瓦礫6

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22.据え膳食わぬはなんとやら



マコト「…お宅とオレで💧  なんで送迎バスツアーなわけよ、こういうのやる係はオブジェでしょ〜」


用地保証事業部の女子職員たちと楽しく飲んでいたマコト、スズカに無理矢理、ジェイドロ艇に引っ張ってこられてブツブツ言ってます


スズカ「 クレインは寝てるし💦 オブジェには、そこに居てもらわないと、ほらレオンがね💦  会場に着いたら話しがあるとか、、だから 」


目を泳がすスズカに感のいいマコトはすぐ察しがついたが、


マコト「 で、なんで お宅が顔 赤くしてんの? 」


スズカ「💦  赤くないわよ、だいたいね、なんで、なんでってうるさいのよ 」


マコト「あれぇー、強引にオレを引っ張ってきて、赤くなったと思ったら、次はキレる?  なぁに、お宅、今日 女の子ちゃんの日とか?」


スズカ「 ちがうわよっ💦  バカじゃないの?  とにかく、村人たちをいつまでも放置しとくわけにいかないでしょう、ふん 」


マコト「また、また〜  ニヤリ  オレと二人っきりになんかなってさぁ、なぁにするの〜〜って、なにしたいのぉ〜〜💕 」


指差しポーズでつんつんするマコト


スズカ「 まったくぅ、バカなことしか言わないんだから〜 やめてよ〜 」💦 もーもー💕


と怒ったふりして喜んでいるスズカ、分かりやすいですね〜


オペレーター『 スズカ様、先程、JEK[ロットの特別犯罪対策課]からSC6-331エリアに手配中のジェット《飛行艇》数機が確認されたという情報が入りました 』


オペレーションの声にディスプレイを開く


スズカ「 SC6?  」


送られてきた機体のデータや場所を確認するスズカ


パラメールと第6惑星イワンロキーとの圏境


マコト「あの辺りよく出没するね、モルティー街にネジロがあるんじゃない? 」


スズカ「イワンロキー?」

マコト「そそ」


イワンロキーはロットワイラー星系 第6惑星。

古くから続く多民族が集まり、大変賑わうモルティエ地区があり、経済効果も高い大きな街がいくつもあるため、ロット政府は色々と多め目に見ているフシがある



オペレーター『パクム基地より偵察機が出ているので詳細は明らかです 』


スズカ「 レオンは?レオンは今どこ?」


征弄脇士幹事長の血が騒ぐのか、スズカはレオンの心配をしていた。


オペレーター『 リフター《通信遮断》され連絡がつかないので、おそらくバラシャーク《レオンの艦》の中かと  』


護衛軍親衛艦隊の最強巡洋艦バラシャーク•クイーンアイズを自由に乗りまわすレオン•セシール恐るべし


スズカ「 そう、戻ってるなら安心だけど 」


タブレットで位置を確認しながらコンタクトするも繋がらない


オペレーター『デルタとルフィー曹長がご一緒のはずです 』


スズカ「 おかしいわね💧私がかけたら出るはずなのに  」


マコト「 落ち着きなさいって、ルフィーちゃんいるなら心配ご無用、はい はい」


スズカの背中を包み込むように後ろからグラスを差し出すマコト


スズカ「 だけど💦   」


マコト「 リフターするには色々、理由があるでしょ☺」


ニタニタしながら酒を注《そそ》ぐ


スズカ「ええ?なによ、どんな理由?」まさか 私を抜いてホルダーミーティングなんて ありえないわよ


マコト「 ふふ、お宅ほんと仕事の鬼ねぇwww  せっかくの夜を野暮な事に費やす気? 」


スズカ「な、なによ(〃ω〃)💦」


マコト「あれ?自分からオレを誘っておいて 今更 それはないでしょう」


スズカの手を取って振り向かせると熱い視線を絡ませる


スズカ「…マコト」


そのまま二人のシルエットは重なり合った


マコト「 じゃ、しばらくリフターしまーす🎶 」






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23.瓦礫に種をまきましょう



有無を言わさず、レオンはキス


「💦  うっ…、おい 」


二人は絡み合い、ルフィーは必死になって上を取り レオンを床に押し付ける


「 なぁに?」ニコニコ


「 なぁにじゃねぇよ💦    オレはそんな気になれねぇ、明日の収録でもなんでも お前の言う通りにすっからよ 」


レオンから手を離し 起き上がって正座してしまう、情けないルフィー


「じゃシードちょうだい」

「アホか!」


レオンは寝転がったままケタケタ笑う


「 ねぇルフィー 」

「あん?」

「  もし、レオンがミレイユだったらやってた? 」


上体を起こして見透かすように見つめるレオン


「は? お前 頭大丈夫か?  ミレイユがな、馬乗りになって せまってくるわけねぇだろ💢 」


そんなアバズレくそビッチじゃねぇんだよ!


「バカなの? やるわよ、女の本気を甘く見てるわね 」


レオンは冷たい視線をおくる


「 んだと💢 」


「 だから、モニターをよく見るように言ったじゃないっ  ミレイユとユーリ  」


「 てめー、ミレイユがあの野郎に馬乗りになって迫るって言いてぇのか!  ふざけんなっ、あいつがそんな事するか!ぜってぇ〜するわけねぇ💢   そんなことオレが ぜってぇ  許さねぇ〜〜!」


しかしミレイユの恋狂いな様子を思い返すと、ユーリに馬乗りになってせまる いやらしい姿が難なく想像できてしまう💧


「  バカなのね、本当に 」


レオンは起き上がるとパネルをタップして服を選び、パーツトレイから出てきた服をちゃっちゃと着こなす


「 お前さぁ、実はオレのこと嫌いだろ 」


ムスッとするルフィー


「  うふふ、 レオンはエースストライカーで、進軍の英雄であるあなたを高く評価してるわよ 」


(  でもビッグマウスで頭が悪いんですもの、つい からかいたくなっちゃう 、ふふ )


「 何がおかしいんだよ」


「 あのね、あれからすぐ調べたら M・F企画の【戦隊人気キャラ、ブラッセル版 グッズ 売れ筋ランキング】ってやつで、ミレイユは3位なのよ」


「なぬ〜〜?!3位?」

「そう、ブラッセル人でもないのに、すごいでしょ」


「 すごいか?オレはてっきり1位かと」

(なんでオレのミレイユが3位なんだ、おかしいだろ )


「 なんでよ、1位はレオンに決まってるじゃない 。ちなみに2位はエップ 」


「あ〜?エップ? あのぱーぷーが2位かよ、間違ってねぇか?」


「 さぁね、売れるんだから人気があるのは確かよ。でもミレイユなら、これからの宣伝効果であなたを凌ぐCombat Angelになるわ😍」


「まぁな、あいつは今でも充分 エンジェルだけどよ♥」


天使のミレイユがドドーン


「 リムの1位はもちろんルフィー、あなたよ。総合も悔しいけど貴方に負けたわ。他の部隊や局を突き放して堂々トップを独走中!さすがブラッセルきってのアイドルよね〜、あなたって💕」


「あったりめぇだろ、オレさまを誰だと思ってんだよ」


気分上々、お馴染みのルフィースマイルが復活する、が、レオンは意地悪な笑みを浮かべる


「 それが、こんなヘタレとはね」


「…💧(。•́︿•̀。)うるせぇよ 」


「うふふ、汚名返上したいでしょ 」


「よせよ、おまえとはしない 」

シードもやらない


「違うわよ、ミレイユよ💕」


ルフィーは一瞬固まりレオンを見るが…気を取り直し、


「はっ、バカ言え、あいつはロットのスパイやろーに…💧」


と言いかけて、言葉にするのもしゃくにさわるのか続かない


「 それよ。モニターをちゃんと見てれば分かること、彼女は確かにユーリ•プライアスに恋してるって あからさまだけど、ユーリの方は全然、そうでもないわよ 笑   強引さにちょっと押されてるけど、でも流されないわ 」


「 またてきとーな事言いやがって 」


「 ほんとよ。ミレイユ、フラれるわよ、きっと 」


「 まさか💦 」


あの可愛いミレイユに言い寄られて 断るアホがいるっていうのか?!


「 可哀想よね〜、ミレイユ」


「…💧 」

半信半疑なルフィー


「だから!  そこでルフィー、あなたの出番よ。ミレイユに優しく寄り添って 癒やしてあげるのよ、そうすればキズついた彼女の気持ちは、安心感を求めるように、貴方に傾いて」


「 ゴクっ」

ルフィー、真顔で唾を飲む


失恋した女をチャンスとばかりに口説くとは汚いやり口だ。

だが、そうでもしなければ手に入らないだろう


「 そこで、一気に攻め込む!わかった?」


「んな うまくいくかよ💧」


「まぁね、さっきのヘタレ具合いじゃ、せっかくのチャンスも逃《のが》すわね。上手くいくものもイキっこないわ 」


「💦 」


かなりグサッとくる


さっきから、すでに試されていたと思うと余計だ。

507型NEWドルビーバズーカ砲で背中からぶち抜かれような、そんな気分だ


「 いい? 時には勢いも大切なの!分かったら それを一気に呑んで、予備のcomもしっかり持って!」


ルフィーの手のひらにオーブパーツを渡す


「お、おいっ💦」


「 さぁ、行きましょう! モタモタしないで 」


レオンは笑顔でマントをひるがえす


「チ、まてよ、勝手な事ばっかり言いやがって💦 」


しかし、渡された酒を飲み干し、comを握りしめ、レオンの後を急いで追いかけるルフィー犬なのでありました。



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24.生命は大切に



ドォォオオオ〜 !! 

シュュィィィン、シュィィィン


グァシャァァァーーン!!


イワンロキーに向かっていたユーリたちは突如、シギア率いるパラメール解放軍に囲まれた。


そこへブラッセルの偵察機たちが現れて、救出しようと必死の交戦となったのだが…


ユキホ「 ユーリ、だめだ、U-3《ブラッセル偵察機》が どんどん やられてるぞ!」


キラ「うぅー、グルルルルル」


キラもモニターの前で4本の足を踏ん張ってパラメリアンの戦闘機ジャッカルを睨んでいる


ドドドーーー


攻撃を受け、激しい振動が小艇を包む


ユーリ「くっ、追い払ってくるから、オレが出たら雪豹たちはハイドライブでイワンの軌道へ入れ  」


ユキホ「 え〜💦  ワープだろ」オレそんなことできるのか〜


コンソールパネルに張り付いて光速ドライブを設定、カウントダウンをセットするユキホ



キラ「 ワンワン」


キラは急いでユーリについていこうとする


ユーリ「まて、キラは雪豹を守るんだ 」


キラ「 クーン う〜、わんわん」


ユキホは自分やユーリよりずっと強い、ユーリの方が心配だ!とキラはいう


ユーリ「💧…だとしてもだ!」


ユーリはきつい視線を残して、オペレーションルームをでていった


キラ「くーん💧」


心配そうに見送るキラの頭を優しく撫でるユキホ


ユキホ「…大丈夫さ、キラ。ユーリは簡単には死なねぇよ 」


キラはじっとユキホを見つめて、ブンブンと尻尾を振った



___



コスモスペースに飛び出したユーリの愛機レキュガゾールは、散光弾をぶちかましながら、ブラッセル偵察機U-3たちと同調。


ユーリ「君たちはもういい!偵察機ではジャッカルに太刀打ちできない、基地に戻りなさい 」


兵士 『 ファイター到着まで引きつけるか、解体との命令です💦 』


パイロットは応答しながら攻撃をかわして必死に食らいつく


ドォォオオオーン


ユーリ「バカな!全滅するぞ!もうすぐうちの連中もくる、いいからいけ! 」


兵士 『貴方こそ 早くお逃げください! 任務はプーハー《完全完了》です』


ユーリ「 プーハー? ?💦  とにかくオレのことは気にしなくていいっっ 」


兵士 『高官守衛は最優先任務ですから』


ビカァ!  ドゴゴーーォォーン


ユーリ機を守って、激しく光る閃光に貫かれると一瞬のうちに撃墜され吹き飛んでゆくU-3


シギア「ハッハッハァ! 一丁上がりだ🎶」


シギアたち解放軍は過酷な戦いを生き抜いてきた 百戦錬磨の精鋭たち、U-3やそれに乗るパイロットでは鎧袖一触《がいしゅういっしょく》というものだ


ユーリ「 だめだぁ!  みんな死ぬぞっ、命令なんて時と場合だっ、命を無駄にするなっ  💦」


ユーリはパラメリアンを蹴散らしながら喚く


U-3のパイロットたちは戸惑いを隠せないが、それでも解放軍を追い詰めようと必死だった。


しかし彼らの攻撃は素早く、容易に近づけば、あっという間に撃墜される


ユーリ「 みんな早く散らばれぇ! 」


(なんて、速いやつらだ💦  振り払っても追ってくる)


シギア「あーはっはっはっ !  小バエどもを一匹残らず叩き潰せ! 」


激しくギリギリの空中戦が繰り広げられ、偵察機は次々と撃ち落とされてゆく


ユーリ「はぁ、はぁ。

 くそー!しつこすぎるぞぉぉ」


気がつくとパラメリアンの集団に四方を取り囲まれていた


兵士『プライアスさん、 我々が突破するので お逃げ下さい  』


ユーリ「 まて、あと数分稼げば援軍がくる💦 」


兵士たちの耳には何も聞こえないようだ


兵士『 いいか!TアタックEフォーメーション!   』


『了解!』『了解!』


隊列を組み直す偵察機たち


ユーリ「よせっっ!早まるな、みんなで生き残る事を考えるんだ!」


兵士『どうぞご無事で !』


兵士は小さな微笑みと敬礼を残しモニターから消えてゆく


一直線から傘が開くように機体が連なり、一斉攻撃でパラメリアンに向かっていった


ユーリ「やめろぉぉぉ!」


ドゥゴゴゴオォォォ〜〜!!


バゥォォオーーーッ!!


辺りは激しい爆発によって、明るく輝き、衝撃波でユーリの戦闘機レキュガゾールは、

ゴゴゴォォッと大きく揺れる


ダイコー「 おいおい、ブルのマヌケども ヤケクソになってるぞw」


シギア「 ハハハ、残りを片付けろ!」


ピーンッピーンッピーンッ

コックピットから警戒音


ダイコー「 ん?そろそろ時間だ」


シギア「 よし!引き揚げる!」


シギアの号令でパラメリアンたちは次々とハイドライブで姿を消してゆく。



バウゥン!  


グァッシャャャー!!

ドゥブゥゥゥァシャャ!!


飛びきれないジャッカルたち数機が激しく撃ち落とされた


バシュュゥン!!

バシュュゥン!!


ルフィーとL&P 高射隊の登場だ!


ルフィー「チっ💦  相変わらず逃げ足はぇーぜ、パラ公め 」


入れ替わるように現れたルフィーたちは、逃げ遅れたパラメリアンを追い回す。


それと ほぼ同時にSW局の救援アクロニ艦隊も到着した


局員「局長〜💦 大丈夫ですか」


マルチモニターでルフィーとユーリも顔を合わす


ルフィー「 どうもねぇな 」


なんとも言えない表情と乾いた目を向けるルフィー


ユーリ「 ああ、がっかりだろう」

ユーリは冗談まじりに笑う


ルフィー「まぁな 」


ユーリ「高射隊まで出動させて悪かったなぁ」


ルフィー「 別に。 上の指示だ。それに、おめえのために来たんじゃねぇ、パラ公をぶちのめすために来たのによ、逃しやがって 」ケッ


兵士『申し訳ありません💦』口々に謝る偵察兵


ルフィーの言葉が頭に貼り付くように流れ込んでくる、ユーリは顔を歪めてそれを聞いた


ルフィー「 だいたい、お前らな、詰めがあめぇんだよ 」


思いついたように偵察兵への説教に変わるルフィー


兵士『はい💦』


ルフィー「引っ張るときはダイヤロックだろーが 」


『はい!』『はい!』


ルフィー「てめーのポジションは一人一人がちゃんと守れ!死ぬ気で詰めるんだ 」


『はい!』


声を揃えて必死な様子の偵察兵たち


解放軍は数や兵器で勝ち目がないため、神出鬼没の奇襲戦を得意とし、敵の最速の援軍到着時間を測って、その間に襲撃をかける。それを逃さないように抑え込むのは至難の技だ


局員「 いや〜💦  とりあえず ご無事でなによりでした。イワンまでお送りします」


ユーリ「 ああ …💧キラたちは?」


局員「 ちゃんと到着されていますよ☺ 」


ホッとしながら小艇に回収されユーリ機は中へと吸い込まれてゆく


『どうぞ ご無事で』そう言って消えていった偵察兵の顔が頭から離れない


ユーリ「 …U-3のソルジャーの皆さん、今日はありがとうございました。孤軍奮闘で身命を賭して戦う、国への深い忠誠心は素晴らしいです。しかし状況判断をして、無茶な追尾はしないこと、チームを危険にさらさないこと、これこそ最も重要な事だと思います。 皆さん、一人一人、自覚を持って、命は是非、大切にしてください、じゃ💦 」


ユーリの言葉はブラッセル兵の胸をガン!っと叩く。

兵士たちは、とても動揺した。


命は大切に、という言葉を知らない訳ではなかったが、それは決して自分たちに向けて使われる言葉ではなかったからだ。


ルフィー『 💢  あ~? ちょっと まて、このスパイ野郎 』


コックピットに前のめりのルフィー、額が怒りマークで埋め尽くされた


ユーリ「 なんですか? 」

スパイ野郎って💦


ユーリは、モニターを腕のビットに切り替え、ステップを降りて通路を歩きながら答える

    

ルフィー『 てめぇ、今 なにぬかした?きれい事 ほざきやがって。こっちは礼を言われてもな、てめぇなんぞに説教される筋合いはねーんだよ、偉そうにっ!あー?てめぇは何様だ 』


兵士「 る、ルフィー曹長💦」

ロットの高官様にまずいのでは


兵士たちはおろおろする


ユーリ「  偵察機に援護させて、その上、食い止めとけって? どこのマヌケがそんな命令を出したんです?U-3のソルジャーたちがどんな思いで戦ったか!   12機が無惨に撃墜されたんですよっ!」


ユーリの声は怒りに震えていた。


マルチモニターに写る兵士たちは、皆、素直に悲しい顔をする


ルフィー『 う💧』


ユーリ「 危うく全滅するところだった、私は、私なんかのために死んでほしくない! そんな事少しも感謝できない! これがロットの司令官なら軍法会議にかけてやりたいくらいだ! 」


憤《いきどお》るユーリに圧倒されるルフィー


ロットのスパイのくせに、なんだってこいつはブラッセル人のために こんなに怒ってんだ?、と言葉に詰まる


ユーリ「…キラと雪豹が待ってるから帰ります、話しがないなら切りますが 」


ルフィー『あ💦  あぁ、帰れっ  帰れっ!   とっとと失せろっ、次に会ったらな必ずぶちのめしてやる💢』


言うことに詰まった時は、とりあえずぶちのめす!で、すべてが決まるようだ。


ユーリ「はは、そう簡単にはやられませんよ 」


ルフィー『ムッカ〜ッ💢   なにぃ!   だいたい、てめぇのような甘っちょろい国の奴に何を言ったって分かんねぇだろうがな、オレたちにとっちゃぁ、命の尊厳や、自他愛とかな、そんなもんは差し当たってなんの役にも立たねぇんだよ💢  上から下《くだ》った命令は何があっても完全服従、プーハー《絶対完了》だ!!  良し悪しなんざ選べねぇんだよっ」


ユーリ「…💦プーハー  」


『プーハー!!』

『プーハー!!』


口々に兵士たちがその呪文を唱える


スキャルバのヒーハーとは全然違います😁


ルフィー『 殺るか、殺られるか、てめーの技量を磨いて 一匹でも多くぶっ殺していくだけだ! 』


ブチッ!


ルフィーはユーリとの通信を思いっきり叩き切る


ルフィー「 いいか!お前ら! ヌルい事を言われてオタオタしてんじゃねぇぞ💢   そんな奴から落ちてくんだっ、帰るぞ!」


『はい!』『はい!』


憧れの進軍エースの言葉に酔いしれながら兵士たちは帰路につく


ルフィー「 あのクソスパイ野郎め…」


疑問も抱かず国の歯車の一つとして働き、華々しく散ることを望んでいたはずだった…


ミレイユたちに出会ってから、心の奥に芽生えた感情に揺さぶられる日々。


ユーリのヌルい言葉に動揺しオタオタしたのは、まさにルフィー自身だった。

しかしその気持ちがなんなのか、よく分からず、とにかく振り払うしかなかったのだ。



ユーリ「…。ブラッセルの軍人魂か 」 


国が悪いな、ソルジャーたちは皆、犠牲者だ


ユーリはメインデッキから望む 静まり返った呂色《ろいろ》な海を見つめる。


それぞれの心にじわじわと深すぎる闇が染み渡ってゆく