リパーダの部屋の、巨大なディスプレイには美しく不気味な惑星バセンジーが映し出されている
『 ご覧ください! これが噂のエメラルドプラネッツ! W34Nb03惑星 バセンジーです 』
ナレーターは 少々興奮ぎみだ。
マウゴラが記録していた KCサテライト〔惑星観測衛星〕とeyesドローンによるバセンジー星の全体映像が公開されている
「 ! ? あ~!!ここ、私たちが居た星だよっ 」
食事中のミヨシが 口に運んでいたスプーンを放り投げ、 画面に食いつく
リパーダもトレーを持ったまま、立ち尽くす
「 これは… 想像以上だったよ、今時 珍しい。 貴重な資源に溢れた 超級の惑星だったんだね~。アッパー〔上層部〕たちが取り合うわけだっ 」
映像は ワールプール〔宇宙空域〕から、惑星内部に向かって ズームアップされ中継と交差する、
大空から地上に、そして果てしなく どこまでも 深く濃い 大自然が続いている
───
「 すごいな…💧 いったい どんなところ 」
やはり その様子を息を呑んで見つめる、 こちらはクレインの部屋。
レイラも黙って見入っていた
「 ……。」
バセンジーでの日々は 一言で、簡単に 語れるものではない。
『 尚、現在も 周辺空域では セイバーによる予測不能な襲来が横行し 、それらの制圧、沈静化に向けて、DAの激しい攻防戦が繰り広げられています! 』
ナレーションとともに現在の空域状況が拡大し流される、レーザーが飛び交い、激しい爆発と戦いの火花が舞い散る
「 …この星を巡っては、もめ事が尽きなそう。…原住民たちはいい迷惑ね! どうせ、軍の都合のいい施設が建ち並ぶだけ!はあ、見たくない 」
ブチッ!
腹立たしさをぶつけるように、モニターを切るクレイン
「 …。」
人が住んでるような気配はなかったが…と思いながらも、口には出さないレイラ。
「 あ💦 見てた? 」
同居人の存在を忘れ、独断的な行動をとってしまった自分に気づく
「 いや、いい。見飽きた景色だ 」
「 そう💦 昨日は…。ちゃんと寝られた?」
「 ああ 」
「 そう、ならよかった! あ、部屋にあるものは好きに使っていいから、食事は…」
と、言いかけると、受信を知らせるメロディとフラッシュ、
プルルップルルッ! ピカピカ
スクリーンを上げるとミレイユが
ニッコリと微笑んでいる。
『 おはよう! ご飯できたから、一緒に食べましょう 』
朝から元気だな、とクレインは苦笑い、
「 ミレイユ、おはよう。ちょうど良かったわ、私はもうすぐ出るから、レイラの朝食だけ、お願い 」
『 クレインも もう行くの? ルフィーもなのよ~、ご飯要らないんですって(´・ェ・`) 』
ミレイユは少し不満そうな様子、きっとみんなで楽しく朝御飯を食べたかったのだろう
「今日は 式典があるから。 でも、それに出たら、ルフィーはすぐ戻ってくるでしょう、そうしたら、どこか連れてってもらうといいわ 」
優しい眼差しで ミレイユをなだめる、そんなクレインを見ていたレイラが口を開く
「 お前は?」
「 私は、式典の後には、次の遠征に関する講習会、それに リクルート訓練のミーティングもあるし、そのあと演習よ。だから、帰りも遅くなるけど 気にしないで 」
『 クレイン、忙しいのね~ 』
八の字マユ毛のミレイユ
『 なんだよっ😁 お前もとうとう、遠征 やる気んなったか! 』
横から ルフィーが 悪ガキのような笑顔を挟んでくる
「 なっ、 まさか(〃ω〃)、 講習会だけだ! あれは強制参加だから。 忘れたのか?💦 」
急にドアップなんて、 もう朝からビックリさせるなよ
進軍のアイドル、ルフィー・オリジンの爽やかな無敵スマイルは、早朝の少しボケた 脳みそをグワーンと揺さぶる
『 知らねぇよ、俺らにとって、キャンピング〔遠征〕は恒例行事だ、てか 講習会っての、いったことねぇかもw 』
ヘラヘラと笑う
クレインはもちろん、レイラまでも呆れた顔をする
結局二人は、ルフィーの部屋に呼ばれ、ミレイユの出すお茶の洗礼を受ける。
勧められるまま、茶菓子など食べ、とりとめもない話しに談笑する。なんとも優雅な一時を過ごすと、このまま動けなくなりそう…と、奮い起こして立ち上がった
「 そろそろ行かなきゃ、ご馳走さまミレイユ❤️ ルフィー、お前も、式典に遅れないよう早く支度しろよ! 顔がダラけてるぞっ 」
いやニヤけてる…というのが正しいかw
指を差し ニヤリとするクレイン
「 ほざけ-w もう完璧だ😁 オレは 時間まで飛んでくるぜ! お前もくるか? 」
ルフィーは デバイスをリストバンドに装着、ヘッドカムをして準備万端と 手を広げてみせる
「 はぁ? 今から? そんな時間あるか? 」
「ONEターンだけだ 」
「 おまえな💢 着替えの時間もあるんだからな、正装だそ! ユニーフォーム持っていけよ 」
え?となるルフィーに眉をしかめるクレイン
「まったく💧 そんなんだから、変な惑星にいくんだろ!」
それから ユニフォームを引っ張りだし、大騒ぎで 支度して バタバタと出かけて行く二人、
「 リュウ! 帰ったらデソリットな😁✨✨ 」
手を振るルフィー
「 また💢 やめとけって言ってるだろ! 」
ギャーギャー
それを笑いながら見送るミレイユと、ぶっちょうずらのレイラ
「 楽しそうね、ルフィー 」ニコニコ
「 …そうか? 」
「 そうよ! さぁ、ユキホを起こして、ご飯にしましょう♪ 」