ハーバービューの夜景が広がる、マ・セローの貸し切り風呂 サウザンバーデン
「 山に登り~!酒をがぶ飲みし~! その苦行、 まさにお前と、この日を分かち合うために、培《つちか》ってきたことだぁぁぁああ~!
(/▽\)♪きゃはぁ~ーん!!
そう!それは 苦行ではない! お前とは実践だぁ!」キャハハハ
クレインたちをのぞき見中のレオン、湯の中で、エアウインドウを見ながら、ひとり、大喜びで はしゃぐ
「 何か言った~? レオン? 」
スズカが脱衣場から顔をだす、
と、同時に レオンはエアウインドウを 素早く切った
「 ううん (*^-^) 素晴らしい夜景だから、感動してただけ。 タロも楽しいけど、やっぱり、マ・セローのサウザンバーデンはいいわね~🎶 最終決算はこういう静かで落ち着く場所が一番よ!」
「 ? そうね💦 待ってて! 私もすぐ入るからっ!」
よく分からないが 一応、同意するスズカ
「… いいのよ ゆっくりで。 私は見るものがいっぱいあるから! 退屈しないわ😁 」
レオンはあちこちに、レオン専用mgドローンを飛ばし、モニタリングしているからだ
「 そう?よかった。 でものぼせないようにね! 源泉の長湯は よくないらしいから💦 」はぁ まったく! 黒木ったら 、ちっとも繋がらない😠
スズカはぶつぶつ言いながら、脱衣場に引っ込んでゆく
レオンは、湯のなめらかさを肌で味わいながら、画像に目をやる
オブジェに貼り付くウォッチタグ〔追跡監視システム〕は、fsサテライトへ次々とデータと映像を送信してくる
そして、レオンのもとへ着々と届く
「… マスター〔オブジェのこと〕たちはアンクに向かってるのか… なるほど、それは繋がらないわけね
それもアリバーハキャフ… 何を企んでるのかユーリ・プライアス!
今回も、また外務局員の皮を被った政治犯決定ね!」
それを眺めていると着信通知が表示された
ピピッ
ウインドウが切り替わって、
アリッシュ・ モナが 敬礼姿で現れた
「 お寛ぎのところ、恐縮です、 レオン様 」
「 いいのよ… レオンも丁度、貴女を呼ぼうと思っていたところ。 ねぇ
アリッシュ… ここの温泉は最高よ
…貴女も来れたら よかったのにね 」
「…はい、お供させていただきたかったです… サウザンバーデンは
往にし代《いにしえ》から伝わる写し鏡の湯、その乳白色の湯色は 高潔で強固な意志、レオン様そのものを表していますね 」( 私も お側で あなた様の思いに浸かりたかった… 。でも 今の私がその湯に浸かれば、どのような色になるか… )
アリッシュは、レオンの茶目っ気、たっぷりの瞳を見つめる
「 そう、 レオンは いつも曇りのない心と体よ❤️
それで、なにがあったの? 」
「 はい、SWデビィジョン 艦艇が、ブルゥ党による奇襲攻撃で轟沈《ごうちん》させられたとロットの ワールド通信社より発表がありました 」
「 ブルゥ党? それは確かな情報?」
「 いえ…それが、犯行声明はなく、ロット政府代表部はプリスタインが関与していると騒いでいます。公安庁が事実関係を調査中のようですが 銀連安保理が特別緊急総会を招集《しょうしゅう》することにでも なれば、ブラッセルも動かないわけにはいきません 」
「 そうね… 」
レオンの表情は険しいものになる
「 レイモン・ルーペルの死亡が確認されたと発表がありましたが、プライアス局長は依然、行方が分からないままだと言われています 」
「 ユーリ・プライアスは生きてるわ。レイモンも元気いっぱい!」
「?! なんと!💦」
「 それにしても ロットがそれだけ騒ぐと言うことは、連中の猿芝居ではないと言うわけね、じゃ彼を裏で操る人物は… 。 まあいいわ! とりあえず ウォッチタグのデータと 画像をそっちに送るから、レオンが帰るまでに解析しといて。 あ、private LAN 以外 使用禁止ね 」
「 はい!心得ております!」
「 あー、あと アンクにパンダ〔治安維持部隊〕を送って。 もちろんプリ経由で😁 」
「 ? アンクにですか? 」
「 ええ。マスターが…オブジェがアリバーハキャフに向かってるの。 急いで 万全なセキュリティー対策と、非常時の脱出経路を確保しておかなくちゃ! 」
「 オブジェさまが? 💦 なぜ、アンクなどに💦 わかりました、ただちに準備します! 」
「 くれぐれも本人には 悟られないように離れてガードして 」
「 はい! 仰せの通りに! あの …
レオン様 」
「 なぁに?」
「 日頃の緊張もほぐれ 楽しくお過しのこととは思いますが… 。 できるだけ 早いお帰りを お待ちしています では💦 」
アリッシュはレオンの答えを待たずに消えた
レオンは窓の外を眺めながら、満面の笑みを浮かべ、
「 はぁ… わかってるわよ、でも いろいろ楽しいんだもの❤️ 」
ガラガラッ!
引き戸が開いてスズカが入ってくる
「 💦💦きゃ~!💦 レオン!! どーしたの?! 大丈夫? 」
滑りそうな勢いで、レオンのもとへ
「 ? なぁに? レオン、のぼせてないわよ 大丈夫よ 」
ケロッとしている
「 え~なんでもない?💦 大丈夫なら いいんだけどっ。 だって、お湯が ほら、こんなに赤くなってるから! さっきは確か こんな色じゃなかったでしょ 」
温泉はいつの間にか、燃えるような赤色へと変化していた
赤は、闘争心と支配欲の色…浸かっている者の意識を反映させるサウザンバーデンには、すべてお見通しだ
「 ああ、レオンが色々、考え事してたから🎶 」(*^-^)
「 考え事? 」
お湯が真っ赤になるほど、レオンは何を考えていたのか…
「 スズカこそ、遅かったわね 」
「😖 ん、黒木のやつが全然 連絡してこないのよ! こっちからしても、うんともすんとも… 文句いっぱいの動画送ったけど。あいつったら!どこで、なにしてんだか💢
でも、どーせね、きっと、ろくでもない所で、ろくでもないことしか してやしないわよ! 」
ぶつぶつ怒るスズカを湯槽に残し、
洗い場で体を流しながら、適当に聞いているレオン
「 ろくでもないところで、ろくでもないこと…😁 」クスッと笑う
「 そぉよ~! どっかの小汚くて 臭いバーで 、さらに、くっさい安物の香水をぷんぷん振りまいてるような 小汚なーい女を引っかけたりなんかしてぇ~ーーー!
それでもって あいつったらぁ💨 ぁぁぁぁぁぁああ~ー💦 いやぁ~ーもぉ! 」
手で顔を覆うと、頭を振って 妄想を炸裂させるスズカ
「…😁 💧 落ち着いて-w あなたのお湯、紫色になってるわよ 」
「 ギャー~ー!なによ!これ!」
ザバァーン!!
慌てて立ち上がるスズカ
「 紫は動の赤と静の青、相反する色が共存する、二面性をもっているんですって。高貴と下品、神秘と不安…その性質が色合いで変わるのね。今のあなたの紫は、かなり赤い紫だから、スピリチュアルと性的欲求…」
静かに近づいてゆくレオン
「 いやだ (〃∇〃)ノ 」
なんだか、恥ずかしいわ
「恥ずかしがることはないわ… 不安や孤独、嫉妬に慾望…。 誰にも必ず あるものよ 」そして、どれもレオンの好きなモノ
レオンはスズカの手を取って指を絡ませる、向かい合う二人
「…レオン 」
「 でも 今夜は、神秘で精神性の高い癒しを…… レオンが貴女の青紫になってあげる 」
潤んだ唇を重ね合うレオンとスズカ。
「 んん…❤️」
ダリアの蕾が羽ばたくように開花すると、そこは あっという間に艶やかなピンク色が支配した…