惑星バセンジー4

10◆嵐の前の静けさ

朝の海は抜群に美しい。



「 ふんふん🎶 」



潮の引いた浜辺でユキホはシャツとパンツで穴を掘ってせっせ、せっせと何やらやっている。


目を覚ましたばかりの巳佳はそれをぼんやりと眺めていた。



ドサッ 


レイラが枯れ草や流木を無造作に置く



レイラ「 ふーっ。」


額の汗がキラキラとひかって、あちこち歩いて探してきたのだろう様子がうかがえた。



「 Σ(゚Д゚) 竜崎さん!こんなにいっぱいどこで?」



レイラは無言で 向こうだと首をふる。



巳佳がうるうるとした表情で見つめてくるので。


「 …散歩に行ったついでだ。」


別にお前の為ではないと言いたい。


「  💦竜崎さんっ ありがとう😭✨」


無口でぶっちょうずらで不器用だけど、気遣いがあって優しい人なんだよぉー。


誰にともなく大声で言いたい巳佳だった。

11◆仲良く山登り


森と草原を隔てるように海に向かって河が流れていた。


 「 …スズカ、休まなくて大丈夫か?」

オブジェは振り返ってスズカを気遣う。


 「 💦平気よ。少しでも早く不気味な森をぬけたいものっ。」


はあ  はあ、はあ


スズカ 、鬼のような形相で頑張って歩く。


 マコトとオブジェは苦笑い   


洞窟で一夜を過ごした三人は森を進み、河川にそって高台を目指して登っていた。



北の方角が巳佳たちのいた山岳地帯だが、もちろんオブジェたちはそんなことを知るよしもない



 

 「(~▽~@)♪♪♪ ちょっとオブジェ、ねぇ俺にも聞いてよぉ。ねぇ~、ねぇ~ってば🎶」



「 …はあ。」


オブジェは視線をあげて、ため息だけで返事をした。


  「うわぁ、スゲー差別だよぉ~この人!」



 「…うるさいやつだなっ 休みたいのか?💢」



仕方なく 足を止めてマコトに振り返る。スズカも同じく振り返る。三人一列一体となって歩き続けておりました。



 「はーい、そうでごさいます!隊長殿っ」


大喜びで待ってましたと手を上げる



 「…まったく💨 面倒なやつだ。」 


眉をひそめるオブジェに誠はいたずらっぽい笑顔を見せた


「 クスッ 休憩してあげてもいいわよ 」


仕方ないわねっと上から目線でニッコリするスズカ


  「おっ🎵なんと心優しい幹事長様❗だれかさんとは大違いだねぇ~⤴  どうぞ、どうぞ 俺の膝へ😁」



タバコをくわえて腰を下ろすとニヤニヤして手を広げるマコト



 「💦えっ💦😳やだぁ、バカねっっ💦」



  「 笑 …じゃオブジェ。」



一瞬だけマコトが 情熱を秘めた眼差しをしたことなど二人はもちろん気づかない。


それどころかオブジェは無視である。


気の毒に。


マコトはずっと昔からオブジェが好きなのだ。


「クスクス」笑

なんにも知らないスズカは笑っている。


 「…あっ、でも、重いから膝じゃなくて、この間の石のとこにきてね💜」


股の間の石を指差す


無視しているのにしつこいマコトに嫌な顔を向ける


「…💢遠慮する!」


しかも重いからって私の体重知ってるのか❗️


「 あれ??やっぱり、俺の膝がいいわけ?」



 「 💢💢いいわけないだろっ」


本気で怒るオブジェをよそにマコトは 衛星mobile端末 NP-773 通称ナナミ を出して電源を入れてみる。


検索中~となったままだ


 「 はは...まだダメか~。お前は優秀だから、俺にどんなとこでも⚠️dragonやらしてくれたのに、どうしちゃったのさぁ😢⤵⤵」


⚠️ゲーム



 「 こんなところで繋がるわけないだろっ。電池が減るからよせ❗」


   「 いや、今時どんな山奥でも電波届いたりすんのにねぇ。やっぱりここはどうかしてるぜ💧 

あ、ナナミは無理でも お宅のどうなの? 同盟の豪語する、全世界と繋がる*SHちゃん♪ そろそろきてない?」



*SuperHERO502 =BBC社(同盟の子会社)の衛星mobile端末 SuperHERO502



征弄のブルーウィングス衛星群は高度780㎞地球6つの極軌道地点に11基ずつ、他、低軌道半径4、400㎞の範囲で6基の予備衛星と共に設置されており全地球領域をカバーしているのだ。

  「 ない!」

オブジェは断言する。


「 何で? わからんじゃん、電源入れてみてよ~」


 「だめだ!」


 「 なんでぇぇ?」


「 しつこいっ!電池が減るっていってるだろう! 37%しかないんだぞ💦」


 「 え?なんで? そんなに減ってんのさ?」


 「  途中…空が見えなくなって河に出るまで方角を確かめるのに使っていたんだ。」


電波の届かない山中でも端末の磁気センサーを使って方位を測定することができる、なんて説明は不要でしたか? くるくるくるw



   「あぁ、そういうことね☝ やたら確信的に進むと思ったら、それね♪」


「だが、地形がわかっているわけではないからな。実のところ下流へいって民家を探すべきだったか…」



オブジェの美しい横顔が曇る。



 マコトはそんなオブジェを見る


(お宅ってまつ毛まで金色だねって言いたいけど…怒るよなw)


息をすることさえ忘れてオブジェを見つめるマコト。



 

 「スズカ😊」


   「 さっすがぁ🎶たのもしか~💜幹事長様ぁ」



さっそうと先頭に躍り出るスズカの後にオブジェとマコトが続く。


「さあ、ついてらっしゃ…キャァァァァっっっ  あぁ💦💦もうっ クモの巣がぁ、顔にっ 顔にっ もうっもうっ💦💦」


手足をバタつかせ、一人で騒いでいるスズカ。


 「(--;)やはり、私が前を歩こうか。」

オブジェは苦笑い。


 「…💦、大丈夫よ、このくらいっ!」



しかし、オブジェは誠の方に振り返る。明らかにお前何とかしろよ という表情。


マコトは仕方なく、そばの木の枝を折ってスズカに渡した。



 

「今さらだが…。 マコト、何を考えてる?」


いつもおちゃらけてる誠なだけに黙ったままだと深刻そうに映るのか?お得な奴だ。


  「…ん💦」



気を取り直し、誠が口を開きかけると



 「 💦💦進むしかないわよ💦 いいのよ、前進よ!高くて空の開けたところにいけば衛星電波も届くに決まってるわっ。行きましょう😃 何があっても二人のことは私が守るから✨」


 決まった❗


 


オブジェは落ち込み、誠は不安で声もでないようだ。 ここで私が二人を引っ張って行かなければ!と強い意思で立ち上がるスズカ


「f(^_^)ほら、枝を振って歩けば?疲れたら杖にもなんのよ。便利でしょ」


スズカ、ヘェって顔で受けとる。

 「 💡いいわねっ」


びゅん、びゅん、振り回す!


何か違うだろ…とオブジェ


 オブジェ「…。😥」



さて、ちょっと進んだかなぁと思ったら 


ボデッ


スズカの振り回してる枝に蓑虫が引っ掛り落ちてくる。



 「  ‼ きゃーーっ なんか芋虫みたいなのが飛んできたァァ、背中、背中、早くとってぇぇぇ」



ビキッバチバチバチバチ



スズカ、カデッチを放出しながらギャーギャーと飛び跳ねる。



はっきり言って誰も近づけません。


 「 💦💦大丈夫っ、大丈夫だから落ち着いて、スズカっ」


 「あはは (^。^;)虫も丸焦げだw」


先頭はオブジェ、次にスズカ、その後ろをマコト。


やっぱり、この順番がよろしいようですね