2.リウラの街
ここは、キウパラたち解放軍の活動拠点があった場所で、損壊もまた激しかった。
ロットの用地補償事業部の職員やL&PのBチームが調査や作業にあたっている
ミサイルの残骸を回収したり、破壊されたbotやマシーン、倒された建物を撤去したり、ガレキの街の復興作業は大変だった
戦争が長引けば、再生不能、生物 生存不可の廃星と化すだろう。
デストロ砲で惑星を消滅させるなら 朝飯前のブラッセル軍、開発事業はロットのほうが得意分野だ。
キュイイイン~ー!!
潰れかけた地下道での作業中。
鉄骨の入ったコンクリートブロックを切断するドグとそれを補助するタニア
「 中途半端なのが崩れたりして 危ないんだよなあ」
「ドグ、 ついでにこっちも切って下さい」
「あいよォ」
オブジェとマコトは瓦礫を撤去しながら溜まった汚染水を抜くために穴を開け、配管を設置したりしていた。
「 南側の水が溜まっていた場所はどうなったんだ?」
オブジェは上から覗き込むように声をかけた
「 ああ、ルフィーが向こうから穴開けたから もう引くのを待つだけよ🎶 一服しません?」
マコトはニヤッとして手を広げる
「ダメだ、今のうちに syoパックをまいておこう、マコト!」
オブジェが、いけいけと穴ぼこの奥に指をさす
「えっ オレ?」
「 当たり前だろう。こんなんで入れるわけないだろう」
オブジェは大型作業用ディノテリム〔大型作業用WORKbot〕に乗り込んでいて、誠はP-BODYを身につけているだけ。
P-BODYは作業用プロテクタースーツ。
「はーいっっ」
素直に手を上げるが
「 だから 私がP-Bodyにするっていったじゃないか! おまえは大雑把だから これでガレキをどんどん運び出すほうが むいてるんだ💢」
ロボオブジェは、ぷんぷん怒りながら作業する
「😞💦」
ガレキの中で、ケガでもしたらいけないって思ったからぁ~
マコトの愛など伝わらないようでした
◆植民地星パラメール
まず、この不運な植民地星パラメールについて、少しだけお話しさせてください。
パラメールはロットワイラー星系 5番目の惑星で、昔は先住民が数十民族もいたと云われています。
ナーチより移住してきたロットワイラーの侵入者たちによって、先人は土地を奪われ、強引な開拓に民族は統制され、入植地は拡大化されて行きました。
その後、半世紀ほどはロットの内乱により差別や抑圧を受けたプリスタイン人らの本拠地となり、それは彼らがプリスタイン星系に移り住むまで続きます。
プリスタイン人が姿を消して、フォルティナ人の統治に戻ったのも束の間、WR大戦線が勃発しました。
ブラッセル帝国とロットワイラー共和国の最初の戦争です。
その戦争に敗北したロットワイラーは、ブラッセルの属国にされる事を恐れ、パラメールを本星の身代わりとして帝国に差出したのです。
もともとプリスタインの反乱分子も多く潜むパラメールは、ロットにとって厄介な星でもあり、手に余る存在だったのです。
敵の敵は味方というけれど、いっそブラッセルに監視させるのが得策という考えがありました。
こうして、次の統治権はブラッセルへと移ります。
講和条約を結ぶことになる、第2次WR大戦後はブラッセルの政権も交代し、さらに厳しい体制となる暗黒時代へ突入です。
おおよそ100年ほどの歳月をブラッセル帝国の植民地として統治され続けました。
しかし、そんな長きに渡った植民地星パラメールの終焉のきっかけは突如として訪れます。
それは解放軍による、
『クレイン•レイカー誘拐事件』が発端でした。
クレインはブラッセル進軍の参謀官のサム《子供》ですから、それは大変な騒ぎとなり、大艦隊が続々とパラメールへ押し寄せる事態へと発展します。
ブラッセル軍VSパラメール解放軍+ロットの大激突。
植民地星パラメールは激しい紛争地となり、激戦区は火の海となりました。
勝敗の結果は、初陣で解放軍討伐に挑んだレオン•セシール大尉 率いる対lk混成駆逐艦隊L&P隊の大勝利で終結。
無事、クレインを奪還に成功したのです。
解放軍リーダーであるキウパラ•ボボは取り逃がしたものの、解放軍とその本拠地を完膚無《かんぷな》きまでに壊滅させ、この戦争の沈静化を図りました。
大活躍したレオン•セシールは、これを機にロットワイラーとの友好と絆を深める為、講和条約の見直しを提案、パラメール星返還を促すと共に、紛争の後片付けを率先して請負いました。
そして遂にブラッセル暦3016年WH021年に、パラメール星はいくつかの条件付きでは あるもののロットワイラーに返還される事となったのです。
パチパチパチ、おめでとうございます💕パラメール!
* * *
4.破壊王のやるせなさ
ガシャーン! ドガーン!
こちらは地面ごと崩れ落ちたガレキの窪みに、ルフィーのランディー〔戦闘変型機兵〕が入っている、建物の残骸や鉄柱など、外に向かって どんどん、ぶん投げているところだ
「ルフィー!」
「 うら〜ぁっっ!」
ぽいっぽいっ
「 ルフィーっっ💢」
上の地面から、大声を張り上げるクレイン監督は、顔面を引きつらせてお怒りモード
そんなことはお構いなしのルフィー作業員、投げまくる
「?なんだよ もっとか?」
「 そんなわけないだろ 」
「 休憩か?」
「 まさか!」
「 💢んだよ、なんでもないなら呼ぶなよ」
おらおら〜
ドガーン!!ガシャーン!
「 それ!それを、やめろッ 上を見みろ! 」
積み上がる残骸の山を指差す
一応、見上げてみるルフィー
「 あ?なにが?」
「 おまえ、片付ける気あるのか?💢」
クレインは不機嫌な表情をしている
「なんだよ💢 どーでもいいぜ。こっから全部だせって言うから やってんだろ !
いいか?オレはなあッ ガレキ部隊じゃぁ ねぇーんだぞ! わかってんのかぁ こらぁ💢」
ドゥオ~ン!ドドォン!!
すごい勢いで、上部にいるクレインの所まで飛んでくる
「……💧ただ、投げればいいわけないだろーがっっ !!
おまえのせいで、ここが 山積みになってんだぞ!」
「 じゃ、てめーが下いけ!オレはこのガレキの山に座ってよ、一休みすっからよォ」
ゴショォォン!
ランディはどっかりと腰を下ろす
「 はあ💢 一休みなんかしなくていいから、どんどん運び出せ!」
「 なに? てめぇ、オレをどんだけ働かしてぇんだ、あ~?」
「 何いってるんだ。おまえたちが暴れて、街も自然もこんなになったんだぞ!謝罪の気持ちで 、どこまでも丁寧に心をこめてやれないのかっ 」
寄ると触ると、喧嘩の絶えないクレインとルフィー、一触即発の事態だ
イラッ
「 おい、おまえ。オレにぶっ殺されてぇのか? えっ ふざけんなよ 」
ルフィーはコックピットを開けて凄んだが、クレインは上等だと言わんばかりに激しく睨み返す
「 ふざけてるのは お前だろッ、どのくらい殺したいんだ?」
「……💧う 」
鬼のようなクレインに詰め寄られて、たじろぐルフィー
「 どのぐらい ぶっ殺したら気が済むんだ? え? どうなの?ルフィー?」
「…💦 んだよっ、知るかよっ オレがみんな悪いのかよ?!」
ドゥイイイイン!
負け犬ルフィーは、急いで蓋を閉じて立ち上がる
ゴガァァン!
そして、手元のガレキをぶん投げてみたりと小さな抵抗を見せるのでした😁