「なんだい!あたいは忙しいんだよっ💢」
インフォメーションスピーカーに呼び出され、オペレーションルームのメインスクリーンの前。
険しい表情のルフィーが写る。
隣でミレイユも心配そう。
「ピッドブルの探査電波を嗅ぎ付けて、パラ公や*金魚がくるかもしれない。
もし、やつらが現れたら応戦しようなんてバカなこと考えんなよ!
ブラッドルークでカモフラージュして、そっこう逃げろ!*ジャッカルの攻撃は容赦ねぇし、金魚なら数機でも、すぐ後から大群が現れる。」
*ジャッカルとはパラメール解放軍の戦闘機の通称。
*金魚とは黄金の惑星 セイバースタークロスの兵士たちの事。その群体性はブラッセル以上の機密力。
セイバー星系は第1ワールプールの左の端に位置し、8つの惑星と5つの衛星を持ち、宇宙一固いと言われるズミトニウム鉱山があるため各国から狙われている。巨大な恒星クマールが守護する星系だ。
「金魚のやつらっ!」
ハチにとってはグランドプラックスでお馴染みの敵キャラ軍団。
何度もひどい襲撃に遇い、兵士を殺され、物資を略奪され、基地を全焼させられていた。
「ハチ、ゲームと違うんだから、絶対ムチャしたらダメよ💦 」
「ふん、そんな。やるわけないだろ、あたいは勝ち目のない戦いなんてしないのさ。だいいち、マウゴラに任せときゃ、ちゃんといい方法を考えるだろ。」
「ケッ!そいつが気に入らねぇからお前に話してんだ。艦隊に搭載されてるアイビーはな、コンバットタイプだ!クルーの事なんざ第一に考えてねぇーんだよ、サバンナ〔偵察機のこと〕の数で勝算 計って、撃退するとか言い出しかねないからな。」
ルフィーはいきり立つ。
ブスッとしたアイコンでマウゴラがくるくるくるっと現れる
「私はそんな安易ではありません。心配ご無用。そんなことより、光速圏突入を急がれた方がよろしいかと。ガス雲に接触します。」
モニターに写し出された磁気を放つガス雲。そのなかの中性子星が拡大され、観測データとルフィー機との距離を割り出し赤く点滅する。
「ガス雲だ?やべぇなっ!」
level2の短距離ドライブでCTR² O
はその場から姿を消し、通信も途絶えた。
入れ替わりにハーバがスクリーンに顔を出す
「ベムドンナおよび、オニヘルグサリ採集を完了しました、我々は、次の目標、ケファタルトの生息区域に向かいます。」
ミヨシは後ろでモニターシートにつき、インジケーター照準器を確認しながら、操縦悍のボタンをカチカチやっていた。
「クロスラインに入ったら、ここを押すっ! あぁ💦できるかなぁ💦 やっぱり竜崎さん、やってよ‼️」
「ふっ…射撃は得意なんだろ」
レイラにあっさりと突き放される。
「ぶひっ( 。゚Д゚。) 竜崎さんのいじわるっ!」
三人は湖周辺でアトロピン精製植物の花や葉、根茎を採集して、湖を越えて北東の山岳地帯を目指していた。
「対象物の確認が取れていません。スターKCからサーチエンジンを起動してください。」
「今、やってるよっ。邪魔が入って集中できなかった。すぐ見つけてやるから、待ってなって!」
ハーバにせかされ、ハチは山岳、森林一体を探査レーダーで捜索中。ゲームでのビーコン探しのお陰でサーチオペレーションはお手のものだ。
「あのぉ、なんかへんな電波信号みたいのが、さっきから…すごい邪魔なんですけど。これ消せないの!」
ミヨシは緊張のためか、少しイライラしている
「はい、検出された周波数は720MHz、振幅、振動数から、コールシグナルの模様、廃棄されたビーコンか、ポータルでしょうか。なお、発信源に大型生物を確認、熱量680ぺクシブ、 数体います。画像を解析中、とりあえず位置情報と音源を送信します。」
周辺空域の集積データの処理に追われていたマウゴラはKCサテライトが受信した高低周波数を変調し解析する。
レイラたちは顔を見合わす
「大型生物?ケファタルトか?」
「ちがうだろ!サーチゲージにひっかからない!」
ハチはメーターパネルを何度も確認する。
『HELLO、CQ CQ CQ this is BC5HLK、BRAVO. CHARLIE. FIFE. HOTEL. LIMA. KILO 、
BC5HLK!
Calling CQ and standing by.
486100contact,ahead.』
無線通信の音声が受信され、オブジェたちの映像もハッキリと写し出された。
「 ⁉️ オブジェ!!」
ミヨシは驚きの表情で身を乗り出す
「ほら、ほら! 見つけたよ!!このでかい山の裏にかくれてやがったのさっ、西に移動してる。ちょうど犬たちの方に向かってるよ、とっとと捕まえな。」
ケファタルトを発見したハチは大喜びで画面に割り込んでくる。
「群れで動いてるな」
レイラは深刻な様子。
次々と送られてくる計測システムを見ると、オブジェたちの後を追ってケファタルトたちが移動しているように感じられた。
「早く助けにいかなきゃ💦」
もし餌として狙われているなら
一刻も早く救出しなければ、ミヨシたちは交信を続けながらオブジェたちの元へと急いだ!
山を降りたオブジェたちは森を抜け湖の東側の草原に差し掛かっていた。
ガガガーージジーピポピポピーー
スーパーヒーローではミヨシの声を受信することはできなかった。
しかし、どこかと入感しているという事はレーダーの数値で確信していた。
「なに?今どき、この雑音って相手さんアナログ?-w-w RT 1 9だぜぇ。そんなのってある?-w-w」
首を傾げるマコトに苦笑いのスズカ。
「宇宙人でしょ? -w-w 繋がっても、どうせ言葉なんてわからないわよ」
「1740MHz…衛星か… 昨日までなかったものがなぜ💧 こちらは丸見えということか、やはり森の中に戻ろう❗️」
オブジェは渋い表情で空を見上げる
「えー?救助のコールサイン送ってるのに。
CQ CQ CQ., this is BC5HLK,
BRAVO CHARLIE FIFE HOTEL
LIMA KILO 、
Your signal is one nine.
this is BC5HLK. Go ahead.」
「よせ!マコト、相手が危険な生命体だったらどうする!」
「 危険な生命体とおっしゃいますと? エイリアンみたいの?-w-wまさか-w-w」
「やだぁ💦攻撃してくるかもよ!⁉️ねえ、ちょっとあれ!なに? こっちに来る?!」
キョロキョロしていたスズカは西の空を指差す。
「 …💧エイリアンかも。」
ひきつった顔を向けるマコト。
見たこともない物体はまっすぐ三人にむかって接近してくる!
オブジェたちは本能的に森に向かって走った。
しかし、それはミヨシたちが乗っている複座変型 重装甲機兵バッファルだった。
「敵は逃走しています。森に逃げ込む前に捕獲しますか?」
容赦なくモニターのクロスラインを三人に当て、狙いを定めるハーバ。ケファタルトを捕まえる前にオブジェたちで練習…ちがう!ちがう!とミヨシは止める
「捕獲なんて、ダメ!ハーバ、オブジェたちは仲間なんだ!私の大切な人なんだから💦 」
レイラはちらっとミヨシを見た。
「あー、でもなんで逃げるんだよ💦まってよ~💦」
「落ち着け。いきなり、こんなものが向かってきたら誰でも逃げる。」
って、レイラは全然、逃げる気配すらありませんでしたが…浜辺ではじめてバッファルを見たときのことを思い出したようです。
「あっそうか、じゃちょっと降りて迎えにいく!私をみたらきっと、安心するから🎵」
「お待ちください。」
そういうとハーバは手際よくミヨシに*G-bodyを装着させ、ヘルメットのシールドをしっかりとおろした。
*G-bodyは防護アーマー。
「完全防備だね💦」
「1000キロを越えるものは持ち上げないでください。腕のスリートが切れる恐れがあります。」
いったい何を確保に向かうのだ💦
「うん、わかった!じゃいってくる!」
ハーバとミヨシが頷き合う。
そして勇み足でレイラの前を通りすぎようとするとき、
「ちょっと まて。」
レイラのクールな視線に、ゴリゴリのロボミヨシは振り返る
「竜崎さん、大丈夫だって!なにが出てきても、こんだけ完全防備なら!私だってやれるよ‼️」
「💧誰もおまえの心配なんかしていない。」
「えーひどぉ!」
「ふっ…そこのガラスに写った自分を見てみろ。」
「え?⁉️ うひゃー💦 ロボット?宇宙人?! だめだ、こんなの着ていったら、オブジェがビックリして余計、逃げちゃう!」
慌てて脱ごうとするミヨシを止めるハーバ
「脱いだらだめです、人間の生身の体で行くのは危険です💦」
「……。」
ごちゃごちゃとやり合う二人を残し、レイラは黙って搭乗ゲートを開き外に出て行くのでした。