惑星バセンジー15

33◆バセンジーを脱出するぞ!



「ミレイユさん!  (っ`・ω・´)っ

じゃ、お願いしますね❗️」

ラディアはチップを渡しながら、ミレイユの手をギュッと握りしめた。


「ええ💧…でも貴女が直接 渡せばいいのに。」


ラディアは大きく首を振る

「私なんか ダメです💦合わせる顔もありませんし😢⤵️⤵️」


「そんなことないわよ」(´・c_・`)


「いいんです、早く行ってください、脱出の準備をしないと、あまり時間がありません💦」

「 ラディア、あなたはどうするの?」

ミレイユは心配そうに見つめる


「…。P5が言ってました、もうすぐ開発支援ユニットと衛兵隊を乗せた第2艦隊がやってくると。その前にここから出る必要があります」

「ええ…💧」


深刻な二人に向かって、遠くからクーネスが、上機嫌で手をあげている

「おーっ(人´ з`*)♪探したぞ!」

(まさか、私を奪い合ってもめているのか(((*≧艸≦)ププッ)麗しの女神とメアボン・ラクサの天使、どちらも捨てがたいな😁🎶🎵


その声に振り返る二人。

何も知らずに 能天気がこちらにやって来る


「さぁ、早く行ってください!私はクーネスさまを引き付けておきます!」

そう言うと、クーネスの方に駆け寄っていくラディア


「ラディア💦」

見送るミレイユは眉を寄せる


    *                   *                     *



ピッグはバータップ〔整地機〕で周辺をトントンやりながら 辺りに気を配る

「まだかぁ」

ヘッドカムに小声で呟いた


ドグは整備botと共に、スピキンにセル〔燃料〕を取り付け、ハードポイント〔兵装〕に爆弾類などの装着、手早くモニターで装弾パネルをチェックしたり…バケモノ討伐隊の出動機チェックと称し、何事もなく作業が進められた。


マウゴラのeyeセンサーは、静かに見守っている


『思ったより、すんなりだ!無駄な小細工はいらなかった-w  もうすぐ終わる!そっちは?』


「できてるよ!スペシャルスパイダーボーン🎵」

ピッグの手のひらに、朝露のようにキラキラとひかる透明パッチ。

その樹脂アクセサリーのような見た目とは裏腹に、ジアン爆弾を埋め込んだ凶器の改造スパイダーだ!


『よし!じゃ先に行って ルフィーに届けてこいよ!オレもすぐ行くから!』


「わかった!」

ピッグは転げるように走っていく




その頃、 ルフィーたち三人は、溶かされた防護壁の側までやって来ていた。


「ほんとに溶けてやがる、やべーな😁ビズラ!」

ルフィーは笑う

「ふっ  あいつはタフだ 」

ビズラとの死闘を振り返るレイラ


「ああ」

オブジェの目の奥にもゲピーと破裂した姿がよみがえる


 三人は、青い空  そこに漂う雲、立ちふさがるほど そびえる山々、そよ風に揺れる草原の草木まで、それら一帯の美しい風景に包まれて  暫し黙って、ただ佇≪たたず≫んでいた


「……。」

これをやったら、 オレは  もう後には引けない。捕まれば閑牢行きだ。

ヘタすりゃ死刑かもしれない

うまく行っても、二度と母星には帰れなくなる…💧


草原の彼方を見据えていたルフィー、重い口を開いた

「…戦艦かっぱらって、こっから出ようぜ。まあアンクまでいきゃぁ、 なんとかなるだろ!」

わざとヘラっとした顔を向ける


「💧…そんなことができるのか?」

不安な表情を浮かべるオブジェ


「……。やるしかねぇよ、このままDAの言いなりでいられるか!まず   

次の部隊が来る前に行かねぇとな、本当にヤバいことになる。

どこに送られて、どんな処置を取られるか、オレには見当もつかねぇし、何の保証もない。ましてや簡単に釈放される なんてあり得ない話だろっ  モタモタしてられねぇよ💧  覚悟を決めるんだっ  」

まるで自分に言い聞かせているようだった


ルフィー自身は、所属基地に送還され、それなりの処分を受けても、きっと なんとかなるはず…


だが、自分達を気遣い  大きな決断をしたに違いないと、オブジェはその思いを感じとっていた

「もちろんだ! リーダーは君だし、信頼もしている。   その指示に従う心積もりだが……決して一人で無茶は するなよ」

オブジェの呉須色の瞳はルフィーを落ち着かせ、安定的な精神へ導こうと促す


「ああ、とりあえず、合図が鳴ったら、みんなを集めて艦≪ふね≫に乗り込め!ドグたちが誘導する」


「わかった!…私は戻って準備をしよう、頼むよ、竜崎!」

オブジェは なにかを察するように、微笑むと、レイラの肩にそっと手を置く。

そして  颯爽と来た道をもどっていった


「…💧」

触るな!と言う間もなく、勝手にいってしまうオブジェの後ろ姿を睨む




   



「…オレは別に死ぬのは怖くねぇ!だけど自分を犠牲にするような戦いはしない。生きてて勝利だと思うからだ!誰が死のうと関係ねぇ、オレが生きてりゃ、次、また100機でも落とせる!  なににせよ、死んじまったらおしまいだからなっ」


「  ……。」

急に喋り出すルフィーに、レイラは黙って聞き入った


「だけどよ…」


FAのタンクを撃ち抜くレイラのバッファル。

なぜか、ルフィーはあの時のトレーニングマッチを脳裏に浮かべる


「だけど…」

(オレの中の何かが…

ここで 死んだってかまわねぇっ!そう思わせる)


ミレイユの愛らしい微笑み


「……。」


無言のレイラの視線は ルフィーの秘めた恋心までも見透かしているようで、妙な気恥ずかしさを覚える

「 リュウ!💦  黙ってないで、なんとか言えよ💦」


レイラはスッと遠くに目を向けた

「…たとえ…己を殺しても、意志を生かす。それを確信すれば、私はいつでも命など捨てる 」

燃え盛る劫火の炎で溢れる瞳、

ルフィーはそれをじっと見た。


…その信じた何かに命をかけろ!

そう言われているように思えた


「はっん(///∇///)  かっこいいこと言ってくれるぜ💦まったく!お前は、大したやつだよ!」

吹っ切れたようなハツラツとした気持ちになった、

ルフィーはぐっと空を見上げる。


「おおーーい!」

パトロール隊員か…

銃を振りながら、何か大声で叫んでいる、ピッグだ


「ルフィーは?」


キョロキョロしながら、ルフィーを探すミレイユに、ハチが答える

「作戦会議とかいってさ、竜崎と泉と 三人で、どっかいったよ」


「え?ヾ(゚д゚;) そうなの?

急ぐようにラディアに言われたのに💦あ、これ、マウゴラからですって」

チップを渡す


「!!」

一瞬止まって、それに目を落とすが、ハチは慌ててデバイスにあてがう。


ポップアップウィンドウが開く


『ようこそ!MUGR-Sです!インストール時に不明なアプリケーションと通知されますが安全です、ARやOPSの権限に許可をください、ハーバをパルト艦艇Goonのフロントデッキへ。クルージングシステムを起動してください』


プチプチと画面をいじくりながら、

「マウゴラ… 💧  マウゴラはあっちで 大丈夫なのかい?」


「ええ(o^-^o)  なんかね、あなたたちの、なんかのぉ、お陰?で助かったんですって」

ラディアから、ちゃんと聞いても、よくわからなかったミレイユ


「なんか??   (‘д‘ )!ああ🎵Vファイルだ!あれはワーム最新シリーズ、死霊の囁きってやつさっ!すごいやつだよ!」

嬉しそうに話すハチ


 “なんか”  だけで伝わるのは、どれ程もマウゴラを心配し、ハーバと対策を考えたからだ。


「(^^;)死霊の囁き?不気味ね~💦  でも、それでマウゴラがイーザーを倒せたんだから!それでぇ、マウゴラは、イーザーになれたらしいから!すごいわね!ハチ」

本当にわかっているかと言えばわかっていないミレイユ(^。^;)


「!マジかい?イーザーを?

へぇ!やるじゃないか!」

艦《ふね》の運行をハーバに任せるというマウゴラが気になったが、イーザーになれたということで安心するハチ


「ええ」ニッコリ

他者を気遣い、心配する彼女の姿に、大きな成長を感じて嬉しく思うミレイユなのでした


      *               *                *



(まったく!💢あんな下級のソルジャーのどこがいいんだ!)

イーグラはプンプン怒っている


バケモノ討伐に向かうと言っていたクーネスが、ラディアと イチャついている様子を見つけてしまったからだ


あからさまに嫉妬するわけにもいかず、その場は離れたが、怒り心頭中だった。そこへ『話がある』と言うルフィーの訴えに、これは好都合と、すぐさま艦長室に呼びつけた…


「💢お前たちは  もういいから!クーネスに直ちにこちらに、向かうよう伝えろ!💦急用だと言うんだ!」


「はっ、はい!」

ご機嫌ななめのイーグラを察知して部下たちは急いで走っていく!



「…。よう」

部屋ではルフィーがダレた格好でソファーに座っていた


「…待たせたな!  」

「?ん」


ルフィーは全然 待っていない、やたら、すぐに呼ばれて まさか、こちらの作戦が漏れている?と驚いたくらいだった


「あ、💦…で、ようやく話す気になったかっ!   私の睨むところ、進軍が進める7/8 計画と なにか関係があるのでは?  」


「はあ?」


「  まあ話しはクーネスが来てからでいい💦」

そう言うと、後はただ 黙って いったり来たりと落ち着きなく、 明らかに挙動不審なイーグラ。

恋する乙女は、心 ここに有らずといった感じだった


ルフィーは眉を上げて、軽蔑の眼差し

「  …😁 こねぇんじゃねぇの? やつは、OP 口説いて忙しそうだったぜ-w   昔からだ、癖が悪くて強欲で、いったい あれのどこがいいんだ?」


「(////)💦 おまえ!   そんな事をいいにきたのか?💦」


「  笑… あのアホとは、三兵の頃から一緒だった、どんなクズか、よく知ってる。」

「💢 何を言う!」

振り向いて キッと睨むイーグラ


「…見る目がないぜ、こんな 美人で、優秀な司令官殿がよ、ランツがいたって何の役にも立たねぇな 笑

悪いことは言わねぇ、やめとけよ 」


美人で優秀✨確かにそうだけれどもと、(*^-^) おだてられ  悪い気はしない単純なイーグラ


「💧…自分の為にならない事だと分かってはいても、忘れられないものは、沢山ある…😖」

クーネスの仕ぐさや姿がドドーーン


(あー忘れられない!何もかも~)

そう言って 悲観的に首を振る


その瞬間、


ドドッ!!ガタァッン!!


「アホか!目を覚ませ!」

デスクを飛び越え、イーグラに、掴みかかると後ろに回り込んだ!


「な!!!なにをする💦」


抵抗するも、ルフィーは首に腕をまわして素早く、そして力強く押さえ込む!


「オレとゆっくり話そうぜ!

クーネスより、もっと忘れられない思いをさせてやる!」

悪い顔で笑いながら、ペタッと爆弾パッチをイーグラに張り付けた!


「はっ!!💦  お前!💦  何をやってるか、 わかってるのか!!離せ!」


イーグラは必死になって   もがくものの、ルフィーの腕はガッチリと首にハマっている 

「おい!そいつに触るな! 無理に剥がそうとしたら、二人、仲良くあの世行きだ!!」


「!!💦私をどうする気!」

(´□`; 三 ;´□`)


「ニヤっ、そう 時間は取らせねぇよ」

アラートシステム モードON!

イーグラを引きずって、通路へと向かう!


「?!  なぜ!そんなことを?💦」


艦内は緊急事態発生により、警戒体制を促すアナウンスが流れる。

各所ライトは点滅、エマージェンシーサイレンは鳴り響く!


ウーウーウウーウァンウァンウウァン!!




そして艦外のスピーカーポールからも非常警報は鳴り響く


ウーーウー ウーーウーーウウー~



その音に、はっ!とみんなは顔を上げた


「!!よし!合図だ!みんな急げ!」


オブジェたちは 一斉にパネルハウスを飛び出して行く!


「こっちだ!いいか!あそこから艦内に入れるからぁ!!

バッファルの準備もしたぞぉ!」

ドグはピッグが立っている場所を指差す


「ちょっと!触らないでよ!だいいち、私がロボに乗るわけないでしょ!」

「あ💦すまん😢⤵️⤵️」

スズカに怒られても嬉しそうに頭を掻くドグ


ドカッ ボコッ がしゃぁーん


「マコト!殺すなよ!」

「わかってるって🎵」

数人の邪魔が入っても、片付けるのに時間は取られなかった


「レイラっ! ねぇルフィーは💦」

ミレイユは、戻らないルフィーを心配する

「急げ!猶予はない!」

「でもぉ 」

(ラディアの活躍も話しておきたかったのに…)


「ミレイユ!」

レイラの険しい表情は、妙な胸騒ぎを誘い、不安の波がどっと押し寄せてくる。

「……💧」

(なんなの、そんな怖い顔しないで)

ミレイユはレイラの後を追って、バッファルに乗り込んだ



「バケモノがでたか!!」

「防護壁の確認しろ!!」

サイレンは鳴り響くが、イーザーはまったく動かず、指示もない。

兵士たちは空陸を眺め回し、何が何やらと、バタバタあわてふためく


「副艦がぁぁ!!」

「なに?!」

「イーグラ様が大変だぁ!!!」

外をうろついてた兵士たちもその声に艦内にもどっていった


      


部屋では、ラディアをなじって楽しんでいたクーネスも顔をあげる

「はあ😞💨 また、バケモノかぁ 」

それでも、警報とあっては 仕方なく行こうとするが、

ラディアに袖を掴まれる


「クーネスさまっっ、待って💦」

「?…離せ、サイレンが聞こえるだろう」


「 でも 私、一人では怖いですぅ」

(ルフィーさま、ルフィーさま、早く逃げて!)


引き留める為に必死だが、ラディアの雰囲気は本当っぽく見えるから得である


「そんな我儘をいうな( ≧∀≦)ノ」

そう言いながらも実際には面倒くさいクーネス、せっかくラディアがその気になった今が  チャンス!と抱き寄せたり…


「 もしかしたら、またイーグラさまのイタズラかも」ニッコリ(´・∀・`)

(ルフィーさま、無事に逃げてください…)


ラディアは甘えた風にしなだれかかり、そっとインターホンの点滅を切った


「んー」

さっきも急用というイーグラの使いを追い返したばかりだったし、

「そうだな、あり得る話だ💕」

二人はベットに沈み込む…


一方、イーグラを連れたルフィーは、すぐに兵士たちに囲まれたが、爆弾パッチのお陰で誰も近寄れず、順調に格納庫に向かった。


 ザワザワザワ、ガヤガヤ、💨


「おら、それ以上近づくな!死にてぇーか?」


「イーグラさまっ!!」

兵士たちは戸惑う


「いいから!言う通りにするんだ💦みんな下がれ!」

(こんなときに!なぜ!クーネスは、クーネスはこない?💦)


もーーー!

クーネスは何をしてるのぉーー!


心の悲鳴がこだまする


~~~~~~~~~~~~~


ぞくっ((( ;゚Д゚)))

悪寒が走ったのか、クーネスは顔をあげる

「💦…?」


部下たちが、ガヤガヤと騒ぐ声が、すぐドアの外でする

「クーネスさまぁ!」

「クーネスさまぁ!」

「クーネスさまぁ!大変です!」


「💢!!まったく!!うるさい!」




~~~~~~~~~~~~


ブブッッ  プンッ!


ルフィーたちが大騒ぎしながら、なんとかフライトデッキに上がったところで、パワーON、エアウィンドウが開き、オブジェたちが一斉に映し出された。


ピピピッププゥッ  ドゥゥーーン


ハーバが艦艇Goonにブートしたのだ!


『さぁ、いつでも出発できます、ここでは、GJイーザーの制御は受けません』


「なんだと!どういうことだっっ💦イーザー!どうした?返事をしろ!」

イーグラも周りの兵士たちも血相をかえて、事態が呑み込めないでいる


「v( ̄Д ̄)v 🎶  みんな無事か!」 

ルフィーは振り返る


「ああ!全員、乗ったぞ!!」

得意気な笑顔でドグが言う


バッファルからの画像も届いて、レイラとミレイユの姿も確認できた


「…よし!じゃそのまま行け!」


「ルフィーは大丈夫かぁ?💦」

心配そうにしているみんなの顔々


「   エースストライカーのオレ様だぜ!すぐ追い付く!しっかりな!ドグ艦長😁」

ルフィーはふざけて敬礼する

「( 〃▽〃)わ、わかった!気を付けろよ!」

敬礼を返すドグ


「💢なにを!勝手なことを!逃げ切れるものか!!」

イーグラが顔をひきつらせ 身を乗り出すがルフィーはさっさとモニターを切る

「😁後の祭りだ! お前は、自分の心配しろ!」


メインブリッジがピカピカと輝き、


ブゴゴオオオオオオォォォォ~ー!

パルト艦艇は 上昇していく


「うわ~」ちょっと気持ち悪いかも


空飛ぶ乗り物はやっぱり 苦手だなぁと、外を覗いているユキホをミヨシは座席に引っ張る

「ユキヒョウ!!こっち!」


「ようやく、こことおさらばできるってわけね🎵」

またもや早々とシートに着いてガードを装着、素早いマコト


「…💧一人で引き付けて、時間を稼ぐ気か💦」

オブジェは草原でのルフィーの様子を思い浮かべる

「一人じゃないだろ…マウゴラがいるじゃないか」

不満そうなハチがボソリという


ルフィーとマウゴラの無事を祈りながら、艦は勢いよく地上から離れて行く