ビクトリア🌼ナーチ

①宿敵セイバースタークロス


女たちの惑星 ブラッセル帝国…



相変わらず戦いは続いていた



暗い宇宙空間で、ファイターたちは絡み合いながら閃光を放つ!



本日の敵は、お馴染みのセイバースタークロス、恐ろしい機密力と自爆テロで果敢に戦いを挑んでくるしつこい相手だ!



「おい!ルフィー!そろそろヤバいぜ!」


ラウガたちV編セカンドは、うろちょろと飛び回り 付かず離れずで、なんとか敵を蹴散らしている。

しかし燃料も装弾数も空になる前に補充しにいく必要があった。


リーダーであるルフィーの離脱号令を 今か今かと待っている!


「まだだ!」 


しかしルフィーたちファーストの役割りは、指示があるまで、敵旗艦を足止めすることだ。金魚の数が増して、戦況が怪しいからといって勝手に陣形を解いて、離れる訳にはいかない。しかも2部隊の援護が無ければ、すぐに狙い撃ちにあうだろう。


「大隊長!入りました!」


ブラックトルーキンでは敵艦への攻撃射程距離を計っていた。


「よし!重スイマ主砲!分子破壊レベル58!」


ランドラの地表から高度500㎞を秒速7.7㎞で飛ぶ二基の巨大エアロSPACE基地  ブラックトルーキンとビックホーク。


「はい!クレーズ58…  準備完了です!」


主砲ドッグが次々と開かれる!


グォォォオオオオオオ!!

高エネルギーの圧力が高まる!


「敵艦隊!射程圏内フィット!

ストライカー!直ちに後方へ離脱せよ!」


「ラジャー👍 さぁて※ハンガーいくぞ!」


※補給ステーション


がっちり組んでいたダイヤモンド陣形を解いて、ルフィーたちは次々と離れて行く。


すると、

「よし!今だ!NAT波動型ミサイル連続発射!サニオン集結!左舷より全機突撃する!」

その時を待っていたセイバーのビッグコマンダーの目が光る!



ドゥゴゴゴゴゴゴゴーー!!


グブォゴゴゴゴゴぉぉぉぉ!!


「スイマ砲!!放て~~~ッ!!」

こちらトルーキン基長も手をあげて砲撃の指示を出した!


両者、思いきり大砲のシャワーを浴びせ合う!


ゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオ!!


ブラックトルーキンは大打撃!

セイバー旗艦も半壊しながらサニオン攻撃機とともに、尚も突き進んでくる!


プァン!プァン!プァン!プァン!プァン!プァン!

「どうした!何があった?!」


スファニーレノア第6基地でもエマージェンシーサイレンが鳴り響き、あたりは騒然としていた。

クレインは中央モニターを食い入るように見つめる。


「ランドラ8k軌道にセイバーの大型旗艦が迫っています!トルーキンが応戦していますが、進行を止められない可能性があります💦」


ラディアは完全に血の気を失っている。


ヒュュゥゥーーーン、

ヒュュゥゥーーーン、

ドドドドドォォォーーーン、


セイバー攻撃機が猛スピードで大気圏を越えランドラへ侵入!

すべて熱圏層で迎撃され塵と化しても、怯む様子はなく続々と向かってくる。


「くるぞ!落とせ!!! V隊は何をやってる!  トルーキン!いいか!絶対に旗艦は通すな!ホークのミサイル発射まで持ちこたえるのだ!」


司令官は血相を変えて わめき散らす!

タワーから迎撃機を送り出しながら、シールドシステムを作動!


「ここは必ず死守しますっっ!」

モニターに写し出されるトルーキンの大隊長は血の汗を拭く。


「スターリンは全機、上空し、セイバー旗艦へ総攻撃を開始しろ!トルーキンを援護、ランドラへの侵入を確実に阻止せよ!」


クライミングサバラのチーフコンタクトも甲高い声をあげている!

各惑星の軍勢がランドラに集結していく様がスクリーンに写し出され、


「…。」

それを厳しい表情で見つめる者。


それは第5惑星アルティシラにいる防軍の総司令官シュリグイン・スプリンガーだ。


モニターには、恐れおののき敬礼し続ける将軍たちの姿あり。


「しっかし、キリがねぇ、奴らわいて出てくるぜぇ!イヤッハっハァーイ!!うぇーい!」


戦場は ぐちゃぐちゃだった。


その中を 興奮して暴れまくっているのは  V編サードを率いるスキャルバ、もう 何本も頭の線が切れてるようだ。



ルフィーたちもハンガーに行くどころではなくなり、敵艦隊の進行を食い止めようとギリギリの接近戦を挑んでいた。


ガァァバァシャャァァァーーァァ


セイバー旗艦から強烈なラッシャーフレア!

避け損ねたファイターたちは飲み込まれ消えてゆく。



「あぁ((T_T))、V隊がどんどん殺られてます!!曹長、だいじょうぶでしょうか!」

タニアは戦況配信を眺めながら、おろおろ。


「大丈夫よ。ルフィーは部隊が全滅したって、一人生き残る奴よ。進軍の破壊王 ライヴ ウェポンですもの(#^.^#)」


頬笑むレオンとは対照的に、

画面を睨むクレインの表情は怒りに満ちていた。


「なんで、あんなところで、食い止めさせる?入ってきたって迎撃ivyシステムで瞬殺だ!無駄に戦う必要なんてないじゃないか!」


「…ランドラにゴミが落ちるでしょ。スプリンガーがあなたと同じような顔で見てるのよ。」


レオンは戦況には見向きもせず、ネイルの色を真剣に選んでいる。


「はぁ?ゴミが落ちる心配?まさか!第1ベースの司令官は何を考えてるんだ!セイバーの艦《ふね》と心中しろと言うことか!」


「わかってないわね…惑星内に敵艦なんて入れたら、もう終わりよ。司令官クビっ!クビで済めばいいけど、事態によっては極刑も免れないわね。ねぇ、どう?この色…」


レオンはカラーリングパネルを差し出すが、クレインはそれを はねのけて憤慨する。


「そんな!そんな保身のためにルフィーたちは命を差し出し、戦わなくちゃいけないのか!間違ってる!」


「もう…。だからルフィーは大丈夫だって。」


しかし、ラディアたち熱狂的ルフィーファンの叫びによって、レオンの言葉はかき消された。


「ルフィーさまぁ!!無茶しないでぇ~~!」

レオンとクレイン
レオンとクレイン

激しい攻防戦を展開するブラックトルーキン周辺は凄まじい状態だ。セイバー艦隊は惑星に突っ込んでゆく!と見せかけてビックホークを狙っている。


「させるか!おまえらぁ、どけぇぇ!!」


グォォォオオオオオオ!!


ルフィーは戦闘機ごと突っ込んでゆく!


ラウガは青ざめて叫んだ!


「マジかよ!R² O潰す気かぁ!!」


愛機 fighting weaponIII F/t-21A CTR² Oはルフィーにとって、多くの戦場を共に戦ってきた戦友であり、かけがえのない唯一無二の存在だ。


(こいつらを止めるため!スピキンだって本望さ!)


ルフィーの決死の体当たりで光子砲機関を破壊するもズミトニウム合金のボディーは硬質でビクともしない。


戦闘機を捨て脱出用プロテクトアーマーで武器を装着、飛び跳ねながらラウンドバズーカーを撃ちまくっている。


「たく!なんて、かてぇヤローだ

(;-Д-)」


ルフィーの後を追い、チームのストライカーたちも次々とセイバー旗艦に激突していく!


「おい!おい!タイミング見てけよ!曹長を本気であの世に送っちまうぜぇ!うひゃっはぁーーい」


敵を蹴散らしながら、こんなときも なぜか喜んでいるスキャルバ。


「ルフィー、離れろ!反動砲が出るぞ!」


ラウガは砲孔の動きを見て、ひきつった表情をしている。


「んなもん!撃たせるかぁぁ!!」


ルフィーは主砲に食らいついて離れない。


「曹長ぉぉ!!」


隊員たちも恐怖と戦いながら、必死に頑張る!


「おい!バカ!早くどけって!!」


ラウガはセイバー旗艦の周りを旋回し敵機を片付けながらルフィーたちを援護する。

「よし!今だ!ホーク!レグルスを発射しろ!敵に反動バルカン砲を撃たせるな!!」


司令官の声が響き、クルーたちに緊張が走る!


「了解!  レグルス巡航ミサイル用意!!

三基連続発射でセイバー旗艦を撃破する!!」

ホーク基長はレーダーを注視しながら、ミサイル発射の指示を下した!


ブォイイイイイイイイ~~!

ドドドドドォォォブシュュュュュユン

ブシュュュュュユン!!


次々とミサイルが放たれた!!


「レグルスが発射されました!  ルフィーさまぁ!危ないですぅ!離れてぇ!」


スクリーンを見つめるラディアは汗ばむ両手を強く握りしめる。


「早く!!なにしてる!動け!ルフィー!」


バッン!!バッン!!


クレインも興奮しすぎてデスクを叩いた!


「メーターパネルが壊れる…クレイン。」


レオンはチラッとクレインを見る。クレインには何も聞こえない。


全ブラッセルがランドラの戦いに注目していた。


「ダメだ!退避するぞ!!」

「はい!!」


ルフィーたちは機関弾を受けながら、それでもドック溝を破壊しようと粘ったが、着弾カウント120秒を切り断念した。


「まてぇ!!テンカウントまでガードだ!」


離れようとするルフィーたちに、司令官の残酷な命令がとびこんだ!

「…(;´゚д゚)ゞはい!!」


アーマーのホルディングシールドはそれほど耐久力はない。ターボが遅ければ爆発に巻き込まれる。

テンカウントとは、まさに死ねと言われているようなものだ。


ルフィーはモニターに写し出される隊員たちに目をやる。

みんな動揺を隠しきれない。


「  いいか!ブルってんな!readでLEダウンだ!」


「はい!!」

隊員は声を揃える!!


「なぁに、ホールドしてりゃ当たったってムチウチだ!」


そんなわけはない、死ぬだろう。

だがみんなは頷いて、笑顔で曹長に敬礼した。


数十秒が何分に感じられるコックピット。デイスプレイをじっと見つめる。果たしてテンカウントで跳べるのか?まあ無理だよな


ルフィーも思わず笑ってしまう。


ドドドドゴォォォォオオオオ!

耳をつんざく凄まじい爆音と震動!


ガガガガァァァ!!

ドォーン!ドォーン!


セイバー戦闘機たちが旗艦を守衛し次々とレグルスに突っ込んで玉砕した!!


ゴゴゴゴゴオオオオ!!


「うわぁぁ!!」


ルフィーたちは何が起きたのか分からないまま、旗艦を投げ出され、セットしたホルディングシールドによってターボでその場を離脱した。


「なんとぉぉ!!ミサイルをすべてつぶしおって!!セイバーめ!ぁぁ~~!!!反動バルカン砲がぁ来るゥゥゥーぞぉー!!」



ホークの基長の声は真っ赤に渦巻くバルカン砲の業火の中に消え失せてゆく!



「ばかな!!ビックホークがぁ!!なぜだ!!V隊ども!なぜ動いた!!進軍の腰ぬけどもめぇぇ!!」


司令官の怒りは頂点に達している、クレイン以上にデスクをガンガンと叩き続けた!


自らの命を犠牲にすることを厭わない、いや死への恐怖心がない人種なのか…。セイバー戦闘機の捨て身のミサイル潰しによって、ランドラのエアロSPACEは完全に壊滅した。



「司令官!D編隊です!」


「そうか!やっときたか!奴らをすべて叩き潰せ!ホークとトルーキンの仇を打つのだ!!」


D編隊は特殊装甲戦闘機で大型艦艇に突撃し、その機体に風穴を開けることができる強靭な装甲戦闘機部隊だ。セイバーの有人爆弾に対抗するための特殊戦隊である。


「お任せください!!ファッハッハッハ!!手柄はすべて我々のものだぞ!おまえら、好きなだけ暴れるがいい!」


隊長のカイザーは大きな黒光りする装甲戦闘機を自在に操りながら、得意気に飛び回る。


ランドラに向かって突き進むセイバー旗艦、そこへ 我 先にと 部下の特攻が突撃を図ったその瞬間!


びかぁぁ!!グゴォオオオオオ!

ドババァァァアアアア!!


巨体を膨れ上がらせ、凄まじい大爆発を引き起こした、

惑星ひとつが消え失せるほどの威力で吹き飛ぶ!!


「ぎゃぁぁぁあ!!」


ブラックトルーキンも、D編隊も荒ぶるファイヤーヘルに引き込まれ、成す術もなく消滅してゆく!


「…地獄だな。」


ルフィーたちは、ワールプールを輝かす紅蓮華《ぐれんげ》の花火を呆然と見つめる。


今回の戦いはランドラに甚大な被害と死者をもたらした。ズミトニウム合金に守られた強固な艦隊と死を恐れない底無しの闘争心 セイバースピリッツは、宇宙一と高を括るブラッセル帝国に最上の汚辱を贈与したのだ。