9◆ハチ合流×生きた化石たち
ミレイユ「…❗」
気感で目を覚ました。
ユキホが浜辺でおこした衝撃波を感じとったのだ。
きっと二人は遠くない場所にいるはず。
しかしここはどこなのか?
部屋の中を見回してみる。見たこともない作りだった。まさかドーム内?総帥に捕まったのか?いまひとつ状況がつかめないミレイユ…
ピィィィィィィィ~ーー
キィィィィィィ…ン!!
音波系の精神感応、確実に絶体絶命のSOSだ!
ミレイユは波動の激しさに頭を抑える。眉をひそめて目をつぶる
ミレイユ「 ぅ…💦今、行くわ💦」
呟くのと、ほぼ同時に姿を消した。
ミレイユはイオンシュ 特殊能力者だ。
ジャンプは苦手な分野だか、短距なら問題はない。
ルフィーは小艇の外、仲間の墓標のすぐ側で、プレイス(外灯ポール)を設置し、大型Sブースに大量のフィールコアをいれて溶鉱炉のようにごうごうと炊いていた。
ベンチシートに身体を投げ出し、夜空を仰いで酒を飲んでいたが、いつの間にか浅い眠りについていた。
ウウウ~ーー‼ウァンウァンウァンウァン
大きな音で警報が鳴り響き、ルフィーは飛び起きた。
「 !? 」
慌ててサブインテグレーターに目をやる。
小艇の半径数100キロ圏内には警戒索敵センサーを張り巡らしてある。
そこに何かがひっかかったようだ。
「生体熱重量800、流量計測定中、608573、生物の確認にむかってください…」
大声で指示しているのは艦艇付アイビー〔PC〕のマウゴラだ。
「 うるさい!💦なんだよっ💦地ベタの動物か。サイレンなんて大げさだぜ💦ビックリさせやがって…」
人間以上の熱量生命体に反応するシステムになっていることから、虫や小動物でないことは確かだったがクロロスコープレーダーもアナライザーも反応なし、空は至って静かであり敵機などではなかったことにホッとする。
索敵センサーを越えて侵入してきたとしても捕獲ネットが飛び出し、迎撃までの時間稼ぎになる。
ルフィーはヘッドカムをつけドルビーWC3銃をかかえる。
あくびをしながらエルクーンに乗り込んだ。
「608573、回収ツールキットを持っていません」
マウゴラの言葉など気にせず、ルフィーはエルクーンのエンジンを始動、ゴォォーと風が吹き上がり、Sブースから火の粉が舞う。
「 回収しねーもん、持たねーだろw どーでもいいけど、俺を番号で呼ぶなっ」
608573、この6ケタは名前のような部分で個々にふりあてられた個人識別用認識番号。
ルフィーの正式な認識番号はOA14T608573である。
「…💧 生物群集と生態系調査は未開拓地ワークの中で五種内必修科目です。しかもその銃は適切ではありません、Mkオートスタンドでとりあえず未確認生物を捕獲してください。」
相手にされないマウゴラ、なおも食い下がる。
「 しゃべんな!マウゴラっ 💢 そんなオモチャ、ハナから積んでねえよ、ったく、めんどくせぇ。ごちゃごちゃ言うならお前が行ってこいっ!、俺は気持ちよく寝てたってのに…。💦暗いなぁ 」
エルクーンは草の中を勢いよく進む。
「この位置では艇から照らせません。💧、照明弾を打ちますか?。Edを飛ばしますか? 608573、同サイズ数体の生体反応があります。」
ガァァゴゴゴォォォォ~ーー
ギョオオエエエゴゴゴオオオオォォォ~ーー
凄まじい雄叫びがルフィーの耳に飛び込む、なにかが争っているようだ。
「えぇ?なんだよ💦 なんの声だよ💦 何がいるんだっ?😨 マウゴラ❕ なんでもいいから、早く照らせ❗」
平原だが遠くからではまだ何も確認できない。
ルフィーはちょっと焦ってキョロキョロする。
「…。」
マウゴラは無言を決めこむ。
システムインテグ準備に勤しみサービストーク0。
「…💦」
(こういうとき無言だよ💢)
ガガガァゴガァァァァ~
ぶぉん、ぶおぉぉん、ぶおぉぉん、ぼんぼぉぉぉん‼
パレポロスは大群でビズラを取り囲み尻の毒針を突き立てようと頭や眼球を狙って飛び回っている。ビズラたちのほうは太い腕を振り回し、時に緑の液体を噴射させながら応戦する。
これはビズラ対パレポロスの戦いか!
「 ぅぅーん、はぁ、はぁ。」
すぐそばにはハチがいて肩で息をしながら踏ん張って立っている。
ビズラを撃退しようとサイコマイクロ波でパレポロスを呼び寄せて戦わせているのだ。
ハチは周波を自在に操り高振動を起こせる能力者だが、その威力を十分に発揮して操作できる相手は虫や小動物ぐらいである。
ズブッシャャャーーーァァァー❗
ブチブチブチっ ボテボテボテボテ❗
ビズラの緑の液体が撒き散らされ、それに当たると飛びかうパレポロスは一瞬にして地面に落ちて行く。
「ぎゃぁぁ!あっぁ!!💦💦」
ハチの足にもピチャッと液体がかかる、激痛が走ってぴりぴりした。
酸性を含む毒液のようだ!
よろけたハチにビズラが襲いかかる❗
「⁉️っっ」
ボワッム❗❗
間一髪、ミレイユが現れて、軽い衝撃波動でそれをはね飛ばした。
「ハチ!大丈夫?!💦離れてっっ」
超A級サイキックの彼女にとってビズラの息の根を止めることぐらい容易なはずだが、どんな時でも生き物に対して加減する理性が働くためか……
死に至らしめる打撃を与えるのは簡単ではないようだ。
しかもミレイユは捕獲ネットに絡まってあまり身動きが取れない状態だ。
「 💦💦大丈夫なわけないだろ!早く何とかしなよっ。ぶっ殺すんだよっ!あんな虫じゃ あいつは止めらんないよっ 」
ハチは足を押さえながらミレイユのそばに駆け寄ってきた。
ビズラとパレポロスはすぐそばまで来て暴れている。
ミレイユ「 💦💦このキラキラした紐みたいなものが身体に絡みついて、まるで蜘蛛の糸みたいなのよ😭💦何しても外れないの💦」
ハチ 「 まったく💨 とろくさいねぇっ 」
ごちゃごちゃやってる二人の頭上で
シュュュルルルルル~ーーン パカッーーン!ボッムン
照明弾が上がり、
辺りはパァーーっと明るくなる。
ヒュュュュューン、パタパタパタパパパパパパパっっっと不思議な音とともに眩しい光がミレイユたちに浴びせられた!
Eyesドローンがフラッシュを放ちながら間近まで接近してきたのだ。
ミレイユ「 キッ 」ーにらむー
トンボさながらのリアルな動きをする黒光りしたマシンだった。
ハチ「?!、な、なんだよ💦💦 こいつ💨」
攻撃してくるのか!と思わせる!
ミレイユ「 ハチっ!伏せて❗」
カッァァッとミレイユの瞳がグリーンに輝く
グアッシャァァァン❗
ドローンは粉々に砕け散った。
相手が器械類なら容赦はないようだ。
ハチ 「💦💦あぁぁ」
残骸が砕け散ってふりかかる、ハチは頭をかかえた。
ドローンたち❗❗
パパパパパパパパっっ
一基が破壊されたからといって怯むこともなく
続々と集まってきて、
パカッーーン❗光を浴びせる。
ゲゴゴゴゴゴぉぉぉぉーー ザザザザ~ーー
ビズラもそれに興奮したのかハチたちめがけて突進してきた❗
ハチ「うわぁぁーー❗照らすんじゃないよっ💦💦 あのバケモンがくるーーっ!!」
Edの群れる場所にルフィーはハチたちを見つける。
「 おいおい、ネットにかかったのは人間かよ💦💦」
視界がひらけて獲物が見えた途端、ハチたちの危機的状況。
ルフィーは肩に担いでたドルビーを慌ててガンスタンドに置くとビズラに狙いを定める
ガシャッ
ズシュュュュュゥゥゥーん、ビシュュュュュゥゥゥン
「!!グブっっん げぴぃぃぃぃぃぃっー 」
どぅおおんっぐしゃゃゃーーん
装甲騎兵に風穴を開けるドルビーWC3を前にビズラなど ひとたまりもない。
「うわぁ、今度はなんだい?💦💦」
凄まじい衝撃に驚くが、すぐにルフィーの存在に気づく。
「へへーん😁 一匹🎵
んで、次 ⏪左 6ーc 照らせ❗」
ルフィーはパネルボードのモニターを操作しながらマウゴラに指示。
パパパパっ
Eyesドローンたちビズラを追って動いて行く。
スコープのクロスラインがビズラたちを追う。ドローンと違って仲間が消し飛ぶ様を目のあたりにして、ビズラたちは危険を察知し背を向ける。
ズビュュュュゥゥゥゥーん シュュュュぅぅぅん
逃げまどうビズラたちに容赦ないレーザービームが降り注ぐ。
「…😃ドルビーで正解だったじゃねぇか♪」
追い回しながらルフィーは自然と笑みを浮かべて半ば殺戮を楽しんでいた。
「 バケモンめ、ざまあみろっ、みんなぶっ殺せ❗」
ハチも背伸びまでして それを眺め興奮している
「……💧」
ミレイユは草の中で静かにたたずむ。
「 ちっ 一匹逃したか…くそ !」
言いながら、エルクーンは風を巻き上げて二人のそばにやってくる
「 あ、逃がしたよ、下手くそだね! 」
「 💦 しっ、ハチっ」
「聞こえてないって。どうせ、通じやしないよ!」
SHSシステムインテグレーションは宇宙の数ある言語を相互通訳するもので、もちろんバッチリ聞こえていた。
だからルフィーはムッとした顔をむけながら搭乗ステップを下ろす
「(-_-#)…。早く乗れっ !
お前らこんなとこでなにやってんだよ。ここの住人か?」
…?!
ルフィーはミレイユを見てハッとする。
見覚えがある。
それもそのはず昼間 湖で助けた女じゃないか?
〝なぜ、ここに? 他人の空似か?〟
「 こんなとこに住んでるわけないだろっ!ここがどこなのかもしらないってのにぃ。
(ん?通じてる?)
て言うか💦あれ!追わなくていいのかい?また仲間連れて戻ってきたらどーすんだよっ💢 」
「 💦ありがとう✨ 私はミレイユ、この子はハチよ。」
「この子とか言うんじゃないよっ💢」
「いいでしょう、別に。😥」
ごちゃごちゃ言い合う二人をまじまじと見つめるルフィー
パネルボードを出して、モニターに目をやる。
〝ジェルモンク系?聞いたこともない言語〟
ミレイユたちは今までに会った、どのタイプとも違う雰囲気を持っていた。
「…💦俺はルフィー。」
ルフィーはその存在感に圧倒されながら口を開くが…
「そう、ルフィー!ね(o^-^o) 本当にありがとう💕✨」
なんの警戒心もなくルフィーの手をとり、満面の笑みを向けるミレイユ。
「 (〃ω〃)💦」
( 確かに俺はこいつを部屋に運んだはずなのに。)
ルフィーは不思議すぎてミレイユから目が外せない。しかも笑顔が可愛い。じっと食い入るように見つめてしまう。
ハチはそんな二人を変な顔で交互にみる。
「 …早く動いたらどうなんだい?殺りに行かないなら、こんなとこ、とっととおさらばしようじゃないかっ💢」
ルフィーはハチの言葉に引き戻される。
色々不可思議だと思いつつもまずは艇に戻ることにした。
「あ、ああ💧そうだな。」
モニターが明るくなり中央マウゴラマークがくるくる現れる
「レッドトゥースが接続されました。」
「❗なっ、なんだよ、急にっ。ビックリすんだろっ💢」
ハチがひきつった顔を向ける。
「…💧😖 ルークMUGR33P5パーソナリティーのマウゴラです。
Edの映像から生物の確認が取れました。
未確認生体というわけではなく、 これはビズラ、そしてこちらはパレポロス。開発途上星に置いてもレベル9に入る古代生物です。我々の星系ではウイルシング紀あたりに生存していたと推測されます…貴重な生きた化石です。」
空中の大モニターに二体の古代モンスターが写し出される。
パレポロスは大型の亀虫のような形にカマキリのような眼帯をもち、その目はこぼれ落ちそうなほど突起している、夜は真っ黒になるのでいっそう大きく見えるのだ。
「そんなドアップ要らないよ! 気持ち悪いっ それよりここはどこなのさっ!」
ハチはマウゴラに向かって大声で言う
「💧…。あなたは…認識番号が確認出来ません。他星人域CODE-Vもありません。高度生命体の生息空域を越えたXWp地域の言語を使用……」
マウゴラはその後、黙ってしまう。
「はあ?どんな言語だって?」
「他星コード?ってなあに?💧」
ミレイユとハチは唖然として顔を見合わす。
この人工知能らしきものは何を言ってる?
一体ここはどこなのか?どこまで来てしまったのか?というのが正しいのか…
ハチはエルクーンに乗り込みながら文句を吐きちらす。
どんなところにいてもハチらしさは変わらない。
「 ハチったら💦 やめて。
ごめんなさい、助けてもらったのに。私達は…あ、何から話せばいいかしら💦💦」
こっちも同じ、ミレイユらしさはさらに際立っている。
「 …💧」
ルフィーはネットに絡まったままのミレイユに驚きながらピコルス(解除装置)をかざす。
ピピィー!シュュウ
特殊繊維コムディアファイバーはミレイユの身体から消滅した。
困惑している二人をチラリと見るルフィー。
「…。俺もそんな生きた化石に興味ねぇよ。おいマウゴラ、それよかAー5を写せ、指示があるまで部屋を開けるなと言ったよな。」
モニター中央マウゴラマークがくるくる回る
「…💧開けていません。 ここには誰もいません。
ここまでいます、 ここからいません。消えました、いえ画像の異常です。解析できまン。ジジ」
Aー5の部屋を映し出し、録画モニターを確認中。
マウゴラは変な言語でシステムインテグ中か、困惑中か。
「…💧できまンってなんだよ、お前開けたんだろっ?、もちっとマシな言い訳しろよ、報告もなしでよ💢 ロット製はこれだからな。役立たず!」
マウゴラは反応なし、いやあえてしないのか……
「 お前は都合悪くなると黙んのな?もう二度としゃべんなよっ」
マウゴラマークくるくるくる
「…💧必要なことだけお話ししてます。」
「いいから、黙れ。喋んな。」
もしかして私のせい?
とモニターを覗いてミレイユはあたふた
「😵💦私がジャンプしてハチを助けにいったから💦」
そっとハチにささやく
「言ってもわかんないさ。ほっときなよ」
マウゴラはミレイユを見てじろじろ解析中。
「608573、あなたは試したのですか?最適化テストですか?思考システム改善のためですか?…… 」
スクリーンは開き、セーバー画像に美しい銀河と飛び交う戦闘機が写し出される。
マウゴラ無言で機嫌の悪さを示しているようだ。
「はあ?お前なにいってんだ?壊れたか?っ ポンコツ!、アホ!デブ! おい、このスクリーンやめろっ!*ワールなんかみたくもねーんだっ 」
*ワールプール = 宇宙空間の事
しかしそれを聞いてますます大音量の大迫力!
ひゅーんぴゅーん どかがーーん、コゴゴォォーン
激しい銃撃戦シーン。
更に
どおおおーーーん、ぶぉううぅぅん
進撃軍最大にして最強空母戦艦ハリケーンスネーク 登場だ!
惑星も軽々と破壊するデストロ砲台を搭載。
その他にもブラッセル自慢の重スイマ主砲、反粒子砲、光子エネルギー砲はもちろん、多連装ワール間弾道ミサイルクラウドシャドウ。
更に光波帯域ハイパワーフレアを飛ばしている。
装甲の厚みは50層のズミトニウム製。セイバーの鉱山から奪ったものだ。各国から死神と恐れられているハリケーンスネーク艦。
セイバー攻撃機に囲まれても怯むことなく突き進む!
でたぁ反粒子砲が渦を巻いてうねり出す、セイバー艦隊大爆発…というより消滅だぁ
ドドドドドォォォォォ
「 うるせーなぁっ てめぇっ 止めねぇと💢💢ぶっ壊すぞーーっ」
マウゴラは隅のほうでくるくるくる
「ただいま内部クリーン動作中です ! ふん 💨」
「 あー?嘘つけ!ふんてなんだ、ふんて‼ これを消せってーの❗」
ルフィーはイライラして手元のパネルボード画面をタップ連打!
エルクーンはゆらゆらしてます
「 ちょっといいから、真面目に運転しなよっ 危ないだろっ !
そんなことでいちいちキレるなんて小さいね~」
「ハチっっ💦」
ダメよ、そんな本当のことぉ
「 なんだとぉ?俺がちいせぇだと💢」
マウゴラ画面に現れる。くるくるくる
「608573 、小さいとは不快な言葉ですか?」
「 💢 お前は黙ってろ❗」
ルフィーは鬼の形相、画面を弾く
「 ああ、試しに言ってやんなよ、小さい人間ですねぇって。」
ハチはニヤリと笑う
ミレイユ「💦」
マウゴラ「…?」
ルフィー「 💢💨 」
エルクーンは急加速しエンジンを唸らせながら小艇に戻って行きました。