ハイキング バサラ2

7.  癒しの子犬


グリーウェ「  診療所でブーツをしっかり洗ってきたから、スッキリよ!」


足取り軽やか、ご機嫌なグリーウェ


ハチ「  💢  あんたも、さっきのトコで  手とか洗ってくりゃよかったじゃないか!ドブネズミ!

臭いんだよ!!  」



ハチは、ユキホが犬臭いのでイライラしている


ユキホ「  そんなっ  手なんか  洗う暇なかったわ💢 」



シャンソナ「 車が、犬臭くなるのは ちょっとね~ 💦 」


めんどくせーなとユキホ


ユキホ 「  ( ̄^ ̄)  じゃ、お茶かけて洗っとく  」



道路は牛の道にさしかかる。


グリーウェ「  ねえ!帰りは、山道はやめて、このまま車道を降りていけば?」



シャンソナ「そうねぇ、これ以上、糞をつけられたら、車に乗せられなくなるしね! 」


スズカ「  ノータリンより、グリーウェのブーツの方が肝心よ、本当にちゃんとキレイになったの?」



ノータリン=ユキホ。


ユキホ「  そんなイコール要らねーし😠💨  」


ハチ「  犬臭い、牛臭いじゃ かなわないよ!  しかも、うんこだしね 笑っ」


アハハハっとシャンソナたちも笑う


グリーウェ「  💢 うるさいわね!!(`Δ´)   もう落ちたわよ!」



ユキホは地図を見ている


ユキホ「 あーだめだ、牛のとこじゃないと!   このまま降りていくと違うとこに でちまうからな!」



仕方なく、みんなは牛のいる山道へ向かった



スズカ「  もう、足元よく見て、気をつけて  歩きなさいよね!  」



スズカの言いつけ通り、うんこを踏まないように、最善の注意を払いながら牛の道を進んだ



シャンソナ「  はぁ、疲れたぁ、牛の糞、気にして歩いたから  余計 疲れた!  」



そして二匹の犬のところまでもどってきた


クーーン!クーン!


かわいい顔で尻尾を振りながら、五人を出迎える。



ユキホ「  帰ってきたぜ~ー!

ワンコぉ!  オレの癒し~」


ユキホは犬たちに駆け寄って、やっぱり じゃれあう



シャンソナ「 あーあ、またやってる  」


スズカ「   ちょっと!  ノミがつくわよっ、やめなさいよ!!」



黒いちび犬は上目遣いでグリーウェを見ている


グリーウェ「   …。  なんて顔して見てるわけ?  可愛いげのない犬ね  」


シャンソナ「  人間が怖いのかしら」

犬の目線の高さに合わせて姿勢を低くしてみる


ハチ「  笑っ  サイバティス見るの初めてだから、珍しいんだろ! 」


グリーウェ「  ムッ! 犬に、そんなことわかるわけないでしょ!」


スズカ「   あら、分かるわよ!  

牛臭いロボとか、犬より獣くさいノータリンとか!  」

あはははは!


自分で言って、大ウケするスズカ



ユキホ「  💢違うわ!こいつら、きっと、喉 乾いてるんだよ!

水くれって、訴えてるんだ!」


急いで 田んぼに走っていくと、農業用水の太い蛇口をひねる

持っていたペットボトルに水を入れて  犬のところにもってきた。



スズカ「  ちょっと、また そんなことして~! 」



ユキホが  手のひらに水を溜めて差し出すと、茶色の子犬は すごい勢いで飲み干した。


ユキホ「  ほらぁ!こんなに 喉乾いてた!」


シャンソナ「 本当!   なんか  かわいそう!   私も汲んでくる!

ん💦  硬いわ、これ!  」


一般の水道の蛇口と違い、ゴツくて固く閉められている、といってもさっき 開けて 閉めたのはユキホだが💧 


シャンソナが苦戦していると、グリーウェがそばにきた。



グリーウェ「 軟弱ねぇ  」

さすがロボ、軽々と蛇口をひねる


グリーウェ「  だから💢 」

ロボじゃないってば!



ハチ「   なんかさぁ、他に ちゃんとした入れ物ないのかいっ

見てて  イラつくんだよっ  」


文句を垂れながらも、入れ物を 探すハチ



スズカ「 ねぇ、こっちの犬にもあげたら?」


黒いちび犬、今度は スズカを見つめている


グリーウェ「  ね、その犬、なんか  すっごい見てくるでしょ!   」


じゃ 水でも あげてみる?と、

スズカたちもペットボトルに水を汲んでみたり…


みんな  結局、犬と戯れて  長いこと遊んでしまうのでした

8.  腕助城


五人は  国道420号から 細い林道を入って、腕助城までやって来た


ハチ「なんだい!ここは?」


ハチは まるで 城とは思えない風貌の  木で作られた 砦を見上げる



シャンソナ「  本丸の2階に、パックを設置すること!ってなってるわ!  」


シャンソナはタブレットを見つめる


スズカ「 入場料かかるわよっ」


グリーウェ「 顔パスでしょ!

 もちろん 」


ユキホ「  なわけねぇだろ!バッカだなぁ! 」


グリーウェ「  バカとはなによ!バカとは!💢 」


受付のおじさんはニコニコしている、来客が少ないのか、かなり歓迎ムードだ。


入場料を払って中に入った


おじさん「  城の中にはトイレがないので、そこで済ませて、中に入ってくださいよ!  」


ハチ「ん、おつり400円?五人で1500円だろ?」


ユキホ「  あー、100円足んねぇーぞ!」


オレでも分かると大喜びのユキホ


「 あー、ゴメンゴメン」

とおじさん



おつりをもらってキョロキョロしながら、

言われた通りトイレに向かう。


グリーウェ「セコいオヤジね!」


シャンソナ「 わざとじゃないわよ💦 」


スズカ「 そうよ、100円くらい」


ユキホ「 なに!  100円をなめんなっ。100円で何でも買えるぞ!」


ハチ「  そーいうことじゃないだろっ  」 


グリーウェ「 そーよ!バカなんだから!」


ユキホ「うーーー!」



腕助城は、16世紀 戦国時代末期の山城だ。みんなは小屋のような建物を見て回る



ハチ「  だけどさ、城っぽくないと思わないかい?」


シャンソナ「 発掘調査をして、400年の時を越えて復元されたんですって!  」


グリーウェ「  本当かしらねぇ」


ハチ「  嘘ついて、どうすんだよ! 」



ユキホ「今度、キリコやクレインも、連れてきてやるか!  こういうの喜ぶぞ!」



スズカ「 泉もじゃない?」


ユキホ「 あー、そうだな♪  」


木の階段を上がって行く


グリーウェ「  腰曲輪ってなによ、単なる空地みたいなとこじゃない!」


スズカ「 なんか建物はあったらしいけど   」


物見台に上がり、ふもとの風景を眺めたりするものの、照りつける日差しのキツいこと、汗がにじんだ



シャンソナ「 跳ね上げ式の扉ですって、すごいわね~💧  」


シャンソナは、日本好きな外国人なだけあって、昔の建物を興味深く見ている


ユキホ「  でもよ、こんな扉じゃ間から入れちゃうぜ   」


間からだけでなく、ユキホなら軽々飛び越えて行くだろう


スズカ「  勝手に入りなさんなよ!」




南の丸というところは、入ってすぐに  いくつか、便器のような囲いがあった


ユキホ「  これ、絶対、トイレだぞ!」


ハチ「😒  釜戸跡だって、書いてあんだろっ  」


本当にトイレみたいなのにね!



シャンソナ「 ねぇ、草履《ぞうり》と草鞋《わらじ》ってどう違うの?」


建物の中は木の床張りで、田舎の家を思わせる



グリーウェ「 そんなこと知るわけないじゃない!  だいいち、どーでもいいし。  」



日本人でも知らないことがいっぱいあるんです


当時の生活用品として、ぞうりやわらじ、竹筒がぶら下がっていた



ユキホ「これが昔の水筒かぁ」

スズカ「なんか洗えなくて汚そうね」


ハチ「蓋がついてて、なかなかの出来じゃないか。」


みんな、部屋をうろついて見て回る



シャンソナ「で、違いはなんなの?  多分みんなも知りたいはずよ!」


藁のくつを持って、まだ気になっている様子のシャンソナ。



ハチ「  この草鞋《わらじ》ってやつは、遠出の時に履くもんさ、足首までヒモがくるようになってんだよ。  早く、元の場所に置いてきな!」


へぇーとみんなは少し感心したような顔でハチを見る


ユキホ「くわしいじゃんか、ハチ!」


ハチ「  そんなん常識さ」


みんな「?」


ハチ、お前はなに時代の人間だ…


ハチ「ちゃんと見てたら、書いてあるんだよ。ふん! 」



本丸に行くと係員がいて、色々と説明をしてくれる


どんな内容か聞いてみたい人は、自分の足でいってみよう!



シャンソナ「  ねえ、トイレの見学できるみたいよ。スズカ」


スズカ「  なんで?私?  そんなところ、見なくていいわよ!」


シャンソナ「  そうなの?だって、さっき。」


スズカ「  あれは!トイレに行きたかっただけよ!」



ユキホ「おい、2階に行けるんだって! 」


みんなは上を見上げる


シャンソナ「  ミキゾーノパックはそこね!」

シャンソナは目を輝かす!


グリーウェ「  いきましょう!」


二階からの眺めは腕助の町並み。

標高301㍍だ。



ユキホ「うわー!すげぇ風が気持ちいい!」


シャンソナ「 ほんと! それに眺めもいいわ~  」


四方に開いている窓から、涼しい風が吹き込んでくる。



スズカ「見て!   係員が説明していた屋根よっ  」


ユキホ「  石がいっぱい積んであるなぁ  」


ハチ「  あれが落ちてきたら怖くないかい?   下 歩いてたりしたらさ 笑っ 」


シャンソナ「  そういう攻撃もあるかもね!   昔の人って頭いいわね!   あの薄い板を何枚も重ねて それから 石を乗せて、上手に作ってるわ~  」



何だかんだ、しっかり観光して、

ミキゾーノパックを無事、設置!


シャンソナ「  はい!二つ目のパック、取り付け完了!   さぁ、あと1つよ! 」


グリーウェは 辺りを見回す


グリーウェ「  これで終わり~?もうちょっと見たかったかも…  」


名残り惜しそうなグリーウェ、

みんなも かなり楽しんだようだ

9.  麦盛山  上り


さて、次なる場所は麦盛山だ!


山頂に城跡があるらしい。

そこにミキゾーノパックを設置するのだ!




ハチ「  着いたよ!  」


川向こうの有料駐車に車を止める。駐車料金は500円。


地蔵がちょこんと佇み、手洗鉢があったり、風情ある土産屋もトイレもある。


川辺では観光客たちが水遊びをしている姿も見える



ユキホ「 楽しそうだなぁ~ 」



スズカ「 まわりは、雰囲気のいいとこだけど、まさか  ここを登るんじゃないでしょうね!  」


眉をよせて、遊歩道を見上げるスズカ


シャンソナ「 そのまさかよ!

 麦盛城跡の山頂にパック設置!」


シャンソナはタブレットで地図をを拡大して位置を確認する


グリーウェ「  はぁ~💧   まだ登るの~?」


最悪だ!   この暑いのに…

とみんなは げんなりとした表情。


しかしユキホはニコニコして先頭におどりでる。


ユキホ「 階段が  ちゃんとあるから楽勝だ!さっさと行こうぜ!

頂上  行ったら、なんか旨いもんがあるかもしんないし🎵 」


タッタッタッ


 石段を 駆け上がって行く


登山道は整備されていて、道幅も広く遊歩道のような感じになっている


シャンソナ「 よし、最後の山ね、頑張らなきゃ。」

と後に続きます。


ハチ「  チッ  あたいがサボってたなんて、チクられでもしたら、

たまんないからね。」


ぶつぶつ言いながらハチもいく


スズカ「  ふぅ💨   総事官に報告するためにも、行くしかないわっ!まったく 」

そしてスズカもその後を追う!


取り残されたグリーウェ。

涼しげに河原で遊ぶ人々に目をやるが…  


ミーン ミーン ミーン

うるさくセミが鳴いている


グリーウェ「……一人でいても 

つまんないじゃない。  

別に、なんの疲労感もないことだし、付き合ってやるわよ!」


グリーウェは、ズシッ!と  足を踏み込むと 土を飛び散らし、


ザザザザザザっーーー


すごい勢いでかけ上がって行く


シャンソナ、ハチ、スズカをぬいて、ユキホに追い付き、軽々とそれを抜くと、少し上の階段で振り返る。



ユキホ「  おめぇ~、スゲーなっ」


グリーウェ「  私はね、人の後ろなんて嫌いなのよ!  ふふん 」


得意気な顔をしてるグリーウェの前に、


バシュウウン!!


ジャンプ《瞬間移動》でシャンソナが現れた。



ユキホ「うわっ!!跳べるじゃん」


シャンソナ「  短距離はいけるのよ  笑っ」


グリーウェ「  ムカッ!    相変わらず、汚いわね!💢  」



ユキホ「よーし、オレだって負けねーぞ!」


三人はムキになって登ってゆく



ハチ「なんだいっ!あいつら」

ハチは下の方から、それを見る


スズカ「まったく 低脳な連中ね」


ハチ「でも、ムカつくよ!  」


そういうとハチはサイコウェーブを撒き散らす



ブォォおおおーーーーーーーーん


どこからともなく、ものすごい羽音を鳴らしながら 熊蜂の集団が現れた!


ハチたちの頭上を越えて、先頭の三人に襲いかかる



ユキホ「 うわぁー?なんだぁ」

グリーウェ「 きゃぁ、虫嫌い!」

シャンソナ「 いやぁ~~!」



慌てふためく連中を見て、ハチはせせら笑う



シュん!シュん!


シャンソナはショートジャンプで逃れようとする


スズカ「 そーはさせないわっっ」


シャァァ!!

ビュュ~ィィィィィ~ー~ー!!



スズカのカデッチは空中で波紋のように 散布され、円を描いて降り注ぐ!


シャンソナの身体を包み込み、ジャンプを阻止した



シャンソナ「きゃぁぁ!」


バチバチバチ!!


グリーウェ「  ちょっと💢  やめてよ!」


サイバティスのグリーウェに とっても カデッチは厄介な攻撃だ!


ブィゥーー! シュキーーン!


プロテクター強化、ハイパー合金のコンバットアーマーに変身!


ユキホ「  うわ!うわ!💦  」


ユキホも熊蜂に追い回されて振り払うのに四苦八苦。



ハチ「  さぁ いまだ!いくよ!」


スズカ「ええ!!」


二人はたったか登ってゆく。



グリーウェ「 あんたたち!グルにになって、やる気ね!」


シュるルルルルーーーん!パンパン


手当たり次第、ゼオスウィッパーを振り回す。



ユキホ「  こらぁ!おれに当たる!!  それより、ブレスを飛ばして、やつらを足止めすんだっ!」


グリーウェ「  💢うるさいわね!指図されなくても、分かってるわよ!    あんたこそ、蜂を片付けて!」


少しためらうユキホ。


無駄な殺生はダメ!と常々ミレイユに言われているのです。


ユキホ「…(  ;∀;)💦  しょうがねぇ!  勝負がかかってるからな!」



ブハァッッッッツツツーー!!


ユキホのサイコ イディオムは、襲いかかる熊蜂とカデッチの残存 静電気を吹き飛ばした。



シャンソナ「それを待ってたわよ!」


足かせの取れたシャンソナは短距離ジャンプで  ピョンピョンと上がる


グリーウェ「   Σ あっ!ちょっと!💢  」


グリーウェも  重装備解除で 猛ダッシュ!


ユキホ「  チームワーク ゼロだなっっ !!いくぜぇぇ!!」


ハチ「  待ちな!  」


スズカ「  逃がすもんですか!!」


カデッチが轟ぎ、セミだのアブだの、大群ひしめいた!


もう大変な騒ぎで 麦盛山を登ってゆく



ユキホ「  くっそ~ーー!田舎者の意地を見せてやるぅ!!」



ガーーッ!!と、跳ねるように駆け上がる


グリーウェ「  (^。^;)アハハ!

どーいう意味?  田舎者の意地とか見たくないし 笑っ  」


笑っちゃって、力の入らないグリーウェを抜かして、ユキホは

ダダっと頂上に一番乗りした!!



ユキホ「やったぜ!!うえーーい♪♪」


2着はシャンソナだったが、予想以上にバテていた


シャンソナ「  はあはあ    短距離ジャンプは、体力を使う💦

疲れたぁぁ  」



そして、グリーウェ、ハチにスズカと次々に、みんな 到着した。



スズカ「えーー!なによ!💦

これが山頂?城跡って こんななの?」


木々に囲まれ、生い茂る草むら、見下ろす絶景もなにもない



ハチ「  なんにもないね… 」


グリーウェ「 あずまやが  あるわよ、一応   」


ユキホ「 おっ、エッチな本もあるぞ!笑っ」


スズカ「(`Δ´)もぅ! 汚らわしい!  」



麦盛山の山頂はなんとも残念な場所だった



ユキホ「  せっかく登ったのに、つまんねぇとこだな   (  ;∀;)」


シャンソナ「  眺めも見れないし、頂上って感じしないわね!

本当にこんなところで いいのかしら   」


悩みながらも ミキゾーノパックはボロいあずまやの屋根に取り付けることにした


川遊びをする人たちは大勢 いるのに、、誰一人、麦盛山に登る人がいなかったのは、こういう訳か…



みんなも 早々に 山を降りることした


スズカ「 これでっ!  すべての任務完了ね!  さあ、下山するわよ!  」

10.  麦盛山  下り




グリーウェ「  …うう っっ。」


さぁ  降りようという、その時に、前かがみになって、明らかに様子がおかしいグリーウェ




シャンソナ「どうしたの?」



ユキホ「  まさか、ボー先生みたく 尻筋いてーのか?」


ハチ「  アハハ!そりゃいいねっ」


ボケをかましても反応はない。


グリーウェ「  うう…  」


スズカ「  うなってないで、早く答えなさいよっ!」


イライラしたスズカはグリーウェを覗きこむ。


グリーウェ「  わからない、MV系統の警告シグナルが出てる、モニターに何か制御システムの端子配列が…」


ユキホ「  なにいってんだ?こいつ 」


ハチ「 鉄のかたまりはこれだから。」


グリーウェ「(怒)私は…鉄じゃない、ブラックディカー合金……」


グリーウェは一点を見つめて停止状態に入った


シャンソナ「  そんなこといいから、どこか故障なの?」


グリーウェ「  体が…動かない。」


ユキホ「  電池切れか?」


ハチ「  誰か充電器、持ってないのかい?-w 」

 意地悪く笑うハチ


しかし、グリーウェは反応しない。


スズカ「 ちょっと!こんなとこで止まんないでよ!」



ペシペシっ

グリーウェの背中を叩く



グリーウェ「  あんた…の…カデ…ッチのせい…よ。」


まるで絞り出すようにやっと喋る



スズカ「なによ、人のせいにしなさんなよ! 極微《ミクロ》の作るもんなんて、所詮ガラクタね!」


グリーウェ「…∞$&%£¢」


もはや言葉になってない言葉である


ユキホ「 あ、とうとう壊れちまった!」


シャンソナ「  グリーウェ!  

しっかりして!」



グリーウェ「 …。」

グリーウェの意識は無い



ハチ「 うわっ、すっごい重いよ!こいつ💦  」


ハチは、傾いて しなだれかかるグリーウェをかろうじて支えている



スズカ「  どーすんのよ!これから降りてかなきゃいけないって時に! この重量級!!」


青ざめるスズカ



シャンソナ「あらゆる戦闘シーンを想定して、わざわざ重くて頑丈なハイパー金属を各部プロテクターに使ってるって、ドリガル博士は言ってたわ!  」


ハチ「あたいらじゃ、無理だね。ほっていこう! どーせそのうち目を覚まして追いかけてくるさ。」



ユキホ「じゃ行こう!」


ユキホはうんうんと、うなずいて、さっきのすごい勢いで追いついてきたグリーウェを思い返す



スズカ「  そうだといいけど、もし、起きなかったら、もう一度ここに回収しに来なきゃいけなくなるんじゃないの? 」



ハチ「   ええ!冗談じゃないよっ!  こんなとこっ  二度と ごめんだね! 」



ユキホ「  そうだ!そうだ!

  山頂に、なんかあるかと思って頑張って登ったのによぉ!  なんにもねぇーし、こんなとこ、もうぜってーこねぇ!」


横たわったグリーウェを囲んで、みんなは思案する。


スズカ「  グリーウェを置いて行ったら、そうは行かないわよ!」


ユキホ「 なんでだよっ」


スズカ「  そりゃ戻ってこなかったら、絶対、ミレイユは心配するに決まってるでしょーが!

それで、なんで、そんなところに置いてきたのっ!  て、話になるわよ。」


ユキホ「  …💧うーー    」

そうだ、きりこならきっと怒る!

とユキホは八の字マユ毛。


シャンソナ「  私が飛べれば、一瞬で帰れるんだけど、調子が悪い上に、行きにパワーを使い果たして、とても  こんなのを連れて飛べないわ💦  」


ハチ「  まったく!役に立たないね~、じゃ  どうすんのさ!」



スズカ「ノータリン猿!お前が持ってくしかないわよ!  」



ミレイユに怒られるのは嫌なので、仕方なく言うことを聞くことに、


ユキホ「もぉ~、しょーがねぇなぁ   」


ユキホはグリーウェの腕を掴んで、無造作に担ぎ上げた。


100Kは超えるヘビー級bodyだが怪力ユキホには軽々と持ち上げているように見える



ハチ「なんだいっ、それなら早く持ちなよ!」


みんなは やっと下山にこぎつけた、と階段を降りて行く


スズカ「 ゆっくりでいいわよ 」


ハチ「 転ぶんじゃなよ 」


スズカたちは後ろを振り返り、ユキホに声をかけた。


ユキホ「 へぇ~、心配してんのか?   気にすんなって、こんなん羽布団ぐれーかりーわ-w 」



ハチ「  バカだね! あたいらんとこに 転がってきたら、ひとたまりもないから言ってんだよ」


ユキホ「 (`Δ´) なにぃ!」


シャンソナ「前を歩かせればいいいのよ。」


ユキホの後ろを歩くシャンソナはニッコリしている。


スズカ「 あっそうよね!」


ハチ「  ほら! 早く 前、行きな!」


ユキホ「(`Δ´)もぉ、ひでーやつらだ!」


駆け上がってきた行きとは  うってかわり、ごちゃごちゃ言いながらも  グリーウェを抱えるユキホを見守って、ゆっくりと進む、下山の道のりだった

11.  お家へ帰ろう




グリーウェ「あんた、変なとこ

さわったりしてないでしょうね?!  」もう髪がぐちゃぐちゃじゃない!


山を降りると、すぐに目覚めたグリーウェ、適当に担がれて降りてきたことへの不平を爆発させていた


ユキホ「 なんだよ!  さわるわけねぇーだろ!」💢💢💨


シャンソナ「 もう大丈夫なの?」


ハチ「  まったく、問題 無さそうだけどね-w  」


グリーウェ「 eyeセンサーが、

ちょっとおかしい! 」


補助システムが働いて  再起動したが、どちらにしてもメンテナンスの必要はあるようだ。


スズカ「  下りはダラダラ降りたから、もうこんな時間よ!  」


て……何時なんでしょうか。


そういいながらも トイレの前の

ベンチに 腰掛けて一服中。


シャンソナ「  うん、このジュース美味しい!  」


ユキホ「 ふーん、じゃキリコにも買ってやろう!」♪


スズカ「 それ、売店で買ったやつでしょう? 怪しい感じの-w  」


シャンソナの美味しいと言った  へんな色の100%リンゴ ジュース


店の人が    “大丈夫かしら?これ   ”      と賞味期限を確認するほどの

ステキな代物だ😁✨✨



ハチ「そういえばさ、お腹すいたね。」


ユキホ「そう言わなくても 腹 減ってるぞ!」


スズカ「  そのわりに、今日は 

うるさくなかったじゃない  」


ユキホ「 うーん、なんだか、バタバタしてたからか💦       きっと 

キリコが、うまいもん作ってくれてるに違いない♪」るんるん



ハチ「 どうだかねぇ~!  ルフィーのやつと  遊び呆けてんじゃないのかい!」


シャンソナ「  畑 いってるんでしょ?」


グリーウェ「   じゃ今日もキュウリやトマトだわっ!  」



ユキホ「  なんだよっ!文句あんのかぁ!」ピーマンとかもあるぞ!



オレンジ色の夕焼け空が広がる。


五人は あーだこーだと語らいながら、家路に向かった




シャンソナ「 ねぇ! 青空市場があるわよ!」


道路沿いに 看板や旗が たなびく  

 

桃や  スイカなどで賑わう、活気溢れる  お店屋さんを発見!



ユキホ「 あー!寄ってこうぜ!」


グリーウェ「 どーせ、野菜ばっかりでしょ。」


シャンソナ「  桃が美味しそう」

スズカ「  果物いいわね~ 💕 」


ハチ「  また寄道すんのかい💧 」

ハチはうんざりした顔をする


はい! みんなで買い物タイム。



ハチ「  見なよ! ジャガイモ1箱500円だって!安いね!」


ハチは、スズカたちのように 野菜の底値も 知らない世間知らずな お嬢さんでは ないようだ!


うんざりしてた割に、ノリノリで買い物をする



ユキホ「  2箱、買おうぜ! キリコが喜ぶ!」


グリーウェ「 あんたんち、取れるんでしょ! 」


シャンソナ「  ジャガイモは、春と秋が収穫時期だから、今は、ちょうど足りないのよ!  なにせ、ほら、大家族でしょ!  いくらあっても、いいんですって! 」


ユキホ「  うん うん!そういうこと!  」😁✨


スズカ「  詳しいわね💧 」


ハチ「  こいつ、毎年、暑竹で 芋掘りやってんだよ! 」


グリーウェ「   物好きね~」


シャンソナ「  えー?  楽しいわよ!」 特に里芋掘り🎶



トウモロコシや饅頭やハチミツなど、色々あって、もう  こういうところは、ついつい  いっぱい買い物してしまうのだ



グリーウェ「  それにしても、買いすぎじゃない?」


スズカ「  桃!  2箱!買うって言ったの誰よ!」



地元のだからね~、甘くてうまいよ~と、店のオヤジの巧みな口車に乗せられて 、ついつい 2箱も買ってしまった!


結果、スカスカ発泡スチロール 的 ピーチを味わう羽目になるのだ!


ヒヒヒヒ~ざまーみろ!by九千尾



なお「  店の前に、その不味い桃を、バラまいてやろうか!💢 」


なお先生は、店のオヤジにどんな仕返しをするか、と考えては

みんなを笑わせた!




グリーウェ「  ねー、こんなトウモロ コシ!   要らなかったんじゃないの?  きっと不味いわよ!」

値引きされた不格好なトウモロコシをつつく


ユキホ「  いるいる! おれ、全部食う!」


シャンソナ 「  いいじゃない!安くしてくれたんだし。」


スズカ「 でも、傷んでるのあるわよ~、買うときよく見なさいよね! 」


ハチ「  バカだねぇ、そういうのは、その場で、皮を剥いてくるんだよ  」


しかし、このトウモロコシこそ、逆に  甘くて、ジューシーで、

とってもおいしかったのだ!


世の中、分かんないもんだよね~

-w



ユキホ「  あー🎶  今日はキリコに話してやることが いっぱいだ!

お土産もあるし、最高だな!

なかなか楽しかったから、 今度は仏頂面もキリコも連れてこよう♪」


西日に照らされる、みんなの顔は、日に焼けたのか テカテカして、赤くなっていた



ハチ「  そう!  動画も撮ったしね!」ニヤッ


ハチがスマホをタップすると、


“ ぶぉッゴォォーー~ん!!


「  ひーーひー!💦」 ”


すごい音が聞こえてくる!


ユキホと蛇ノ眼たちの戦いのシーンだ!



ユキホ「  こらー!何、いつの間に、撮ってんだよ!💦  」

やめろ!キリコに見せるなよ!怒られる!


ハチ「  ふふ、いいだろう!」



山の香りや風の心地よさは最高だ


いつのまにか動画も撮っていたようだし、ちゃんと任務も果たせて、良い一日だったことだろう!


ユキホ「  良くねぇ~よ💦  」


こんなメンバーもアリ!ということか!   また  いつか みんなでお出掛けしよう♪


ユキホ「  もう二度とイヤだぁ」


それまで  暫しのお別れだ🖐️


ハチ「  また、すぐ会えるさ!」


みんな明るい笑顔で手を振った😁✨✨



                                           おしまい