3.瓦礫



11.愛のプレミアムスイートルーム




ボトルパラダイス、最上階のプレミアムスイートルーム


バルコニーから外を眺めていたレオンがニッコリしながら、スズカのほうに振り返る


「 それで、貴女は誰と一緒の部屋がいいの?ここでスズカは、私の第一秘書だもの、まず先に貴女の希望を叶えるわ☺💕 」


「えっ💦 誰って」


「レオンはもちろん、この最上階のダイナミックパノラマビューを、オブジェと二人、美味しいワインを飲みながら💕  」るんるん


「 オブジェ、そう。 え?、えーっ?オブジェ?!オブジェ•泉 っ!」


スズカ、驚いてレオンを二度見した


「そうよ、レオンの運命の人だもの💕 」


「あ、そうなの💦」


ルフィーにやいやい言ってるから、てっきりルフィーか、あるいは婚約者のクレイン、そう思っていたので驚きを隠せないスズカ



「 スズカは…マコトと一緒がいいのかと思ってたけど、まさかオブジェがよかったとか?」


「えぇーーーっ、まさか全然 泉なんて、いや、あの黒木だって別に(〃∇〃) 私は」💦


「…。貴女もクレインみたいにひねくれてて、クレインみたいに分かりやすくて、そして面倒くさいタイプね 」


しらっと言うレオン


「ええ~💦そんな、どー言う意味よ、ちょっとっ、て、そんな事より、ほら、ショールームのイベントの日にち、いつだったかしら。それを連絡しとかないと 」


もう動揺しまくりで慌てふためくスズカにデュオとレオンは笑う


「 じゃ私は管理室にいるので、ゆっくりご覧ください☺  また何かあれば呼んでくださいねぇ 」


「 ええ。じゃあね✋あ、 ねぇ、今、外を眺めてて思ったんだけど、いっくら大自然が売りっていっても、これは、ちょっと貧相じゃない? 」


二人は窓の外に目をやる

静かな内海と山々々。


「 はぁ💧 まあ 確かに 」


「 せっかくダイナミックウィンドウのパノラマビューなのに、大都会の洗練されたビルディング群や美しく輝く夜景とか、オシャレなハーバービューでもないし、なんていうの、これじゃだめなんじゃないかしら 」


「 そうよ、レオンの言うとおり。このままじゃ夜になったら、漆黒の闇で、なんか不気味だわ、獣の声も聞こえるんじゃない?」


スズカも激しく同意する


「はぁ。そうなんでしょうけど、なにしろ瓦礫の惑星ですから 」


「  ん~~。じゃぁ、いっそのこと あの辺りに浮島 作っちゃいましょう。マリンスポーツとか色々できて 思いっきりリゾート気分が味わえる、お洒落で素敵な島にするの💕  ナチュラルリゾート感を出したいから、天然ウッド素材がいいわ 」


「おお! それは名案ですね🎶 しかし、島作りには大量の木材も必要になりますが、近年 

天然ウッドは貴重ですから、すぐにこっちに運べるかどうか💦」


デュオは腕を組上げ、外を眺める


「 ほら、あるじゃない、西のリウラの向こうにモリモリした立派なところが。スズカ、アリッシュ呼んで 」


「今 呼び出し中よ」


「 ☺🎶さすがレオンの秘書は優秀ね」


スズカは得意げな表情で

「繋がったわ♪」


エアウィンドウがピコン!

アリッシュ•モナが現れる


『 はい、レオン様 』


「パラメールの国有地の管轄はどこになってるか、調べて 」


『 はい、ただいま』


「 そしてディオは、伐採許可申請の前に開発事業承認関係書類をブラッセルとロットに提出する必要があるから、早急に企画書を作成して 」


「はい、じゃ早急に取りかかります💦 」


ディオは頭を下げると急いで部屋を出てゆく


入れ替わるようにエアパネルが開く


『 レオン様、パラメールの土地所有は国土交通省が所有してますが、管理は財務省 不動産経済土地政策課にあるようです、担当を呼び出しますか ?』


「…そうして。ねぇ、ルフィーはもどった?」


『 まだです💢 ビットをオフにして逃げました  』


「あら 」


『  しかも今夜飲み会をするとか、ふざけたことをほざいておりました。あなた様にお伝えしろとか、偉そうに  』


怒りながらアリッシュは消えてゆく


「 そういえば、今日はソーンパスの収録ね」


スズカは時間を気にしている


「 そうなの!ボトルパラダイスの宣伝もしなくちゃいけないし。作業要員も大々的に募集するわ 」


「 人手不足だものね」


ため息をつくスズカ


「軍も遠征や7.8計画、セイバーとの星系争いで忙しいから、瓦礫の片付けやプラネット開発に人員も予算も割く気なんてないわ」


「 そりゃぁね、だいいち手放す星だし、当たり前じゃない」


「 あら返還してからが稼ぎ時よ!だいいちロットは大きな勘違いをしているわ、今まではブラッセルが多大な軍事費用を注ぎ込んで、この星を守衛し、統制管理してきたけど、今度は自らそれをやって行かなくては行けないんですもの 」


レオンの頭の中は 

マネーマネーマネー


「ていうことは、今度は我々は一企業として、ロット軍に守られながら安心して事業展開できるというわけね」


「そうよ、その上 基地の撤退はないから、今まで通りの軍事力を誇示して、新しい市場開拓に乗り出すわ。そこからブラッセルの経済を牽引《けんいん》し、活性化に寄与できる。レオン、ワクワクする💕」


「そうして考えると今、しっかり基盤を作り上げて、事業拡大を図るのは、この先のために大切なことね 」


「 ええ。国の礎は金のなる木よ。軍資金がなければ戦争もできないもの、うふ♥」


恐ろしい女たち、レオンとスズカは にっこりと微笑み合う

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12.墳墓に祈れ!友好と絆の証



ジヒキンのユーリたちは、作業中に出てくる戦死者の回収、遺体処理を行っていた。


パラメールのルポリー人やブラッセル人、ロット軍人に扮したマラミュート人などの埋葬を終え、幾つもの墳墓を前に、隊員たちは整列し祈りを捧げる


ユーリ「  人を造りし主よ。地獄に降りて繋がれし者の鎖を解き放ち、諸僕の霊をも安ぜしめ給え、死せし霊を福楽の地へ導き給え。我ら地のものは、土より造られ、覆土に逝かん、主の命じて雨土にして土に帰らん、悲しみも嘆きもなくして、終わりなき命のある場所に安ぜしめ給え」


ユキホも、顔についた土と汗を拭い、手を合わせた


ユキホ「 なむ〜」🙏


ユーリ「慰霊祭までに、ここも整備されるだろう。とりあえずキヌバリ《輸送艇》はメイナルゴスへ戻れ。おれは一旦パクムに行かなくてはならないから」


隊員「はい💦  」


ロット軍人の遺体はすべて持ち帰るのだ。


ユーリ「 斉儀場に届けたら今日は解散 」


頷く隊員たちもみんな泥だらけ


オペレーターの声がユーリのイヤータグに響く


『 隊長、レオン大尉です 』


ユーリは、タグを切り替える。


エアウィンドウを開くとレオンの姿が映し出された。


ユーリ「 あ、どーも。レオン大尉、何かありましたか? 」


レオン『 お疲れ様、ユーリ•プライアス外交官💕  仕事のほうは順調かしら?』


ユーリ「はい、今から一旦 パクムに戻るところです」


レオン『 そう🎶  ミレイユはいる? 』


ユーリ『 あ、ミレイユは生物群集と生態系の構成要素について調べるため グリーンパレスに行っています、直帰するはずです 』


レオン『…💧 なぁに それ?』


レオンは小首をかしげる


ユキホ「 草取りとかつまんねぇやつだよ、だからオレは行かなかったんだ☺ 」


ユキホが横やりを入れる


ワンワン!


キラも返事をするように吠えている、そのままユキホとキラはじゃれ合って駆けてゆく


レオン『 ルフィーも一緒かしら』


ユーリ「 ?はい、そうですが」


レオン『…やっぱりね。で、あなた、ミレイユと連絡は取れるの?』


ユーリ「 はい、私のシムを持っているので、場所の確認も連絡も、そこにかけてもらえば繋がります、コードを送ります」


レオン『いいの、あなたから伝えて。撮影があるから、ルフィーと急いで戻るように。もちろん、貴方も、ね!  』


ユーリ「?💦 オレもですか?」


レオン『 この復興のための協同開発事業は全宇宙が注目してるのよ。  PRVを作って、より多くの人々にお届けしなくちゃ☺  その代表として、あなたとミレイユの美男美女ペアが手を取り合い、微笑み合う姿は目に見える友好の証と我々ブラッセルとロットの固い絆の象徴となるでしょう、  ね!  すごい大役よ、だから早くね  』


プツっとウィンドウは閉じる


困った表情のユーリが取り残され、小さくため息をつく。


リカリオンスを追っ払いに来たルフィーに、ミレイユを預けてホッとしていたのに また変な仕事を言いつけられてしまった。


ユーリ「 ふーっ 」


のんきに走り回って遊ぶユキホとキラを眺めながら、もう一度深い ため息をついた。



ミレイユ『 ちょっと!違います〜!それじゃまるでユーリが私のこと嫌みたいじゃないっ! 


そうじゃなくて、あとは遺体回収や墓掘りだから、君は植物収集に行きたがっていたから、

ルフィーに連れて行ってもらうといいよって!


きゃー、もうユーリやさしい💕💕💕💕    』


ユーリ「?  ミレイユ? 」


ミレイユ『(*'ω'*)💕 あっ はい!なぁにユーリ、聞こえてるわ♥ 』


ユーリ「 …💧  とにかく、そういうことだから、早めにパクムにもどってきてくれ 」


ミレイユ『😍💕わかったわ!もどる、すぐもどるわね! 』


そして、ルフィーを急かして、あっという間にパクムに戻っていきましたとさ

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13.ノェージアでお買い物



ロットワイラー星系  第4惑星ノェージア


ここは、大型総合ショッピングセンター【トレックス】です


ルフィーのあーだこーだという根回しによって、今夜、急きょ、夜桜花見会が決行される事になりました。


そうなれば!もちろん酒がいる🎶 と言うことで こんな所まで買い出しに来てしまったクレインたち😜


スキャルバは酒コーナーで大はしゃぎ


スキャルバ「おいハチ、お前 何飲むんだよ? ここすげぇ、何でもあるぜ〜、イヤッハ~~!あれと、これと、それだろ! あ、 イシダシカもいるよなぁ💕」


ラックから酒を次々と弾き出す


ハチ「なんだい?イシダシカって?歯医者みたいな名前だね」


ハチの声が聞こえているのか、いないのかキョロキョロするスキャルバ


スキャルバ「豆探そう、豆がないと 」豆は大事


ただついて回るハチは含み笑い


ハチ「豆は豆なんだねw」


スキャルバ「何ブツブツ言ってんだよ、さっきから。クレインの払いなんだぜ、たんまり買おうぜ〜  うぇーーい🎶  おっと曹長にジドーシャガッコー頼まれてたんだ🎶 」


ハチ「自動車学校?そんなのあるのかい?本当にかい?へんな名前の酒ばっかりだね 」


ハチは目を丸くして酒瓶を見て回る


レイラ「クレイン、スキャルバたちが山ほど買ってるぞ、いいのか」


スキャルバたちの暴走を心配するレイラをよそに、クレインはスズカと通話しながら、意味もなくマーケット内をうろついている


クレイン「 ルフィーのやつは、懇親会だ、なんちゃら会だと名前をつけて、体のいい事をいって、とにかく酒を飲みたいだけなんだから、まったくやんなるわ 」


スズカ『 でもお花見会なんて、日本にいても全然行けたことがなかったから、私はちょっと楽しみだわ☺  』


クレイン「そう、そのお花見会

ね」


スズカ『それに こういうイベントはパラメールの活性化につながるって、3日間やる✨って レオンも張り切ってるわよ 』


クレイン「そうね、近くの村の人たちをご招待できるのはいい事だと思う🎶    交流を持つ きっかけには丁度いいのかも♥ 」


スズカ『 そうよ〜。今日はまず身内や関係者、近くの住民たちを呼んでの試行会みたいなものだから、よけい気楽に楽しめるわ🎶   クレイン、今どこ?』


クレイン「 今 ノェージアに来てるわ、だってパラメールにまともに買い物できるところなんてないから。そっちはどんな感じ? 」


スズカ『 こっちはね、撮影と収録が終われば行けるから。あとは各チームが先に行って飾りつけや、会場の準備をしてるから安心して。現地 集合しましょう  』


クレイン「ええ、わかったわ。あ、何かいるものある?」


スズカ『 お酒はレオンの艦にも沢山あるけど、一応、オースフィッシュはあったら 買ってきて 』


クレイン「わかった、じゃ買い物済ませたら、村の人達も連れて、直接 グリーンパレスに行くわね 」


スズカ『了解!じゃ後でね』


クレイン「ええ」ピッ 


電話を切って振り返ると、そこには酒瓶の山積みになったカートがいくつも並んでいました


ええぇーーーーーーーー💦  


思わず声をあげるクレイン


スキャルバとハチはニヤニヤしています


レイラ「 ふっ、だから言っただろう」


レイラは腕を組み上げ、冷たく笑うのでした。


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14酒盛りの準備



カプル湖 周辺には、いくつものプレイス《外灯》が設置され、木々の側にはポールが立ち、紐に吊るされた丸いライトが飾りつけられた。


ピューレの木にも、一つ一つ スポットライトが置かれ、満開の花が美しく引き立つようにライトアップ。


そして休憩用にポップアップ式のバル〔移動式住居〕まで設置され、用意周到いやいや、準備万端だった😁💕💕


マコトたちとディオたちオムレーン ポーラ社の社員たちによって、華やかなお花見会場が演出された。


ディオ「 いや〜、助かりました。木にこういうのするのは初めてで」


マコト「そうなのぉ〜、日本人はね〜、春の桜にもう熱狂的でね〜、国を挙げての大騒ぎ〜、桜前線まっしぐら〜ってね 」


オブジェ「 しい先生の受け売りだな 」


マコト「 ん、バルの用意はレオンちゃんの考えよ💕」


オブジェ「 肌寒くなっても中で花見が楽しめる、細やかな気配りは さすがレオンだな 」


マコト「そうっすね、だんな」


ニヤニヤするマコト


オブジェ「ムッ  キモい顔をするな」


そんな二人の側にドグとタニアが やってきて、ライトに照らされた妖艶な花々を讃えた


ドグ「 こうして見ると本当にきれいだな〜☺ スズカさんが、お花見 楽しみにしているから🎶  オレも楽しみだぁ♥」


タニア「本当きれいです、初めてです、私 」


オブジェはそんな二人に微笑みながら、


オブジェ「  …。そう、桜は一年のうち春にだけ、ほんの数日 咲き誇る美しい花なんだ」


木々を見上げるオブジェの横顔の方が何倍も美しい、とマコトは言いたい


マコト「…☺💕だんな、そんなに見ると減りまっせ 」


でも変なことしか言えない


オブジェ「 もういい、だまれ」


そんなやり取りに ドグとタニアは笑う


マコト「はい、はい」


マコトは眉をあげて おどけたフリでお花見ならぬオブジェ見を楽しんだ。



一方、ミヨシたちはテーブルやイス、カウンターハイテーブルなどを運んできて、次々とセット。


ミヨシ「 さくらきれ〜🌸   イルミネーションきれ〜🎶 こんなところでお花見できるなんて最高だね〜😭   ユキヒョウ🎶 」


ケースから、並べるだけでいいように用意された肉や魚の料理、オードブルなどを盛り付けて、鯛や平目の舞い踊り〜と喜んだ


ユキホ「 お花見 最高だな😍 」


キラ「わんわん💕」


ご馳走から目が離せないユキホとキラ、みんなと視点が違います


ラディア「 楽しそうですね☺ 昼間のミヨシさんとは大違いです 」


リパーダ「うん、分かりやすいね、ユキホたちも一緒だから、余計楽しいんだろうよ 」


ミヨシの笑顔を見て、微笑むリパーダ


エップ「 ねぇ〜ぇ、ちょっとぉ〜、あたしのハッチはまだこないのぉ〜 」


ロボを降りてもくねくねしているエップ、振り返ったみんなは一瞬固まったが大笑い。


瓦礫の惑星パラメールの森が、華やかなイルミネーションとみんなの笑顔に包まれてキラキラと輝くのでした☺✨


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15.カプルを穢すな!




高台から、花見の様子を覗う者たちがいる。


もちろん、反ブラッセル政権独立解放義勇軍パラメリアンだ。


コヤ「 ありゃなんの儀式です?」


フレンチ「祭りじゃないのか?」


ニック「 そんな事はどーだっていいんだよっ、そうじゃないだろっ、オレたちのグリーンパレスで💢 

クソッタレのブルったれめ! ロットのやつらも揃って、何を始めようっていうんだっ!!! 」 


(しかもあそこはキウパラのお気に入りの場所 )   


ニックは抑えきれない怒りを あらわに燃えたぎる瞳を向ける


『 ニックさん、威嚇して追っ払いましょうぜ!! 』


誰ともなく言う声に

おぉーっ、と

皆たちがイキり立つ


若いファージはさらに声をあげた


ファージ「なんなら、オレ、ボンブやりますよ、いつでも覚悟はできています!」


ボンブは爆弾を身体に巻きつけターゲットに飛び込む人間時限爆弾のこと。


同志たちは皆、我も我もと騒ぎ出す


ニック「 だまれ!攻撃はだめだ!」


ファージ「💦でも! 」


ニック「 キウパラの大切な木があるだろーが !」


同志たちはザワザワ


ニック「 騒ぐな!やるときはオレが囮になってジヒキンへ誘い出す 」


その言葉にコヤが口をはさんできた。


コヤ「ニックが囮?やるならゲリラ戦だっ、北西の森から近づいて、一人ずつ片付ける」


ファージ「 いいですね、全員の首を切り落として  晒そう!我々をナメるとどうなるか教えてやりましょう 」


コヤ「おお、いいな!血祭りだぁ」


勢いづくコヤとファージ


ニック「  💢  湖が穢れる!バカか?愚か者かっ!あの大切な場所がぁっ、奴らのクソ汚い血で穢れてしまう っ!」


コヤ「…💧」


ニック「あそこで争うことは絶対にだめだ!カプルを穢がすことは誰だろうと絶対に許さないからな!」


フレンチ「まあ、おちつけ、ニック。あいつらは、穢すと言うより、飾りつけて楽しんでいるというかなぁ 」


何とも言えない顔をする同志たちだった