1.  カミングアウト





池もないのに大池公園という、

都会のわりには大きな公園が目の前に広がっている


 道を挟んだ向かいに 多くのショップやビルが立ち並び、その一角にカフェ ラウンジ 『V tune 』はあった。



「 ありがとうございました~」


 昼は喫茶で 夜はバー、よく有りがちな普通のお店 


そこで働くシオン♀とマルモ♂ オーナーは本業の不動産業の傍ら 税金対策か、道楽か、まったく顔を出さず、すべてシオンたち従業員に任せっぱなし。 営業時間は、朝6時のモーニングから、夜12時までで、周辺の店に出前もやっていたりする。 一日のシフトは数人のバイトで交替勤務だ 


何だかんだ忙しい店で、夕方辺りに、少し ひと息つける時間ができる。 


こういう店で、夕飯を食べるという人は あまりいないようだ


 午後6時で一回、レジを閉めるため、詩音は伝票を整理して お札を数えていた 


マルモが、目の前で不自然に固まったまま、けっこう長いこと 佇んでいるが 、あえて どうした?とか、聞くのも面倒くさい 


詩音は知らぬ顔を決め込んでいる


「僕、実はゲイなんだ… 」

 

マルモがポツリ言った 


「 はっ? 」


 詩音は顔をあげて、マルモを見る


「 驚いた?」 


「 ぜんぜん! 」 


とうとうキタぁ~~ーー🎶 そんなことは前から、わかっていた、お前がいつ言うかを待っていただけさ! 


なんてことは言えないので、詩音は爽やかに微笑んで 、 


「 別に、マルモはマルモじゃん、私はビアンだし、なんも 問題なし! 」  


詩音はもともと、女が好きだと言いまくっていて、店の中ではレズビアンというのは公然の事実だった 


「 …💧 お前、平気なの? あまり驚かないから逆になんか、ビックリした 」 


驚くわけねーだろ、誰が見ても、お前はゲイだとすぐわかる! 


「 そんなさ、 今のご時世、ゲイもビアンも、バイも、色々いるんだから、ゴリラが恋人とか、鉄橋しか愛せないとか? ゲイなんて、もう普通だよ、普通すぎる!」


「 そ、そうなのか…💦」 


「 いいじゃん、Mixイベントとか一緒に行けるし🎶 楽しいじゃん(^∇^) 」 


その上、店にもセクマイ仲間を呼びまくり~~🎵


 詩音の頭の中は阿波おどり状態だ 


「 💦なんか複雑、僕すごいドキドキしてコクったのに💧 」  


こいつは少々神経質で臆病なところがある、自分の作った料理を、美味しく食べてるかどうか、客の反応をこそこそ、カウンターの影から見ていたり、好みの男が目の前に現れても、今まで一度も告白したことがないらしい。 あ、その時は 女ということになっていたが-w 


「 私たちが幸せになるためにはな、勇気と努力だよ! 君は今日その一歩を踏み出したのだぞよ!! 」 


詩音がマルモの肩を抱く! 


「 へぇー💧 」 


マルモの冷たい視線など、お構いなしにシオンはご機嫌に笑う


「 今日、ご飯どうする? カミングアウト祝いしよう! 」 


斯くして詩音とマルモは、セクマイ同盟を結成! 店は、望み通りMixバーと化し、ビアンやゲイが出入りする薔薇色のセクマイライフが始まったのである✨




2. 叶えたいリスト




どこから ともなく   小さく 怪しげな声…


「    おぉ~~い、

ふ~か~が~わ~、

シオーン、  シオーン、

ちょっとぉ~~💦起きて~~」



コツン、コツン、という

音と共に、まだ薄暗い闇に響く



?…   目を覚ますシオン


時計を見ると早朝4時…


窓の方に目を向けると、

フワッと なにか 人の気配!


お化け?   泥ボー?!  

驚いて  飛び起きる詩音



バシャーー!


勢いよく窓を開けた❗️



「   💦なんだよ💢  マルモ!!

 なにしてんの‼️  」


「 ごめん💧  店のカギ 欲しくて」


「  はぁ?  自分も 持ってるじゃん! 」


「  それがぁ💦   今、なんにも持ってないんだって~!  とにかく 車のキーだけ取って 逃げてきたから💦  」



とりあえず部屋にあげて、コーヒーを入れたマグカップを差し出す


「  大丈夫かよ…💦」


「  車にいたけど、ガソリンないからエンジン切ってて、寒くなってきてさぁ~!  」



本人の話を簡単にまとめると、

毎度 恒例の兄貴との喧嘩


今日は、いつもより激しく  やり合って、抵抗したら殴られて、叩き出されたという💧



まったく!

こんな時間に 何をやってんだか


「  殺されるかと思った💦  」



興奮状態のマルモの話を延々 聞いて、結局   仲良く一緒に出勤する破目に…


家の鍵を閉めながら、詩音は車のキーをマルモに渡す


「  もう  今日は、1台で行けばいいじゃん  」


「  うん♪   …ねぇ  人からみたら、僕たち、どんな風に見えるかなぁ?   友達?  恋人同士?  

同棲してる普通のカップルとかぁ-w  」


「  はあ?  みえねぇだろ  」

時々、おかしなことを言う



マルモは、母親と兄と三人暮らし


家族にはカムアウトしていないせいか、普通ということに、異常に敏感なときがある


もし、自分がゲイでなかったら  どうだったか 、普通だったら どうだったか…という、詩音に言わせれば まったく、無意味な、どーでもいいことを 長々と考えあぐねて 話したりするのだ



お前は、普通じゃない!

なんか変だ!キモい!

  と、兄から罵倒され、喧嘩になるらしい


 これまでも、出勤するとマルモが店のソファーで  寝ていた、

なんてことは、珍しくなかった



「  そりゃね!ホントに普通じゃないないから、言われても、

しょうがないけどっ!

…ぼくも、早くひとり暮ししたい!  」


「  -w 真面目にカネ貯めたら?  」


「  だって、欲しいもの いっぱいあるんだもん!  」



マルモの叶えたいリスト


いつも、白い紙に ひたすら 自分の欲しいものや、やりたいことを、書き列ねている


イケメン  マッチョのお嫁さん

モッズコート 黒

ダマスカスの包丁

2LDK オートロック マンションでひとり暮し

ボーナスもらえるとこに就職

Forcesの服や小物



「  調理師免許もあるんだし、もっかい どっかに ちゃんと、就職してさ、頑張れば  もっと稼げるんじゃん?  」


調理師の専門学校を出て、一度は、ホテルに就職したが、差別や偏見を受けて、途中で挫折し、辞めてしまったマルモ


「  やだ!厳しいもん !  それに、一番の夢は  お嫁さんになることだから!  」


「  じゃ、まず、相手 見つけろよ-w  」


「   そんな~ 簡単じゃないって 」


そう簡単じゃない


ゲイのネコが専業主婦になって、毎日、最愛のイケメン マッチョの旦那の帰りを待ち、美味しいご飯を作ったり、洗濯したり、掃除したりして、優雅に暮らす


なんて…



「  えーと、それからねぇ🎶 」


でも マルモは  真剣に 夢 見ている


叶えたいリストの一番上に、いつも  最初に必ず書く


イケメン マッチョのお嫁さんになる!



「  また書いてる~ 、そんなことして、楽しいの?」


毎日、書いては その紙を 捨てるのに  また書くのだ


「  なんか  落ち着くもん😁 」


「  マルモはさ、現実味がないというか?  叶えたいリストって  毎日、書いてる割に、

それに向かってないっていうか~  」どーでもいいけど。


「  いいの~!これは、夢なんだからぁ!  身近なものから、手の届かないものまで、色々あるから楽しいの~!」


「 そんなの 楽しい? 」

手が届かないものを書いたところで…


鍋の中で、くるくる回る玉子に目を落とす詩音



「   シオンにも 、あるでしょ~ ?  叶えたいリスト! 」



「  …。別に  」



「  あ~、でも、とりあえず  あいつ《兄》、早く死んでくれないかなぁ 、書いとこう-w    もう、家 帰るの嫌だ、本当に!   」



「   書いたからって、死ぬわけないんだから!   マルモが 、出ること考えたほうが早いって  」


「  だって~、そんなお金ないし、はぁ~!    お嫁さんになって幸せにくらしたいっ!    Σ あ!  

でも まず 僕、この靴  欲しい! 」


雑誌を見ながら、また  欲しいものをリストに書き加える


「  💧…。  呑気なこと言ってないで、カツ30枚!  早く 揚げといてよっ  」



詩音はカウンターから厨房に向かって  声を張る


「  ん、ちょ 待って! 分かんなくなるから~  」


「  はあ😖💧」

何が分かんなくなるのか、よくわからない…


しかし、マルモの一番の夢は、

なかなか叶いそうにないことは確かである


3. ノンケの女



カミングアウトのあの日以来、

口コミやゲイサイトで ひそかに宣伝されたり。


週末の夜になるとセクマイパーリーピーポーで溢れかえる日も増えた


まさに薔薇色のレインボーライフ…   しかし、詩音が 想像していたのとは  少し違っていた


それは圧倒的なゲイの勢い

男たちの熱い夜!


ビアンは、そのパワーに押されている。  いや、むしろゲイバーと思われているかも知れない



「  …はぁ💧 」



「 僕の友達、紹介してあけるから、ね!  元気だせ! 」


「 もうホモダチ要らんて、店だけで沢山だよ  」


詩音はげんなりしていた



「   違う!   女の子だって、  詩音、きっと 喜ぶんじゃない? 

期待してよ!  まあまあ、かわいい方だし!  」僕よりは落ちるけど。


うふ!とマルモ


それを聞いて、詩音は ますます げんなりした


だいたい、ゲイが紹介してくれるノンケの女って どうなの?



「  全然、期待できない💧 」




       *               *                *



玄関のドアを開けると、ニコニコしたマルモが立っている


「 おまた~😁 」

「本当にきた💧」


今日は  マルモと、 マルモの友達と、三人で  ご飯会。


ノンケには もうコリゴリの詩音は、まったく乗り気ではなかった



……


マルモと詩音が  しゃぶしゃぶの美濃路に着くと  アイカはソファに座って待っていた。



「  ……。」


ストレートの長い髪と、大きな瞳が印象的で、とても可愛いらしい女の子。


村上 亜依花  《むらかみ  あいか》


( お人形さんみたい )

詩音の最初の印象だ


「  もぉ、お~そ~い~!」

スッと立ち上がって、駆け寄ってくる。


喋ると、なんかバカっぽい💧   

ちょっと残念な感じ  


目が合った 詩音は、 軽く会釈、アイカは ふふんと笑顔を向ける



「  ごめ~ん、だって深川がぁ!車がキーキー鳴るもんでさ、恥ずかしいから、迎えに来てって言ってるのにぃ、車、出してくれないからぁ  」


「キャハハ    なにそれ~  」

「  あんた、ちょっと太った?」

「うそ?! や~だぁ!」


亜依花とマルモ、手を取り合って、意味もなく喜んでいる


   飲まないやつがドライバーに決まってんじゃん!

 「  どーも!はじめまして!

深川です  よろしくね (^-^ゞ」


長くなりそうな立ち話しに、切り込むように挨拶する詩音!


「はじめまして じゃないよぉ

西豪店 いった時、会ってるじゃん♪ なんか喋ったよ、確か  」

ケロッとした顔で言う


V tuneは大平にも店があって、

亜依花は  そこの元 従業員だった

今は、軽量プラスチック会社の事務員をやっている


「  え?そうだっけ? 」


「   うん!  開店の日、中、手伝ったじゃん。 すぐ大平に  もどったけどね!  」


「   ふーん、そっか♪  いたかや~?  こんな可愛い子😁  」


詩音の悪癖は、人の顔を覚えないことと、調子のいいことを言うところ


しかし、亜依花は

「   キャハハ🎶  そうなのぉ!   

私って可愛いのよ~❤️ 」

と、ご機嫌さん


「 村上、 そんなに可愛くないしぃ (ー。ー#) 」


すかさずマルモが口を挟む


いつでも 自分が可愛いと言われたいマルモ


「  えー! アイカのが 可愛いもん!」


「  僕のが可愛い~!」


「  アイカ~!  」


「  ぼく~!」


あ、そう💧   席についてから、 勝手に  ずっと  やってなさい!




      *                *                *



「  ソン〔 アイカのあだ名〕はね~、B専だよね~ 」

細マッチョのブサイク好き


三人で  鍋を囲みながら、とてつもなく どうでもいい話に花を咲かせている


「キャハハ!やだぁ~、そんなことなぁい!」


マルモとアイカは高校の同級生。


もともと、大平店で先にバイトしてた亜依花の誘いで 、西豪店のメインスタッフとして  マルモが勤務することになったのだ


「  えーそうじゃん、いつもブサイクな男ばっかじゃん、今、付き合ってるのもブサイクだし! 」


「  ひどーい!  」アハハハ🎶


「 コクられると、あんた、すぐ付き合っちゃうんだよね~  」


「 付き合うっていうかぁ~💦

なんか、そうなっちゃうっていうか~  」


「  やぁだ~! ちょっと そういうとこキモい!  エグいわ~  」


「  キャハハ!  モッチ!〔 マルモのあだ名 〕本当、ひどぉーい!」


と言いつつ大喜びで笑っている。  アイカは、とにかく明るい女の子!


だが家庭は複雑で、母親が外国人の男を家に連れ込み、父親は外で女を作って家を出たという、

え?何?ちょっともう一回言って、と聞き返したくなるような内容だ。


その完全に崩壊したような家には、まだ中学生の妹がいる



「 ねぇ、あれ!  シオンに見せてあげなよ!」


「  えー !キャハハ!あれ~?  

あれねぇ~、まぁくんが、すごい変な顔してるやつぅ😁 」


まぁくんとは 亜依花の今彼。


二人は、スマホをいじりながら

はしゃいでいる


「  別に私は、見なくていいけどね💧  オス♂️に興味ないし-w  」

ノンケの女にも興味ないし…


「  なーに? 見なさいよ~!

 今日の詩音  面白くなーい -w

オスは、ちょっと トイレいってきまーす!」

マルモは手を振る


湯の中で肉を揺らし、ゴマだれに落とす、それを淡々と繰り返すシオン


少しの沈黙…  

鍋のブクブクブク という音を聞く


「   ねぇ、本当にレズ? 」

 小首をかしげて  見つめてくるアイカ


「…。うん、そうだよ  」

詩音は顔を上げて 普通に答える


ノンケ女の好奇な視線には慣れていた。


詩音の母親のように、最初から受け付けないタイプや、興味本位でアレコレ聞いてくるタイプ、自分が狙われたら嫌だとイミフな警戒心を炸裂させるタイプなど  様々…


知らん顔で鍋の中のアクを取る


「  ふーん  」

その様子をじっと見つめ続けるアイカ、


「  レズってさぁ、 エッチどうやるの?  」



「  は?  」




典型的ストレートの 質問ではあったが、唐突すぎて 驚きを隠せない


まさか💦   急に、そんなところから くるとは……

肉をやめて、勢いよく酒を飲む詩音。



清純な お人形さんのような顔立ちに似合わず、アイカは 大胆で、  ちょっとエッチ、生意気な女の子だった。





      *                *                  *




外に 出ると、もう真っ暗    

冷たい空気が、頬や耳にあたり

ピリピリする


はぁ~!

白い息を吐きながら、


空を見上げると、大きな 真ん丸 お月様が顔を出していた。


完全に酔いも回って 気分は上々、両手を上げで 詩音は叫ぶ!



「 月だぁ~~!」


「  (*≧∀≦*)! やぁだ~  」


後ろから、間高い声を出しながら思い切り抱きつかれる


「  そんな 爽やかに  コクられたらねぇ~😁🎵 」

どうしよっかなぁ~🎶


「  ……?  」

ちょっと意味が繋がらない詩音はキョトンとしている


「 可愛いアイカにぃ~ ひと目惚れ?  」


「   んん~?  えーと?  」

なんかいったっけ?あれ?そんな酔っぱらってる?


「  いいのよ、いいの~

みんな 私の可愛さに  心を奪われるんだから~  」


「     ( ´Д`)?」


「  でも~!  アイカぁ、男しか愛せないのよね~!  」

身もだえるアイカ


「  あ~ーぁ💦 なんてぇ~日だぁ~、フラれたぁ~~💦  」


よく分からないままフラれて、

とりあえず大袈裟に残念がる酔っぱの詩音に  亜依花は大喜び


「  でもぉ大丈夫~!私はずっとそばに いてあげるから~❤️   」


また抱きついてきて、じっと見つめる


「   ヤバい! それ~🎵😍🎵  」


月に向かって 大声で吠えた!

もう何を言われても、楽しい時間になっている


「  キャハハ!  じゃぁ、詩音んちで飲み直そぉーー!」


「  オッケー! 」

ウェーーイ!!!

すっかりハイテンション!


「  なに?なに? 僕もまぜこ~💕  ウェーーイ! 」


マルモは一滴も飲まずに、どこまでも付き合えるナチュラルゲイ!



おーい!お前ら大丈夫かぁ~?!

明日どうなってても知らんゾ~💦


これが、ノンケの女の子、 亜依花との最初の夜だった。




4.エグい試食会




「マルモ寝た〜?」


シャワーを終えて洗面所で髪を乾かしていたアイカが顔を出す


「うん、ぎゃーぎゃー言ってたけど、布団敷いてやったら、秒で寝ちゃった」


こんな予定ではなかったけど、やれやれ。


シオンはため息をつきながらソファに腰を下ろす


アパートに3人で帰ってきて、また盛りあがって飲んで騒いで、結局マルモとアイカは、ここに泊まっていくことになった。


「キャハハ、マルモって、本当に弱いからちょっと飲ませるとすぐ寝るんだよ」


「ひでーなー」


「だって、邪魔だもん」


アイカがねっちりとした瞳を向けてシオンを見る


何かヤバい気がするとシオンは目をそらす。


「あ、ベット使っていいよ、私、ここで寝れるから」


ビアンだからって、女なら誰でもいいという訳じゃない。


「ありがと♥  でもまだ眠くなーい。ねぇ、一人暮らしの割にシオンちって広いよね、でもあんまり物がない」


「前、同居人いたから」

「同居人って女?男?」

「女に決まってんじゃん 」

「へー、彼女?」

「うん、まぁね。お風呂入ってくるから、もう寝てていいよ」


シオンがアイカの横を通り過ぎようとした瞬間、アイカは自分に巻つけていたバスタオルをパサっと落としてニコニコしている


「?!」


何この人?!変態みたい!!とシオンは驚いてアイカの顔を見る


「アイカのこと好きって言ったでしょー?よーく見て 」


「え?なに?」


「どう?興奮する?  アイカって可愛いだけじゃないでしょう」


えええええええええーーーー〜

この人、頭 大丈夫ぅううーーー


詩音は心の中で大声で叫んだ


「ちょっと待ってよ、ちゃんと着て、マジで」


バスタオルを拾ってアイカにかける


「なんで?アイカとしてみたくないの?」


「え?なんで?そっちこそ、男しか愛せないって言ったのに」


「愛せないけどぉ〜、試してみるのは別でしょぉー、試食会よ」


小生意気な顔で挑発してくるアイカ。


(試食会だと?試食されるのはお前だろ)


「なにそれ、 私としたいってこと?」


シオンは睨む


「ごちゃごちゃいってないで、早く始めちゃってよーーん」


バスタオルをかなぐり捨て、シオンに思いっきり抱きつくアイカ


「ちょっと離れて」


「なによー、 できないのぉ?」


その言葉にはムカッときた。


(  別にできなくないけど、相手を選ぶってだけ… )


シオンは、アイカを自分から引き剥がし、意地悪く、まじまじとその裸体を眺めまわす。


「アイカを満足させてみてよ」


細すぎるくらいの身体なのに胸はかなり大きくて形がいい。

そして乳首も茶色くて大きいのにびっくり。


あそこのヘアはVライン処理してるらしくハート型に整えられてて、なんか やらしい感じ。


どうも清純そうなお人形さん顔には、釣り合わない裸体だった。


でも、どちらかというと、そういう方が好みである♥


「なぁーに、見てるだけなのぉ!」


痺れを切らしたアイカが掴まれている腕を振り払おうとするから、逆に押さえつけたくなった。


詩音の試食スイッチが急に入る。


「じっとして 」


もがく両腕をしっかり抑え直すと、アイカの乳首をパクッと咥えて、思いっきり吸い付いた。


アイカの身体の力が抜けてくると、片方の乳房もわしずかみにして、乳輪をなぞりながら乳首を挟んで揉みしだく


ちゅぅ ちゅぅ、ちゅぅ


わざとちょっとだけ音をたて、恥ずかしさといやらしさをかもし出し、聴覚からの興奮を誘う


「 あん、なんか、男にされるのとちょっと違う」変な気分よ〜


アイカの乳首を引っ張るように口から離すと、この女、なかなか悪くない、シオンはそう思った。


「そりゃ男じゃないもん、ベットいこ」


完全に頂きますモードに入る。


アイカをひょいと抱き上げるとそのままベットに もつれ込んだ


「いやーーん、アイカ、お姫様抱っこ好き〜♥」


「うーん、アイカ黙って‪💧‬ 」


顔はものすごく可愛いのに、この女の声は萎えさせるものがある。


といってもナニがあるわけではないから立つ立たないの心配は無い。


「あーん、なんかどこ触られても気持ちいい 」


「しー、アイカ静かに」


とりあえずキスは避けて 愛撫をしまくりながら、アイカの股の間の花畑をしっかり拝んで、それから始めようかという計画にいたる


「いやーん、そんなに開かないでよーん」


「だめ、まず全部チェックしないと」



アイカのプリンとして肉付きのいい花弁をぐいっと広げて、膨れ上がったおマメも軽く刺激しながら押し上げ、穴を覗く。


艶やかなピンク色の世界が広がっている


「あーん、いやーん、もーー」

「でもチビアイカはかなり喜んでるよ」


まだ何にもしてないのに、湧いて湧いて溢れてくる透明なアイカの液の凄いこと。


「ちょっと、ティッシュとって、そこにあるから」


「もー〜、あたし、それどころじゃない」


そういいながらもティッシュが渡され、シオンはそれで、アイカの下のお顔をふきふきする


「あーん、なんか気持ちいい」


「いま、ティッシュで拭いただけだけどね 」笑


アイカは腰を振って、もっと触ってーと全身でオネダリしてくる


大きく膨らんだ内側の花ヒダをいじり倒す


「あーん、ねー、もういいから、入れて〜」


「なにを?」


「なにってやだぁーん、もー」


本当に その声はどうもよくない、気分が萎える


「うーん、私いれるものないもん」

「もー意地悪、シオン、やぁだーー」

「うるさいね、アイカ」


アイカの顔に枕を押し付け、アイカの両足をぐっと掴んで高く持ち上げ、シオンはチビアイカを思いっきり口に頬張る


「うぐ」


拭いたはずのアイカ液がドバドバと口の中に入ってきて喉をこえてゆく。


少しずつ、口に含んだアイカの花ヒダを減らし、お豆とおしっこの穴に集中!


舌先を使い続ける


「あはーん、あん、ああーーん」


そのままの状態で指を三本、膣の中に突っ込んだ


「ひゃーーーん」


ノンケは穴使いが激しい場合がある。

女の細い指では二本じゃ物足りないと文句を言われることがあるからだ。


「ああーん、あん 」はぁはぁ


「ふっ」


さぁて、ここからどんな風に動かしてやろうか、ウーマンロードのGスポットなら知り尽くしてる。


「はぁ、はぁ、あぁーん、あぁーん」


潮を吹かれてベットが汚れるのだけはごめんだが、やっぱり下手とは思われたくない。

音をたてながら 必死に頑張る。


ぴちゃぴちゃ、

くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅ


しかし指がつってきたシオン、ポイントを抑え決めにかかる


「あぁーーーん、いやーーんあんあん、きもちいい、あー、いい〜、そこ、あはーーーーーん  」


「…もうイッていいよ」


いくら喘ぎ声がイマイチでも、最後は上の顔のそばに戻って、しがみつかせて イかせるくらいの礼儀はもっている


アイカを優しく抱きしめるシオン


はぁはぁはぁ


しばらくふにゃふにゃ言いながら、詩音に擦り寄るアイカ

まるで発情期の猫のようだ


「なんか、すっごい気持ちよかったぁ、アイカ、イッちゃった  」


「うん、イッちゃったね」


「なんかね、なんかねー、すごい良かったぁ」


「うん、そりゃよかった」


「本当にすごかったぁ、こんなの初めてー」


ノンケの女にありがちな感想。

愛し合うのではなく性欲のはけ口、興味本位でやらせてみただけに過ぎない。


どーせ次は無い。


「うん、わかったよ、もう寝な」


「え、シオンどこいくのー?ここで寝なよーん」


「私、お風呂入ってないもん、いいから寝な」


大した愛撫もしてなくて随分感じてたけど、普段どんなエッチをしてるんだ?と

思いながらシャワーを浴びるシオン



「ふーー、酔いがさめちゃった」


いつものように空虚な気持ちでいっぱいになる。


(ノンケの女にとって、レズビアンなんてどーせ、オナニーのお供でしかないんだから)


こうして ちんぷな試食会は終わった。

5.  へんなお客



カランッ



「あの~、まだ  お店やってますか?」



まゆは、夜の街をフラフラしていた……  ふと立ち止まる


ガラス張りで   中の様子が良く見えて、 入りやすそうなお店


(  へぇ、こんなトコ  あったんだ)


引き寄せられるように、店のドアを開けたのだ



……



「12時までですけどぉ   ど~ぞ!  」



マルモが、おしぼりと一緒に 笑顔を届ける


「  いらっしゃいませ!  今日は、

本当、寒いですよね~   はい!」


「…あ、どーも 」


差し出された 温かいおしぼりを受けとると、なぜか涙がこぼれる



「  Σ(Д゚;/)/ど、どどどーしたんですかぁ~   」

僕、なんにもしてないしぃ~



慌ててカウンターの奥に逃げて行くマルモ


詩音は厨房の掃除も終えて、明日の仕込みの確認中


「  食べ物バツね!  」


そういって振り返ると

妙な動きのマルモを見て ジロリ、


「どした?」


「 なんかさ、変なお客!  気持ち悪いから 詩音いってきてよっっ  」



はぁ?と覗いてみる


なにやら くすん、くすんと 泣いている様子。


「 はぁ 」


このくらいの時間になると、他所で出来上がった いろんな客が  流れてくる


(だから 夜いるの嫌なんだよ)


バイトが来なくて、今日はラストまでの詩音、お疲れモード


「 変というか、絶対 厄介な客だ  」



詩音は  まゆの側に来て、ドリンクメニューと ティッシュBoxを そっと置く


「 あ、ありがとう… 」

ティッシュを2、3枚取って、涙と鼻をゴシゴシ!



「  お客さん  」


詩音は、腰を落として姿勢を低くし、 座っているまゆと 視線を合わせる 。 数秒間 見つめ合った


「 (///∇///)……。」


「 うち ゲイバーだけど 大丈夫?」


「  え(゜.゜)?  あの💦  」


「 2時まで やってる いい店、 近くだから 紹介しようか? 」



「  ぷぷっ  」

マルモは カウンターの下に隠れて、口を押さえて笑っている



面倒臭そうな客が来ると、詩音は決まって そういうのだ



「 あの  大丈夫です。  私 せっかく来たし、なんか 一杯頂いて すぐ帰りますから  」


涙を拭《ぬぐ》った まゆは、明るい笑顔を向ける


なんだ、普通じゃん と、

詩音とマルモは顔を見合わす



「  ごめんなさい、なんだか……。

あったかい おしぼりを貰ったら、急に涙でちゃって、今日って、私の誕生日なんですよね~ 」

 

「  えっ やだ!お誕生日なのぉ~ ! おめでとう🎂  」


マルモは、すかさず飛び出してくる


「 ありがとうございます!」


「 ねぇ! 詩音、じゃぁ、せっかくだから アシャーマサンハ 作ってあげなよ! 」


「  え?  」


何がせっかくなのか腑に落ちないまま、注文を受けてカウンターに入って行く詩音



「 アシャーマサンハ?」

「  そう、通称 ボトルパラダイス! すごく美味しいカクテルだよ  」


マルモは ちゃっかり まゆの向かいに座って ニコニコしている


アシャーマサンハ  

V tuneの裏メニュー的 創作カクテル


赤ワインのフローズンに、ココナッツミルクをたっぷりかける、グレナデン シロップとアブサン、ホワイトラムで仕上げたら  芳醇な薫り、コクのある情熱的でスイートなカクテルの出来上り!


上に乗った白桃たちが艶やかに微笑む❤️


「  はい、どーぞ!  お試しあれ!」


詩音が、ボトルパラダイスを差し出した


「  💕うぁー! ピンクのマーブル! 」


嬉しそうな笑顔の中に、溢れる涙が頬を伝う


「 あら~ 泣かないで~!  やっぱり、誕生日なのに、こんなとこにいるってことはぁ、失恋しちゃったとか?   あ~ !  彼氏が浮気して 修羅場だったとか?!」


頭をナデナデしながら、寄り添うマルモ



「  こんなとこって…… 」

(  お前、バイじゃね?  本当は女好きだろ? )

もう、いちいち掘り返すなよ!


詩音はシラケた視線を送る


しかし その手の話が大好物なマルモ

は、普通の男女が織り成すドロンドロン恋愛劇場に のめり込んで、自分が その悲劇のヒロインになるという趣向の持主なのだ



「  あの~わたし…  」


「うんうん、 僕で よかったら聞くよ ♪ 」


スタンバイOK!で、前のめり


さぁ!どーぞ!



「  ん、私…  女の人が好きなんです!」



ええええええええΣ(Д゚;/)/(;´-`)

そっちィー~ー!



「 マルモ!   お前が そんなに驚くな  」自分だってゲイのくせに。



「  だ、だってぇ~💦  」


よろよろとカウンターにもどるマルモと、入れ替りに  今度は 詩音が

 まゆの前に どっかりと腰を下ろす


さすが 真性レズビアン登場だ!



「    で? その好きな女に、コクって玉砕?」


「  ううん、 告白なんて💦   

そんな勇気ないし、変に告白して、友達でいられなくなるくらいなら、ずっと、このまま仲良くできたほうがいいし 、それが 私の幸せなんです!  」


「  …そんな生殺しみたいの、幸せか  」


詩音は視線を反らし、ボソッと呟く



「  わかる~! わかるわ~、そうだよねぇ~  その方が幸せなのよ~!」

詩音みたいに、ペッペッとセクマイ吐けるほど、神経図太くないのよ~



マルモ、激しく同意で こっちにもどってきた



「  ……でも、その人に 恋人が出来きちゃって  」


「あー、つら~だね( ω-、) 」


「 それが、私もよく知ってる人で、」


「  えっ 知ってる人とか最悪! 」


「 しかも、  誕生日が同じなんです、その人とぉ!  」 



「  うっそぉーーぉ!やだ!」


楽しくなってきたマルモ、身を乗り出す!


「  💧  うるさいなぁ~  」もー


詩音は 耳をふさぐと、テーブルの上のゴミや、灰皿を重ね、  ススッと、カウンターに戻って行く



「  今まで、いつも一緒にお祝いしてくれてたのに、そんな、恋人と誕生日一緒だったら、もう2度と 私の誕生日なんて 来てくれないんだって思って、本当  悲しくて…  」



そうか!  恋人さんと 誕生日一緒だと さすがに  お祝いできないか~  

なるほどねぇ


なんて感心するマルモと詩音


いやいやそうじゃない、フォローしなくては!



「   知り合いならさ、合同誕生日会とかどう?    ワイワイやれたりして いいかも 」ってそんなわけないか~


ハハハ  苦笑いする詩音をマルモは睨む


「 あんた ガチでいってんの?最悪っ! できるわけないでしょ、そんなの  」


「  ほんと!   あんなのと一緒に、誕生日会なんて死んでもやりたくない!  すごい 嫌いなタイプの女だから!  」


「  ?  」


ええええええええ~Σ(Д゚;/)/

相手も 女なの~?


今度ばかりは詩音もハモった


「  じゃぁ   まさか…   」


「  そーなんてすよぉ~!!  私の好きな人も、ビアンだったんですぅ~~~~ーー!  」


あああぁぁぁ~ーーん💦

もう、先に 告白しておけばよかったって思ってええぇぇ~~もぉーー!


大きな声でまゆは泣く。・゚・(ノ∀`)・゚・。

もう、涙は止まらない


やっぱり変な お客だった……💧



詩音とマルモ、 なんとも言えない顔をする


フェミニンな完ビは、お互いの認識が 分かりづらかったりするところがあるが、そんなに仲の良い関係でありながら、ひた隠しにして 友達付き合いをしてきたとは……


どこまでも 気の毒な お話じゃないか



「  まぁ、落ち着いて、

もう こういうときは飲むしかないよ!  」


「 びぇーん (;´Д⊂)   そうですよねっやけ酒ですぅ~  」

泣きながら 拳を掲げて勢いづく


こーして まゆも V tuneの常連になってゆくのだった!

6.  休日の過ごし方

休みになると、愉快な仲間たちと連るむことが多い詩音。


ひたすらキャッチボールをしまくる会、キャンプ道具を持って 山に籠る会、竹や木を取ってきて工作の会、公園で特訓のようなスリーオンスリー会、夜中に鰻や蟹を釣りにいく会、笑える本を手作りして読み合う会 、花見やバーベキュー、紅葉狩りと 季節に合わせたイベント会なども盛り沢山!


みんな 一風変わった奴等ばかりで、年がら年中  面白い遊びには事欠かない



……


今回は久々の連休とあって、お馴染みのメンバーと、田舎から遊びに来た千秋と共に  壊入サーキットに遊びにいくことに。




「 何台積める?」


「  二台しか乗らんよ、交替で遊ぼう! 」


 軽トラにバイクを積んで、志織と那留未がそれに乗り、乗用車に、魁斗と詩音、そして千秋が乗り込んだ。


千秋は、詩音と同郷で、全寮制ビアンヌ十戒高等学園の同級生、当時からボーイッシュ仲間で団結していた。地元で、旅行代理店の企画営業などの仕事をしている


那留未はオペ済  FTM、スポーツ万能で怪力、元ボーイッシュバーのホスト、今はゴルフ場のコック。


魁斗は、那留未の後輩で、現在進行形でMixバーに勤めている


志織はセクマイバイクチームのリーダー、 仕事ももちろんバイク屋さん。以前はプロレーサー志望でミレイユに貢がせていたという黒歴史を持つ⁉️




バイクがレーシング用じゃない為、

まずは走行準備にいそしむ


カウルとって、ナンバーとって、スタンドとって、ヘッドライトやストップランプ、ウインカーに  ガムテ貼って…



「  峠と違って安心して走れるな! 

じゃないかぁ、転べるな🎵」



那留未がそういうとみんな頷く、

志織だけは散々、周回しながらも不服をいう



「 やっぱ、もっと攻めたい❗」


この人キチガイですから


「  バンクしすぎ、火花散らしてる」


「  ステップ切っちゃえば?」


「  とうに切ってるよ!   あれで 時々  足落ちるて」




冬なのに、暑くて、暑くて、つなぎを腰までおろし、ベンチに座って、那留未の作ってきた おにぎりを食べたり。



「  おーっと、詩音がクッションのすきま抜けたぁ!  どこまでも行きまーす。やべ~っ、今日のコケ大賞!

ぎゃははははっ」


スッ転んで滑っていく詩音を見て、千秋は大喜びの実況中継。


魁斗はバイクを避《よ》けに駆け寄っていく


後ろからきた那留未も慌てて止まる



「大丈夫?」


「  うん!全然平気、笑いとれたし💦  」


詩音はお尻をさすってます



「 バンドル歪んで、ハザードいったし、笑えんわ💦   ガムテ取れんよ((T_T))」入院だ


そう言うとバイクを押して、魁斗が戻ってきた。


「ごめーん、また志織が喜ぶな」


詩音がメットを脱いで頭をかくと、

目の前をピースしながら志織が走り抜けてゆく


「うーわ!   やな感じ 笑 」

といいながら、なぜか魁斗も喜んでいる




散々 遊んでサーキットから帰った後は  焼き焼き会。


まあ定番は、キャンプ場や、指定の公園か、誰かんちの庭でバーベキューとなるが……



「 煙が目にしみる  」


那留未の8階のマンションのベランダで七厘で焼き鳥


なんで  そんなことを 誰が思いついた?



「  はい、砂肝~! 」


「  皮ちょうだい、皮!」


「  ぼんじりもね~🎶 」


小さな、あの丸い七厘ご存じだろうか?



だから、そんな簡単に、いっぱい焼けないんですよ~


「  これさ~~💦  ちょっと失敗だったかなぁ」


うちわで、パタパタ 扇ぎながら 那留未は首をかしげてる


煙がモクモク、目に染みる


「  いんじゃないッスか? 

みんな楽しんでるし(;^∀^) 」

けむいけど。



七厘と那留未たちの姿が、可笑しくて、可笑しくて、それを激写する千秋たち


ベランダの二人は 煙の中、作り笑顔でサムズアップ👍




         *                 *                *







バイク仲間の高山さんがクラブイベントに誘ってきた



「いつ?」



「今度の日曜、結衣さんも会いたがってるし、そのあと二次会でゆっくりさ!  」



ちょっと面倒だけど、久しぶりに行ってみるかな……と詩音





「うん、そう、そう、丁度いいからパー券売れば?  しーさんとなるさん来れるか聞いて!  二次会行くか分からんから、居酒屋でさぁ、なんか食べてから入ろう!うん、わかった、わかった、飲まないから 車出すって! 」



詩音は店の窓際に座って電話、客はパラパラいるが お互い 気にしない



「はーい、レズお願いしまーす、

レズお願いしまーす」


カウンターの中から大きな声が響く

、他人が楽しそうだと面白くないのがマルモである


「もー(-_-#)、  あ、ありがとうございました~💦  」

慌ててレジに向かう


業界用語?  違いますね~

ごく内輪の差別用語です-w



「 楽しそうじゃん、飲み会でもあんの~?」


さっきまで  大人しく座って  聞き耳をたてていた亜依花は、電話が終わると、そろ~と詩音の側にきて覗きこむ


なんか この人、  彼氏と別れたらしく、最近 よく来るんですよ、

居心地いいんですかね~ 

あ、暇なのか



詩音は下を向いて小銭を補充しながら、


「そだよ、飲んで食ってからクラブ行く🎶 」


「いいな~」



亜依花はレジの前で、身をくねくねよじってダンシングポーズ、その姿がたまらなく面白い



「  亜依花もいく?」



「  えー!  いいの?」



嬉しそうな亜依花に、詩音は意地悪な目を向ける



「  全然いいけどぉ…  」



「 ?  」



「  亜依花の好きな  オス♂️ は いませんけど?」


「  (*´∀)ノやだ~💦   別にぃ、そんな出会いとか考えてないもーん   」

わいわいしたいだけ~



あーそうですか!  無駄な お気遣いしちゃったわヽ(^。^)じゃ飲んで踊って楽しんで~💜

いってみよー!やってみよー!