルームに集まってワイワイしている


「 そう? まだあるかしら(´∀`)」 

ミレイユの満面の笑顔!


「ああ、こんなにいっぱいあった!なぁミヨシ!」

手を広げて見せるユキホ


「うん!沢山なってたね!」

「じゃ、取ってきて、サラダに入れたりね!(人´ з`*)♪」

とっても楽しそうな様子


「本当に食べれんのかい?変なもん、取るんじゃないよっ」

ハチはとりあえずケチをつけるが、スズカは真剣に否定的だ

「言えてるわね、ノータリン猿のゴム毬のような胃なら、なに食べても平気だろうけど、私にはちょっとね!」

「なんだと!ミヨシもぶっちょうずらも食ってるんだぞ!大丈夫にきまってんだろ!」ガルルル


「レイラも食べたの?」

ミレイユはそっちの方が気になるらしい


「種ばかりでお世辞でも旨いとは言えない」


「でも、ほらビタミン、酵素が豊富で、デドックス効果、美容効果があって、果実酒にするのもいいって書いてあるわ、身体にいい果物なのよ」

ミレイユがデバイスの画面をアップにして見せる

「えーそうなの?」

じゃ、そのゴワゴワ取りに行くの賛成!

とスズカとマコトはハモる


「へぇ、黒木さんて、一応、そういう健康とか美容とか気になるんだね」

なんか面白いとミヨシは笑う


「まあね、それなりに気遣ってるわよ」

シナをつくるマコトにオブジェの冷たい視線

「単にお前は果実酒 飲みたいだけだろう」

「あ、バレた?」

楽しそうに話す みんなの様子を

遠目から ぼんやりと眺めるルフィー


「……。」


ここ数日、バセンジーでは、ゆったりと平和な時間が流れていた。


みんなには必要最低限の艦艇や重機の基礎知識や操作、戦闘訓練など施しながら、のどかな一日が過ぎる度、いつまでもここにはいられない、その一念が付きまとう


「ルフィーもリコラコーヒー飲む?」


いくら頭に恋の花が咲いていても、国を捨てる覚悟はできない

今もなお、同胞は戦っている

本来なら すぐにでも所属基地に帰還し隊の職務に就かなければならないところ。

だが、不認可の惑星を調査することも大切な服務の一つだ、と言い逃れ的なことを思い巡らしてみたり。


「これ本当のコーヒーみたい!ノンカフェインとは思えないわね」

感心しながらカブガブ飲むスズカ

「うふ、おいしいでしょう」


数機のビータ《探査機》を飛ばしてみても、母星が見つかるという奇跡は起こらない。

まさか、こんな原始惑星にミレイユたちを置いてはいけない。

「……。」

しかし安易に連れて帰れば、フォリナ《異星人》として どんな扱いを受けるか分からない上に、スパイや亡命など、有らぬ嫌疑が かかれば捕らわれて 監禁や、悪くすれば拷問など、自星を探す処ではなくなるだろう



「ねえ、ルフィー聞いてる?」


「え?あ、💦なにが?」

ミレイユがいつの間にか、目の前にいた。白く細い手が柔らかい動きでカップに飲み物を注いでいる。


そんな仕草にまで魅とれる 、

自分の気持ちを持て余すルフィー


「💦なんて?」

「リコラよ。おととい、私がたくさん摘んでたお花、その花びらのコーヒーなの」

どうぞ、と差し出す

愛らしいミレイユの瞳には、不自然に無愛想な自分が写る


目をそらして一口飲んだ

「ふーん…まあまあだな」

ルフィーはわざとそっけなく言うとリコラコーヒーを一気に喉へと流し込み、

「いいか!お前ら、午後からVCトレーニングだ!点数の悪いやつは罰ゲームだからな!」

いい放ってダイニングを後にした


「なによ、ルフィーったら!みんな美味しいっていうのに…」


30◆機動38連隊 参上!

「…光速圏を離脱します! 50秒後には通常空域に浸入」


ブバァァァン!シュン! シュン!パシュン!


バセンジーを前に次々と現れる大艦艇駆逐艦、小戦艦艇、ジプマシー攻撃機の数々

第38連隊 特殊機動艦隊の面々だ! 


「おお~、やっときたなぁ

( 〃▽〃)」

イーグラは美しすぎる緑の星を前に目を輝かせ、声を弾ませている


「まずは挨拶してやらないとなぁ~KCは残して、ピットブルをすべて落とせ!糞どもを震え上がらせろ!

アハハハハハハ!!!」

クーネスが手を振りかざすと、機動艦隊の攻撃が始まった!


「ルフィーさま( ; ゜Д゜)」

ラディアは苦痛な表情だ


ウウウ~ーー‼ウァンウァンウァンウァン


地上では内外で非常警報が鳴り響き、みんなは慌てふためいた


「いったいなんなのーー!」

「またバケモノが現れたのか!」


ルフィーは中央モニターを見て、身を乗り出す

「なに?敵機?  いやDA【防衛軍】じゃねぇか!💦なんでだよ!」


大型艦には防衛軍のエンブレム、そして 機動隊のプレートが付いている


「ラクサ基地を発つとき、なぜスパイダー〔追跡装置〕チェックをしなかったのですか?」

マウゴラは冷静な声でいいながら、ルフィー機に付けられていたパッチを見せる


「発信機だって? こんなにうすっぺらで。へぇーすごいじゃないか」

透明でシリコン質のパッチをモチモチとさわりながら感心するハチ


「うるせー!今はそれどころじゃねぇだろ!オブジェ、ルークだ!

ジプが降りてくる前にばらまくんだ!全員、配置につけ!トレーニングを思い出せ!」

叫びながらルフィーは格納庫に走った


「OK!すべて打ち上げる!」

オブジェは緊張しながら、空域確認をし、パネル操作でフィールドを最大にセット


「えーDAって友軍じゃないの?」

シートのガードを固定し、いつでも離陸可能な状態のマコト


ブラッドルークが次々と発射!

敵レーダーを妨害、低空を防御、対艦ミサイルを防ぎ、艦艇の位置を測定させない働きをする。そして、無数のファイターが出現しているように、一つ一つが強力な電波を出してカモフラージュするのだ。


「ケーティたちどうするの?!」

ミヨシとユキホはまだ外にいた


「💢💢💨バカなこと言ってないで、早く中に入りなさいよ!」

スズカはコンタクトシートで発狂寸前だ!


「ハレコーンは海に返してあげといて良かったわね」ニッコリ

「…ミレイユ」

レイラとミレイユはバッファルのコックピットでスタンバっている


モニターにルフィーがドーン!

「いいか!おれが出たらすぐ動け!リュウたちも速度は出さずガードしあって慎重にな、ここで落ち合う!」


レーダーパネルにマーキングが青く光っている


“ラジャー”


「気を付けてね!ルフィー」

ミレイユの眩しすぎる笑顔に

モニターを切りかけた指を止め、

ルフィーはじっと見つめた。


「停留は短時間ですよ、長居は危険ですから」

マウゴラは割り込んできた


「ああ…もし、おれが来なくても、リュウたちを回収したらビータの示す星系に向かえ!」


プッン


エアモニターは消えた

えー!となっているみんな



ウォンウォンウォンウォン!


ベースが点灯!

離着ベイが開くとfighting weaponIII F/t-21A CTR² Oが美しく大きな羽を広げて大空に舞い上がってゆく


「あいつはさぁ、てきとーなこと言って、あたいらを置いて逃げる気じゃないのかい?」

敵艦隊の位置を確認しながら、ルーク100機を軽々と操作する上級プレイヤーハチ。

マウゴラと遊びながら鍛えた腕は伊達じゃない


「いや~捕まるか、撃ち落とされるか…そっちの確率を考慮してってことじゃない?」

スモークを撒き散らし、カモフラージュの先頭に向かうルフィー機を、気の毒そうに見るマコト


「ルフィー!無茶しないで、ちゃんと戻ってきてね!!」

ミレイユは双方向マイクに張り付くように声をかける


「フルアクティブ!homing!!

ミレイユ、同調しろ、いくぞ!」

マウゴラたちと反対方向にレーザー照射しながら移動するバッファル。


レイラたちは第二の囮だったが…


きぃぃぃぃぃーーー!!!

ドゥゴオォォオオーーーン!!

ドゥゴオォォオオーーーン!!

ゴゴゴゴゴゴォォォォォ!!


機動隊の対艦ミサイルP2ガーとM4爆弾の群れが、

うねりを上げておたけぶ!!


その矛先はマウゴラたちの艇!

位置をしっかりマークされている


キイイイイイイィィィィ!!


大戦艦のパレン連装発射機が、ピープンミサイルを次々と送り出し、狙いを定めたように小艇すれすれを爆破しまくる!



ブオオオオオオオ!!

シュユウウウウウンンンン!!

シュュウウウウウンンンンンン!!


「!!」


カモフラージュがまったく効いていない!


「うわぁぁ!!」

艇内は大きく揺れ動き、

ミヨシたちはシートにしがみつく


最大レベルのフェンサー バリケードを張る

攻撃の嵐に翻弄されるマウゴラとハーバ


「ロックされています、なすすべがありません💦ミサイルにCIWSシステムが追い付きません💦」



ヒュュュュゥゥゥゥウーーーン

ドドドドォォォォォ!!!!!!


慌ててもどってきたレイラたちも、ミサイルにつけ狙われ必死で飛び回る


「キャー~ーー!」

ミレイユはウィールガンを撃ちまくりながら、でも当たらないので、ほぼ、イーオンで攻撃を食い止めた


「ミレイユ!  艇《ふね》に入れ!

場所を確認して集合地点にジャンプしろ!!」

レイラは素早い動きでミサイルを引き付けながら、グレンバズーカで打ち落としていく


「無理よぉ!!😭💦💦こんな大きい物と飛んだことないもの~!!」

「くっ!  とにかく、そんな動きではミサイルの的になる!中に戻れ!」


艇を守ろうと必死になっているレイラたちの画像を横目に、ルフィーは攻撃機と小競り合いながら、戻るべきか、行くべきかと焦る!



「くそっ!💦 DAにナメられてたまるか!マウゴラ!

ワイド〔主力艦〕の正確な位置を教えろ!!オレがパレンをぶっ壊してやる!」

パネルを叩き壊す勢いで搭載ミサイルの確認をする

「よし、ザブ〔ZAW-4〕が三発もありゃ、余裕だぜ!ウスノロめ!丸ごと あの世へ送ってやる!!」


ルフィーはもちろん、言わずと知れた撃墜王。セイバー巡洋艦も落としている。戦艦のひとつやふたつ 獲るのは容易《たやす》い


だが、マウゴラは慌てて止めに入る


「ダメです、既にブラックパラサイトにCIWSシステムを侵略されました。こちらの位置は確実に把握されています。貴方が戦艦を落せば、この艇《ふね》が報復されるでしょう、勝ち目はありません。

投降シグナルを発信します 」


画面のすべてに§ZENOMHELL§【攻撃停止】と打ち出されている


「!!!マウゴラ!!」

「生き残るためです、防軍の艦砲射撃は威嚇によるもの、でなければ皆さんの命はとうに無いでしょう、我々が抵抗しなければ攻撃されません、現段階の安全確保のためです」


「お前、DAの手先か!」

そう言いながらも、どうすることもできず、しぶしぶ地上に降りてくるルフィー


レイラたちも艇内にもどっていった。


「きりこぉ!大丈夫かぁ!」

心配していたユキホとミヨシがかけよってゆく



メインデッキの中央モニターには、早速  イーグラが顔を出した


「ごきげんよう、進軍の兵士諸君!私はこの艦の司令官、防軍第38連 特殊機動艦隊 副艦 イーグラ・ゼアである。武装を解除し、全員、速やかに艇《ふね》の外へ出て、我々を出迎えよ!

だが、安心したまえ、君たちを悪いようにはしない。  惑星の現状維持が優先だ、平和的、かつ友好的に取り組み、早急に問題を解決したい」

イーグラに司令官の威厳は感じられなかったが、まとうコスチュームだけは その風格を保っていた。


「なんか、すごい人が現れたねぇ!これぞ宇宙人、的な?」

マコトたちは呆気にとられてモニターを見つめる


「おい、待ってくれ💦俺たちは遠征第25艦所属 V隊残存兵で、ここへはピッチ〔小艇〕の故障で不時着しただけだ💦星は好きにしろ!俺たちは行かせてくれ!」

ルフィーは防軍の言いなりになってたまるかと必死だ


「なるほど…。まあ話しは後程、ゆっくり聞こうではないか!pac‐Aシステムを解除し、シールドを消去、readingシグナルを発信せよ」


「はい、既に送信済みです」

「おい!DAに従服する義務はねぇだろ、なんでも言いなりになるな!」

素直に従うマウゴラにルフィーは怒りをあらわにする


「ファッハッハッハッハっ

ごちゃごちゃ言ってないで大人しく従え!

ガーの威力を思い知っただろう!!次は本当に砂塵にするぞ!糞溜のウジ虫ども!!

こざかしいルークが目障りだ!回収しろ!サースwaveで一気に片付けてやろうか!」


「💢💢💨なんだと!」


「クーネス、物騒な物言いはよさないか!」

イーグラは眉を寄せて画面を切り換える

「争うつもりはない、この美しい星を汚したくないのだ。調べが済めば全員解放する、すべてこの私に任せて素直に従うのだ!よいな!」


「…💧」


ルフィーたちは仕方なく、ルークを戻し、接近防空pac‐Aシステムを解除


「うーわ!巨大UFOだね、ねえ、オブジェ、あれなら、絶対、タバコとか酒とか沢山積んでそう😏アッハッハ」

「呑気だな、マコト」

大気圏を通過し、バセンジーの上空に続々と姿を現す機動艦隊


みんなは異常な緊張感に溢れてる


「どうなるの?😭💦💦大丈夫かなぁ」

「大丈夫なわけないでしょう!きっと屈辱的な目に合うに決まってるわよ💢」

「えーーー!」((((;゜Д゜)))

スズカは真面目な顔でミヨシを怖がらす、bot形態のハーバはそれを打ち消すように優しくミヨシの頭を撫でる

「心配要りませんよ、私たちが守ります」


それを聞いたルフィーは鼻で笑い、唾を飛ばして 噛みついた

「どうだかな!  怪しいもんだぜ! 

お前ら命令されてねぇこと勝手にやるしよ!進軍のIBだってことを忘れてんじゃねぇのか?!」


「すべて生き残るためです」


「そればっかりじゃねぇか!マウゴラ!だいたいな、bパラを見逃して駆除出来なかったテメーのせいだぞ!わかってんのか!」

ホロディスプレイのマウゴラ

くるくるくると小さくなる

ルフィーはそれをパンチしまくった


「ふん、もとは誰かさんがSパッチつけられて帰ってくるからだろ!トロくさいね~」

マウゴラをかばうハチ

「なに!💢オレがトロくせぇだと!」

マウゴラくるくるくると大きくなる

「?…608573、トロくさいとは…」

「黙れ!マウゴラ!」

ギャーギャーとやりあう 


その横では疲労と激しい頭痛に顔を歪めるミレイユがいた

「…平気か?だから戻れといったのに、イーオンの使いすぎだ  」

「ええ、しばらくは何もできないかも 。レイラ、みんなを守ってね 」



敵はバケモノだけではなかった。

次は惑星外からやってきた宇宙勢力の頂点を極めるブラッセル軍。

圧倒的な制圧力で押し寄せる…  

「……。」

レイラは、その様を 鋭い眼差しで見上げていた。